前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.52 115.37 113.12 115.37
ユーロ円 119.97 123.35 119.51 121.76
ユーロドル 1.0567 1.0875 1.0531 1.0562
日経平均 18349.92 19042.48 18227.39 18996.37
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
12月5日(月)
大荒れの一日となりました。週末に行われたイタリアの国民投票において反対派が優勢とのことから早々にレンツィ首相が敗北宣言を出しましたが、早朝市場におけるユーロの全面安は理にかなった動きであったものの、欧州市場序盤には既に金曜NY終値を回復し、NY市場ではユーロが対ドルで1.0796レベル、対円で123.19レベルの高値を付けることとなりました。ドル円も東京早朝には112円台に入り込んでいたものがNY市場で114.78レベルまで買い上げられ、その直後には113.16まで振り落とされるという酷い動きの一日となりました。
12月6日(火)
3主要通貨ペアともに比較的落ち着いた動きとなりました。前日のイタリアの国民投票後の荒っぽい値動きで目先の方向感が失われている中、ドル円、ユーロドルともにドルが終日じり高の展開となりましたが、前日のユーロ急騰に対する調整によるユーロ売りドル買いが、ドル円でもドル買いにつながりました。
12月7日(水)
東京市場ではドル円は底堅い展開となり114.40レベルまで強含んだものの、114円台半ばから115円にかけてはドル売りオーダーも出ていたことから伸び悩んでの海外市場入りとなりました。オーダーに加え、先週木曜以降のドルは上値を切り下げる動きとなっていることから、直近のコストの良くないドル買いポジションを整理する動きへ繋がりました。その後米金利も低下したことからドル円はNYの昼には113.42レベルへと東京市場から1円ほどのドル安水準となりましたが、113円以下ではドル買いが控えていることもあってやや戻しての引けとなりました。
12月8日(木)
東京前場のドル円は、じり安の動きとなり113.13まで小緩んだものの依然として113円割れの買いが控えていることから反発、113円台前半から半ばでのもみあいを続けました。最大の注目材料となったECB理事会では来年3月に期限を迎えるQE自体は12月まで延長されたものの、債券購入金額が600億ユーロへと減額されたことからテーパリングと取られユーロが急騰し1.0874レベルの高値をつけました。しかしドラギ総裁は会見でテーパリングを支持するメンバーはいないこと、引き続き下振れリスクがありいつでも拡大する用意があるとの発言を行い、ユーロドルは急反落、1.0598レベルの安値をつけ上値の重たいままでの引けとなりました。ドル円もユーロの乱高下の結果、最終的にはドル買いの流れに追随し114.38レベルまで買われた後、やや押しての引けとなりました。
12月9日(金)
東京市場では強い株価とともにドル円も底堅い展開を続けていましたが、直近の高値は抜けられず高値圏でのもみあいとなりました。海外市場に移り225先物がしっかりと19000円台に乗せて来ると、ドル円でも再び円安の動きとなり、売りオーダーもこなしながら115円にあったと言われるオプションをつけ一気に上伸、NY市場では115.37レベルの高値をつけ高値引け。ユーロドルもECBがモンテパスキの資本増強延長を拒否したことからユーロ売りとなり、安値1.0531レベルとへとイタリア国民投票直後の安値に近づいた後にやや戻しての引けとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
12月12日(月)
16:00 トルコ7〜9月期GDP
18:00 オーストリア中銀総裁議会証言
12月13日(火)
09:30 豪州11月NAB企業信頼感
11:00 中国11月小売売上高、鉱工業生産
16:00 ドイツ11月CPI確報値
18:30 英国11月CPI、PPI
18:30 オーストリア中銀総裁会見
19:00 ドイツ12月ZEW景気期待指数
22:30 米国11月輸入物価指数
**:** FOMC(〜14日)
12月14日(水)
08:50 日銀短観
17:00 南ア11月CPI
18:30 英国11月失業率
19:00 ユーロ圏10月鉱工業生産
22:30 米国11月小売売上高
22:30 米国11月PPI
23:15 米国11月鉱工業生産、設備稼働率
24:30 米国週間原油在庫
28:00 FOMC結果公表
28:30 イエレンFRB議長会見
30:30 NZ11月企業景況感
12月15日(木)
09:30 豪州11月失業率
16:00 トルコ9月失業率
