ランド円レポート月曜版(2016年12月12日)

ランド円が堅調だった理由として、前週の格付で当面のジャンク債入りを回避できたことからドルランドでのランド買い戻しが目立ったことが大きかったと言えます。

ランド円レポート月曜版(2016年12月12日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、ランド円は「底堅い展開を予想し、8.00レベルをサポートに、8.30レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が8.07レベル、高値が8.45レベルと、予想レンジよりも10銭程度ランド高円安の動きとなり引き続き堅調な推移となりました。

ランド円が堅調だった理由として、前週の格付で当面のジャンク債入りを回避できたことからドルランドでのランド買い戻しが目立ったことが大きかったと言えます。週後半はやや予想よりも悪い南アの経済指標がランド安に動かす動きと、ドル円における円一段安との動きが打ち消しあう形でランド円は高値圏でのもみあいのまま一週間を終えています。

今週はCPI、PPI、小売売上高の発表はありますが、予想からよほど外れない限りは大きな材料とはなりにくいと考えられます。ドル円で円安の動きは再開したもののドル円単体ではいったん上昇ターゲットに近いこともあって、こちらはどちらかというと円買い方向に作用しやすいのではないかと見ています。

ドルという点では14日にFOMCがあり、今週最大のイベントではありますが、米国の利上げに関してはランドにも円にも短期的に影響は無いと言えますが、米国の今後の利上げのペース次第では新興国から米国への資金還流に繋がる可能性があるため、今年3月に7.00%へと利上げをして以降落ち着いている南アの政策金利に対する思惑が長期的には出て来る可能性があるかもしれません。

今週はしばらく上昇を続けているランド円もいったん高値圏での踊り場となりやすくいため、テクニカルに今後のターゲットを検討していきます。過去3年間の週足チャートをご覧ください。

              ランド円週足

              ランド円週足

こうして見ると、ランド円は長期的に底を打ち現在は高値を探る展開にあります。これは他のクロス円でも似たパターンとなっていることからドル円での円安の影響も大きいのですが、現状は2014年高値(10.80)と今年の安値(6.42)の半値戻しに当たる8.61をターゲットにしていることがわかります。

またピンクの横のラインは2012年の安値8.71に引いてありますが、2015年までランド円は同安値を除くとだいたい9円の大台を安値圏とする値動きとなっていて、昨年9円の大台を割り込んだ後に同安値を何度か試した後に大きく下げてきていることから、この8.71という水準もひとつの目安となります。つまり8.61〜8.71という水準が現時点での中期的なランド高のターゲットとなりやすいことが週足チャートから見て取れると言ってよいでしょう。

今週はドル円がいったん踊り場を形成しやすい水準であることを考えると、ランド円もいったん高値圏で調整を挟み、ドル円が次の円安を試す流れとなってきた際に上記ターゲットを試す流れに繋がってくるものと見ています。今週は先週高値更新があったとしても限定的と考え、8.20レベルをサポートに、8.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

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