トルコリラ円レポート月曜版
今週はトルコリラ円となります。
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「上値が重たい流れを見て、今週は32.40レベルをサポートに、33.40レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が32.57レベル、高値が33.85レベルと、予想レンジよりもトルコリラ高円安の動きとなりました。
目立った材料があったわけではありませんが、週円半はドル円、ドルトルコリラともに歩調を合わせて動いていたものの、FOMC後の動きでドル円での円安が目立ち(チャート参照)、結果として週を通して比較的底堅い値動きとなりました。
今週金曜は東京市場が休場ですが、欧米市場も短縮取引となり週後半はクリスマス休暇モードです。材料が無ければ動きにくい週となるのですが、逆に材料が出た場合には参加者が少なくなるため、思わぬ振れに繋がり注意が必要です。今週の主要な材料としてはトルコと日本の双方の政策金利決定会合が20日にあります。日銀は昼過ぎに、トルコ中銀は日本時間20時に発表されます。
日銀は現状の金融政策を維持する方向でサプライズは無いものと考えられますが、ECBが債券購入額縮小を決定した直後であり、総裁会見における質問でもテーパリングの話題が出て来ることは間違いないでしょう。何らかの反応があるとすればテーパリング関連と思われますが、直近のところまで円安の進行が速かっただけに円高方向への調整が入るきっかけとされやすい会合となりそうです。
トルコは上限金利引き上げも
いっぽうトルコ中銀は、現在の政策金利が8%でコリドー(金利の下限と上限の幅)が7.25%〜8.50%となっています。コンセンサスでは下限と政策金利は現状維持となるものの、上限金利については見方が分かれていて、中銀としては0.25%上げて8.75%とすることを考えているものの、エルドアン大統領は中銀の利上げに対して否定的で金融機関にのみ利益を与えると前回の利上げ後にも中銀に対する圧力発言を行っています。
中銀としては前回同様にインフレ懸念を抑えるための利上げを行う可能性がありますが、米金利も上昇している中で、トルコの利上げが即トルコリラ買いに繋がるとも思えません。実際に11月24日の上限金利引き上げ時には、サプライズとの判断から瞬間的にトルコリラ買いが入ったものの、その後は急速にトルコリラ売りとなりました。(11月25日記事参照)
利上げでもトルコ安か
トルコリラに関しては引き続き国内の不安が残りますし、長期的には米国の利上げスピードが速まる思惑から米国への資金回帰が起こりやすい流れです。金利は7:3くらいで利上げの可能性が高いと考える参加者が多いようですが、トルコリラに関しては利上げの有無にかかわらずトルコリラ安の流れが継続しやすいと考える参加者が多いようです。
それではチャートをご覧ください。今週も4時間足チャートの中段にドルトルコリラを、下段にドル円を表示してあります。
トルコ円 ドルトルコ ドル円 四時間足
予想レンジ32.80ー33.80
ドルは対トルコリラ以上に対円で強いというのが先週の印象でしたが、こうして1か月程度の動きを見ていると、どちらも似たような動きをしていることがわかり、トルコリラ円は32円台後半から33円台半ばを中心とした値動きを続けています。今週も先々週後半から先週のレンジ(32.57〜33.97)内での動きを考えることが妥当でしょう。
今週は上記レンジの中で金融政策決定会合後にややトルコの売り圧力が強まる可能性を考え、32.80レベルをサポートに、33.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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