17:00 フランス12月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ12月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏12月製造業・サービス業PMI速報値
21:00 英中銀MPC結果公表
22:30 米国12月NY連銀製造業景況指数
22:30 米国11月CPI
22:30 米国新規失業保険申請件数
23:45 米国12月MarkIt製造業PMI速報値
24:00 米国12月NAHB住宅市場指数
12月16日(金)
16:45 フランス12月企業景況感
19:00 ユーロ圏11月CPI確報値
19:00 ユーロ圏10月貿易収支
22:30 米国11月住宅着工件数、建設許可件数
26:30 (リッチモンド連銀総裁講演)
今週の週間見通し
FOMCの結果でのドルの上下動本来的には予想しがたいが・・
先週はユーロが大荒れの週となりました。週初のイタリア国民投票で急反発、ECB理事会で急反落と、直前までの動き以上に大きな反動を繰り返しましたが、1週間が終わってみると1.05台半ばといつ1.05の大台をトライするのかというユーロ安懸念を残しての引けとなりました。いっぽうドル円は114円を挟んだ高値圏でのもみあいが続き、いったん調整局面入りを思わせた週末に日経平均が19000円を見たことをきっかけに円安再燃。115円の大台に乗せての週末クローズとなっています。
今週は14日にFOMCがありますが、0.25%の利上げは織り込まれ仮に利上げが行われてもコンセンサス通りという雰囲気が既に出来上がっていると思います。ある意味FRBは市場との対話が上手だと考えることも出来ますが、材料的にはFOMCの結果でもってドルが上下するという動きは本来的には予想しがたいところです。
ここからのドル上昇余力は今週に関しては限定的か
ただ最近のイベントは、およそ無風では通過できないこと、また当初の予想に反した方向に動くことが多いため、果たして材料出尽くしの利食い売りに反してドル一段高となるのか、あるいは来年以降の金利予測に変更(利上げペースの上方修正)があれば、ドル高で反応した直後に反落するのか、とあえて裏をかいた流れを予想したくなるところです。
ただ、ドル円に関しては115円台半ばはテクニカルにかなりいい水準に来ていることもあって、FOMC以外にも短観といった材料はありますが、ここからのドル上昇余力は今週に関しては限定的な物となると考えています。次のドル円週足チャートをご覧ください。
ドル円週足
節目の115円を抜けてきたことで再びドル高・円安トレンドに回帰してきたと考える参加者は多いと思いますが、それはあくまでも長期的なトレンドであって、短期的にはテクニカルに115円台半ばから116円の水準がいったん止まりやすい水準です。いくつかのターゲットはあるものの、目立つ水準としてはチャートの中に示した通り2015年高値(125.86)と2016年安値(99.02)の61.8%戻しが115.60となっていて、今週は同水準よりもドル高水準はいったん売りが出やすいと考えられます。今週は114.00レベルをサポートに、116.00をレジスタンスとする調整が継続する週と見ておきます。
今週はユーロドルのコメントを補足に書いておきます。
先週の週報に書いた通り、ユーロドルは2015年安値1.0463を下抜けると目立ったサポートが無いため、パリティ(1ユーロ1ドル)をターゲットとしやすい流れとなってきますが、先週の国民投票後の安値1.0505を底に、その後はいったん上昇、そして週末に再び週の安値圏に近づいての引けとなりました。
1.05の大台にはオプションを中心としたオーダーがあると考えられ、10.5手前には買いオーダーが、下回ると一気に2015年安値を試しにいくような動きが予想されますが、いまのところドル円同様ドル買い(ユーロ売り)の動きは小休止で1.05の大台トライは来週以降に持ち越しとなる可能性が高いと考えられます。
こちらもドル円週足チャートと同じものを載せておきましょう。
ユーロ円週足
チャートを見ると今にも下抜けしそうに見えるのですが、ユーロ自体長期に渡ってユーロ売りのポジションが積み上がっていることもあって、なかなか1.05をトライしきれない状態となっています。仮に1.05を抜ければ2015年の安値をトライし、更にまずは1.03台後半(11月高値を起点に12月安値への下げ、12月高値への戻しによる逆N波動による61.8%のエクスパンション)を視野に入れる展開となりそうですが、1.05の防戦買いはなかなかしつこそうです。年内どこかで下抜けする可能性は高いものの、思いのほか時間がかかるのかもしれません。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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