ユーロドルはもみあい継続
〇先週のユーロドル、ドル高によるユーロ売りとドル円・ユーロ円のじり高で、1.06台半ばでもみ合い
〇一週間でユーロドルは88pips、ユーロ円は2円の値動き
〇ユーロ円での介入は無いため、165円乗せ後も底堅い動きとなりそう
〇円安と共にドル高の動きもあるため、ユーロ円はじりじり値を上げる先週のような動きになるか
〇ドル円155円トライで介入の場合は一時的な波乱相場に、日柄的には4/26に介入か
〇4/26に日銀、来週5/1はFRB政策決定会合の予定
〇今週は経済指標・ECB関係者発言で一時的に動く可能性あるも、トレンドには繋がらなさそう
〇テクニカルな観点から1.0600レベルをサポートに、1.0700レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルはドル高によるユーロ売りも見られるいっぽうで、ドル円ともにユーロ円がじり高の動きとなったこともあって1.06台半ばを中心としたもみあいの一週間となりました。レンジも一週間で88pipsにとどまり2円動いたユーロ円が対ユーロでは主役になった一週間です。
今週もドル円が155円の大台を試せるかどうかですが、ユーロ円での介入は無いことから165円乗せ後も底堅い動きになって行きそうです。ただ、円安と言うだけでなくドル高の動きもあるため、ユーロドルでは上値を抑える動きとなり、ユーロ円はじりじりと値を上げる先週のような動きになりそうです。波乱があるとすればドル円で155円をトライして介入が出る時で、さすがにその時にはドル円が2〜3円、ユーロ円もドル円と似たような値幅の下げとなり、一時的な波乱相場を見ることとなるでしょう。
介入の可能性は155円を試すか、あるいはサプライズで日銀会合に合わせて出るかのどちらかでしょうが、市場参加者が更なる円安を試す動きに出なければ、警戒感だけが残って何も無しという可能性もあります。日柄的には26日は介入の可能性がありそうなことは付記しておきます。
今週は日銀、来週はFRBと金融政策決定会合がありますが、ECBは一足先に終わっていますので、次回6月までは6月に利下げがあるのかを見極めていく時期となります。米国では緩和思惑がかなり後退してきましたが、ECBはこのままCPIが急に上昇に転じることが無ければ、6月から利下げに動くでしょうが、まだ時期があります。ユーロドルに関しては、まずは5月1日にFOMC待ちというところです。なお、今週は経済指標もECB関係者の発言もあり、一時的には動く可能性はありますが、トレンドにつながるような動きにはならないと思います。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
先週はあまり動いていないので、3月高値を起点とした拡散型のもみあいパターンが続いています。12月高値からの下降N波動による78.6%エクスパンション1.0631、3月高値からの下降N波動による100%エクスパンション1.0627と現状は1.06台前半はサポートとなりやすい水準であることも変わりません。
いっぽうでレジスタンス側は2月安値1.0694を下回ったことで同水準がレジスタンスとして意識されやすい水準です。今週もテクニカルな観点から1.0600レベルをサポートに、1.0700レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円の日足チャートをご覧ください。
ドル円と異なりユーロ円は介入警戒感が無いこともあり、先月から3度目の165円台乗せの動きとなってきました。テクニカルにはレジスタンスラインを抜けると上昇トレンド再開というパターンですから、3月高値165.34レベルを上抜けるかどうかが注目点となります。
思いの外早いタイミングでユーロ円の上値トライが起きそうですが、ドル円での介入にだけは気を付けておきたいところです。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
4月22日(月)
16:30 フランス中銀総裁講演 ☆
23:00 ユーロ圏消費者信頼感速報値
24:30 ラガルドECB総裁講演 ☆
4月23日(火)
16:15 フランス4月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ4月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国4月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
4月24日(水)
16:35 チポネーロECB理事講演 ☆
17:00 ドイツ4月企業景況感
23:00 シュナーベルECB理事講演 ☆
4月25日(木)
15:00 ドイツ5月消費者信頼感
15:45 フランス4月企業景況感
26:30 イタリア中銀総裁講演 ☆
4月26日(金)
08:01 英国4月消費者信頼感
15:45 フランス4月消費者信頼感
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時−NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
4月15日(月)
ユーロドルはNY市場までほとんど動きが見られず、円安の動きによるユーロ円の買いが強まるばかりでした。しかし米金利上昇の動きが続いたため、引けにかけてはややユーロドルも下げる動きとなり、終日レンジは45pipsに留まりました。
4月16日(火)
ユーロドルもドル円同様にドル高(ユーロ安)となり、米ドル独歩高が鮮明となりました。ドル円かユーロドルか、どちらかが主導しての調整局面を待っている参加者が多く、ドル買いが根強い中で難しい局面が続く一日となりました。
4月17日(水)
ユーロドルは前日までのユーロ安に対して調整が入る一日となりました。1.06台前半から後半へと水準を上げ、NY市場ではドル円でのドル安の影響もあって、そのまま高値圏での引けとなりました。
4月18日(木)
ユーロドルは東京市場では買いが先行していたものの、海外市場に移ってからはドル買いが強まった動きから1.0641レベルまで下げ安値圏での引けとなりました。
4月19日(金)
ユーロドルは東京前場にはドル円とともにユーロ円も大幅安となったことでユーロ売りが先行しましたが、その後はユーロ円にも買い戻しが入ったことでユーロドルも上昇、NY市場ではユーロが若干押す動きを見ての引けとなりました。
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