ユーロは対ドル対円ともにもみあい局面
〇先週のユーロドル、160pipsとドル円の5分の1以下の値幅
〇ユーロ円、ドル円とともに乱高下見せ7円50銭ほどのレンジ
〇ユーロドル、週初のユーロ円急落の影響で週前半は上値重く、週後半はドル安によるユーロ高の動き
〇今週ドル円はいったんもみあいになると見て、米金利の動向がユーロドルの動き決める流れか
〇目先は米金利低下方向のバイアスかかりやすく、ユーロドルではユーロ買いが入りやすい
〇ユーロ円、サポートラインに近づいた後の買戻し局面、両者とも目先は売りの地合いで横方向の揉み合い
〇今週は1.0700レベルをサポート、先週高値に近い1.0810レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
最近はずっとそうなのですが先週も為替の主役はドル円、クロス円となりユーロドルはドル円が介入もあって8円を超える値幅だったにも関わらず160pipsと5分の1以下の値幅となりました。いっぽうでユーロ円はドル円とともに乱高下を見せ7円50銭ほどのレンジとなっていました。
ユーロドルは大きくは週前半は週初のユーロ円急落の影響で上値が重くなり、FOMCを前に1.06台半ばでいったん安値をつけたものの、FOMCでのQT減速ペースが予想よりもやや速いペースであったこと、雇用統計が全般に悪くこちらも米金利低下につながったことで、週後半はドル安によるユーロ高という動きになりました。
今週もドル円が大きく動くようであれば、それがユーロ円に波及してユーロドルは動きにくいという展開になりますが、ドル円の週報に書いた通り今週はいったんもみあいになると見ていますので、そうであれば米金利の動向がユーロドルの動きを決めてくる流れです。FOMC、雇用統計と米金利が下げてきたことで、目先は米金利低下方向のバイアスがかかりやすく、そうなるとユーロドルではユーロ買いが入りやすいと見てよいでしょう。
ただ中期的にはECBは6月から緩和に転じるという見方にも変化が無いため、買われたところではカウンターで売りが入りやすい流れになってくると考えらえます。このあたりをテクニカルな観点から見てみましょう。いつもの日足チャートをご覧ください。
先週高値は3月高値からの拡散型ウェッジのレジスタンスラインで止められていること、4月安値からの上昇N波動を考えた場合に100%エクスパンションが1.0800とこちらも先週高値にほぼ重なります。ごく短期的にはレジスタンスラインが下がって、それを上抜けた上で改めて先週高値を抜ける動きが出て来ないと、ここからの一段高は難しそうです。
いっぽうで下値はここまでの5月安値と高値の61.8%押しとなる1.0710がターゲットとなりますので、底堅いながらも横方向のもみあいをもう一週間継続するという見方をしておきます。今週はこれらの水準を参考に1.0700レベルをサポートに、先週高値に近い1.0810レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円ですが今回は日足チャートです。
171円台半ばまで上伸したもののその後の急反落を見たことで、介入前後の振れを除いて現在も昨年12月安値からの平行上昇チャンネルの中での動きを続けていると見てよさそうです。サポートラインに近づいた後の買い戻しの局面にありますが、ドル円の上値が重く、ユーロが底堅いと、ドルとしては両者とも目先は売りの地合いとなることから、ユーロ円は横方向のもみあいと見ています。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
5月6日(月)
**:** 東京、LDN市場休場
16:50 フランス4月サービス業PMI
16:55 ドイツ4月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏4月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏3月PPI ☆
5月7日(火)
08:01 英国4月小売売上高
15:00 ドイツ3月製造業新規受注、貿易収支
15:45 フランス3月貿易収支
17:30 英国4月建設業PMI
18:00 ユーロ圏3月小売売上高
5月8日(水)
15:00 ドイツ3月鉱工業生産
21:00 ベルギー中銀総裁講演
5月9日(木)
08:01 英国4月住宅価格
20:00 英中銀政策金利発表 ☆
20:30 英中銀総裁会見 ☆
21:15 デギンドスECB副総裁講演 ☆
21:15 チポローネECB理事講演 ☆
5月10日(金)
15:00 英国1〜3月期GDP速報値 ☆
15:00 英国3月貿易収支
20:30 4月ECB理事会議事要旨 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
4月29日(月)
ユーロドルはドル円とともにユーロ円が171円台半ばまで上伸後に介入の影響から165円台半ばへと急落するといった動きで、主役は円相場となる中で1.07台前半で終日レンジはわずか44pipsと蚊帳の外状態の一日となりました。
4月30日(火)
ユーロドルは東京市場では下げ、欧州市場序盤からは買い戻されという動きでしたが、海外市場に移ってからはドル円同様にドル買いの動きが強まり、1.0665レベルまで下げて安値引けとなりました。
5月1日(水)
ユーロドルは東京市場では売り先行、その後の海外市場では買い戻されてFOMCを迎えましたが、FOMC後はQTペースの減速による米金利低下と全般的なドル売りの動きから1.0733レベルまで上げました。引けにかけては介入でユーロ円が下げたことでやや押しました。
5月2日(木)
ユーロドルは東京市場では動かず、海外市場に入ってからドル円とともにユーロ円でも売りが強まったことからNY朝方に1.0675レベルまで押しました。しかし、最終的にはドル高に引っ張られて、前日高値圏へと戻して引けました。
5月3日(金)
ユーロドルはドル安の動きが目立ち雇用統計までは底堅い動き、弱い雇用統計後に一時1.0812レベルの高値をつけ、引けは1.07台半ばへと押しました。
注:ポイント要約は編集部
ディスクレーマー
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