ドル円 米FOMCを経て、ドルは上値重いが底堅い(9/19夕)

東京市場は「行って来い」。一時大きくドル高が進行したものの続かず、結局寄り付きレベルまで1円以上も値を下げた。

ドル円 米FOMCを経て、ドルは上値重いが底堅い(9/19夕)

米FOMCを経て、ドルは上値重いが底堅い

〇本日のドル円、ドル売り後に切り返し、144円近くまで2円ほどの逆行高
〇その後徐々に軟化、寄り付きレベルを下回る142.10台まで値を崩す
〇明日の日銀会合結果発表をにらみつつ、基本的にドルは底堅く推移か
〇テクニカルには、今後も21日線がドルの抵抗として寄与する可能性
〇本日は米9月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数に注意
〇ドル高・円安方向、オファーが並び始めてきた143円前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京で維持された142円、あるいは141.90レベルをめぐる攻防に注目
〇ドル円予想レンジ:141.50-143.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場は「行って来い」。一時大きくドル高が進行したものの続かず、結局寄り付きレベルまで1円以上も値を下げた。

ドル/円は142.30円レベルで寄り付いたのち、日中安値の141.85-90円を示現。当初はドル売りからスタートしたものの、切り返すと以降は144円近くまでという2円ほどの逆行高をたどっていた。しかしドルは高値も維持できず、そののち徐々に軟化。夕方には寄り付きレベルを下回る142.10円台まで値を崩し、16時現在ではそのまま安値圏で欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、17日に発表された8月の米小売売上高悪化にもかかわらず、ブルームバーグが「9月の米利下げ、小売売上高発表後も市場の予想は0.5%」などと報道するなか、昨日そのFOMCの結果として「0.5%の利下げ」が発表されていた。さすがに発表前後の相場は荒れ模様で、ドル/円相場も短時間で2円を超える変動が記録されている。しかし、一旦の材料出尽くしに加え、パウエルFRB議長が会見で、「今回の決定が『新しいペースだ』とは誰も捉えるべきではない」などと述べたことが、今後の追加利下げに繋がる動きへ若干の警戒感を有していたことは間違いない。なお、そんなFRBの動きについて、ハリス氏とトランプ氏という2人の次期米大統領候補は、ともに「歓迎する」とのコメントを発していたようだ。

後者は「中秋節」が明け、金融市場で取引が再開されるなか、肝心の中国で様々な動きが観測されている。領土問題などに関するものとしては、日本に対して「接続水域の空母航行は合法」と外務省が強弁。また台湾には、中国国務院(政府)関税税則委員会が、「輸入する果物や野菜、水産品をはじめ一部農産品への関税免除措置を今月25日から停止するとの公告を出した」と発表している。それに対して米国は、国務副長官から「中国指導部がロシア支援推進」と非難するコメントが聞かれたうえ、米海軍制服トップも「中国との有事に備えて能力強化が必要」などと発言。一方、米FBI長官からは「中国政府の指示を受けるハッカー集団のハッキングを阻止した」との発表もなされていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、米FOMC前後になかなかの乱高下をたどったものの、最終的にはドル買い優勢。そして前述したように本日東京で一時144円に迫るも続かなかった。方向性を読みにくい。しかし、明日に予定されている日銀会合の結果発表などをにらみつつも、基本的にドルは底堅く推移か。少なくとも、再び140円割れそして16日安値の139.58円を下回るような展開は目先見込みにくいようだ。
事前に意見が一本化されず、「読み」の難しかった米FOMCだが、前記のとおり「0.5%の利下げ」と発表されている。それを受け、市場の関心は明20日の日銀会合の結果発表に移行しているようだ。ちなみに、予想は「金利据え置き」でサプライズも予想出来ない、などといった見方が大勢だが果たしてどうなるか。一方、そうしたなか昨日、米下院でつなぎ予算の採決が実施されたが、民主党の反対で否決された。今月末に予算切れとなるだけに、ドルの懸念要因として今後取り沙汰されかねない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は米FOMCを経たのちもドルの底堅さを醸しているが、一方で上値トライが失敗に終わった格好なのは気掛かり。以前から取り沙汰しているように、本日東京で144円に接近するなか、移動平均では143.70円台まで切り下がってきた21日線をザラ場ベースで一時上抜けたが、維持できずあっさり下回ってきた。今後も21日線がドルの抵抗として寄与する可能性がある。

本日は米経済指標として、9月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。米FOMCの結果発表を受けた翌日ではあるが、内容如何では追加利下げに関する思惑が相場の波乱要因となりかねない。また、英中銀による政策金利発表にも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.50-143.00円。ドル高・円安方向は、少しずつオファーが並び始めてきた感のある143円前後が最初の抵抗。超えれば、東京で維持できなかった21日線を再び試す展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京で維持された142円、あるいはその少し下の141.90円レベルをめぐる攻防に注目。それを下回ると、再び141円割れの機運が徐々に高まりかねない。

米FOMCを経て、ドルは上値重いが底堅い

ドル円日足


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