振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日は会合後の植田日銀総裁記者会見に注目
〇ドル円、アジア時間の高値143.95から一時142.04まで急落
〇日経平均株価、米長期金利の上昇幅縮小、俄かロングのロスカットが重石に
〇ユーロドル、欧州株変調推移等に、一時1.1179まで反発、1.11台後半での推移
〇本日は日銀金融政策決定会合とその後の植田総裁記者会見に注目
〇引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:141.00ー144.00
海外時間のレビュー
19日(木)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。(1)米FOMC(米連邦公開市場委員会)通過に伴うアク抜け感(予想されたほどハト派的では無かったことに対する安堵感→米ドルの大規模ショートカバー誘発)や、(2)日経平均株価の大幅高(リスク選好の円売り圧力)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、アジア時間朝方にかけて、高値143.95まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)心理的節目144.00を背にした戻り売り圧力(144.00は市場参加者に意識されているレジスタンスポイント)や、(5)日経平均株価の上昇幅縮小、(6)米長期金利の上昇幅縮小、(7)俄かロングのロスカットが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値142.04まで急落しました。
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+1.7、予想0.0)の市場予想を上回る結果や、(9)米新規失業保険申請件数(結果21.9万件、予想23.0万件)の良好な結果、(10)米8月景気先行指数(結果▲0.2%、予想▲0.3%)の市場予想を上回る結果、(11)米主要株価指数の堅調推移が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間9/20午前5時45分現在)では、142.60前後で推移しております。
19日(木)のユーロドル相場は振れを伴いつつも方向感を見出せず。(1)米FOMC(米連邦公開市場委員会)通過に伴うアク抜け感(米ドルのショートカバー誘発)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.1069まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)欧州株の堅調推移(ドイツDAXの史上最高値更新)や、(4)米長期金利の上昇幅縮小が支えとなり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1179まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米経済指標(米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数、米8月景気先行指数など)の良好な結果や、(6)イタリア銀行パネッタ総裁による「ECBの金融緩和サイクルは今後数カ月で加速する公算が大きい」とのハト派的な見解発表が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/20午前5時45分現在)では、1.1160前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時143.95まで上値を伸ばすも、またしても144.00のレジスタンス(9/6以降、一度も越えられていない強力なレジスタンス)に続伸を阻まれ失速しました。日米金融政策の方向性の違いが鮮明となる中、外国勢を中心に戻り売りが活発化したことが背景と考えられます。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合とその後の植田総裁記者会見に注目が集まります。政策金利は据え置かれる公算が大きいことから、市場参加者の関心は植田日銀総裁記者会見(日本時間15:30)に移っています。直近で植田日銀総裁・高田日銀審議委員・中川日銀審議委員・田村日銀審議委員などが相次いでタカ派的なスタンスを見せているため、本日の記者会見でもタカ派的なスタンス(同氏が8月の閉会中審査で述べた「経済・物価のこれまでの見通しがおおむね実現していけば、金融緩和の度合いをだんだん調整していく基本的な姿勢に変わりはない」とのスタンス)が強調される可能性が高いそうです。
この場合、利上げ路線の継続スタンス強調→年内追加利上げ観測再燃→日米金融政策の方向性の違い→日米金利差縮小の経路でドル円に強い下押し圧力が加わる恐れがあるため、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:141.00ー144.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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