ユーロ円の影響でユーロドルも底堅い動きに
〇先週のユーロドル、ドル円が4円近い上昇を見せる中でも129pipsの値幅に留まる
〇米欧金利差からユーロ売りドル買いが本筋だが、ユーロ円に引っ張られる形でのユーロじり高の一週間
〇ユーロ円、リーマンショック前の高値169.97レベル上抜け171円台半ば、1992年以来の高値
〇次のテクニカルなターゲットは1992年高値174.74レベル、1990年高値188.22レベル
〇今週の最大の材料はドル円での介入の有無と、それに影響を受けてのユーロ円の動き
〇5/1FOMCと5/3米雇用統計に注目。今は欧州材料は影響を受けにくい流れ
〇現状は3月高値からの拡散型ウェッジの中で4月レンジ61.8%戻し1.0776をターゲットに緩やかな上昇中
〇今週は1.0650レベルをサポート、1.0775レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週も為替の主役はドル円、クロス円となりユーロドルはドル円が4円近い上昇を見せる中でも129pipsの値幅に留まりました。しかし、ドル円での円安の動きがユーロ円で円安にも波及したことでユーロ円は5円近い大幅な上昇を見せ、その動きに影響を受け、ユーロドルは週を通して上下しながらも底堅い値動きとなっていました。
ユーロドルに関しては5月1日のFOMC、さらには6月FOMCでも現状維持で利下げ思惑が後退するFRBと6月からの利下げ開始が確実視されるECBとの対比による米欧金利差からユーロ売り・ドル買いという動きが本筋なのですが、絶対的な日米金利差による円売りの動きと介入懸念が後退しつつあることでドル円とともにユーロ円でも円安が進行している動きの方が目立ち、結局ユーロドルはユーロ円に引っ張られる形でのユーロじり高という一週間だったと言えます。
今週も週明け早々から大荒れの円相場ですが、ドル円は一時160円台乗せ、ユーロ円も171円台半ばとユーロ円はリーマンショック前の高値169.97レベルを上抜け、1992年以来の高値となっていて、その影響からユーロドルも強い地合いでの週明け相場で、このあたりは先週から変わっていません。今週の最大の材料はドル円での介入の有無、そしてそれに影響を受けてのユーロ円の動きということになりますが、そのきっかけとなるのが、東京GWで休みの参加者減少なのか、1日のFOMCあるいは3日の米国雇用統計という感じで、今は欧州材料は影響を受けにくい流れです。
それでも月曜にはECB関係者、特にエコノミストのレーン理事の講演、主要国のGDP速報値、CPI速報値と重要な指標が目白押しです。現在のような状況下の場合、GDPが強い、CPIが強いといった数字が出てECBの緩和時期後退思惑に繋がるような動きの方が一時的な振れに繋がりやすいと見られますが、それでも米国の重要イベントを前にトレンドにつながるような動きにはなりにくいと見てよいでしょう。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
先週もあまり動かず1.07近辺での小動きと言えます。また3月高値からの拡散型ウェッジも有効に見え、現状はそのウェッジの中で4月レンジの61.8%戻しとなり1.0776をターゲットに緩やかな上昇中となっています。下値は先週の安値よりも上で考えて良いでしょうから、今週は1.0650レベルをサポートに、1.0775レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円ですが四半期足チャートをご覧ください。
リーマンショック前の高値をトライしたことで、次のテクニカルなターゲットしては1992年高値174.74レベル、1990年高値188.22レベルという水準が挙げられます。175円、180円といった節目の数字を見ていた方がよさそうではあります。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
4月29日(月)
16:30 スペイン中銀総裁講演 ☆
18:00 ユーロ圏4月消費者信頼感
20:15 レーンECB理事講演 ☆
21:00 ドイツ4月CPI速報値 ☆
28:20 デギンドスECB副総裁講演 ☆
4月30日(火)
14:30 フランス1〜3月期GDP速報値 ☆
15:00 ドイツ3月小売売上高
15:45 フランス4月CPI速報値 ☆、3月PPI
16:55 ドイツ4月雇用統計
17:00 ドイツ1〜3月期GDP速報値 ☆
18:00 ユーロ圏4月CPI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏1〜3月期GDP速報値 ☆
5月1日(水)
**:** 香港、中国、シンガポール、欧州市場休場
17:30 英国4月製造業PMI
27:00 FOMC結果公表 ☆
27:30 パウエルFRB議長会見 ☆
5月2日(木)
16:50 フランス4月製造業PMI
16:55 ドイツ4月製造業PMI
17:00 ユーロ圏4月製造業PMI
5月3日(金)
15:45 フランス3月鉱工業生産
17:30 英国4月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏3月失業率
21:30 米国4月雇用統計 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
4月22日(月)
ユーロドルは東京市場では動意薄だったものの欧州市場に入るとFRBの利下げ思惑後退とECBの6月利下げ思惑が重なる米欧金利差拡大思惑からユーロ売りドル買いの動きとなりました。しかしNY市場では下げる前の水準へと戻し、引き続き方向感が出にくい流れが続きました。
4月23日(火)
ユーロドルは欧州市場に入り経済指標は予想よりも弱かったものの、ドル円が動かないところでユーロドルに仕掛けっぽい買いが入り、ユーロ円とともに上昇、それぞれ直近高値を上抜ける動きとなりました。
4月24日(水)
ユーロドルは東京前場に前日高値をわずかに更新したものの後場には反落、特に材料もなく利食いが出た程度の動きでした。その後海外市場では1.06台後半の狭い値幅でのもみあいを続けていました。
4月25日(木)
ユーロドルはNY市場までじり高、ドル円とともにユーロ円の買いが出ていたことが主要因となりました。NY市場ではGDP発表直後に1.0740レベルの高値を見た後に1.0678レベルへと反落する動きを見ましたが、引けにかけては行って来いの動きでユーロが買い戻される動きとなりました。
4月26日(金)
ユーロドルは欧州市場序盤まではユーロ円の動きの影響からもみあい後の上昇となり、一時1.0753レベルの高値をつけました。その後はドル高の動きから1.0674レベルまで下押し後に若干戻しての週末クローズとなりました。
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