上値重いが、ドル強保ち合いは継続か
〇東京時間ドル円、154.45-75の30ポイント程度のレンジ取引
〇年初来高値151.75レベルに面合わせしたものの、抜けていくことは出来ず
〇当局の介入姿勢を試す動きから、155円抜けトライの展開も遠くないタイミングでありうる
〇ドル高円安方向、東京時間に超えられなかった154.75-80巡る攻防に注目。抜ければ155円ターゲット
〇ドル安円高方向、154.45レベルが最初のサポート。下回ると4/19安値153.59が強いサポートに
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.20-155.00
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場はレンジ取引。前週記録した年初来高値に面合わせするも、超えられなかった。
先週末は、米下院において延期されていた950億ドルのウクライナ支援法案が可決され、上院に送付されたことが話題に。また開催されていたG7外相会議は、「中東情勢めぐる全当事者に自制求める」とした声明をまとめ閉幕していた。
そうした状況下、ドル/円は154.60円レベルで寄り付いたものの、売買は全般的に手控えムード。154.45-75円といった30ポイント程度のレンジ取引が観測されている。しかし、154円半ば以上が動意の中心と、ドル高値圏で推移したにもかかわらず、とくに要人からの円安けん制発言などは聞かれなかったようだ。16時現在では154.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「イラン情勢」と「ウ支援法案可決」について。
前者は、日本時間の先週19日に「イスラエルがイランを攻撃した」と伝えられ、金融市場のみならず物議を醸したが、イラン外相は「イスラエルが重大な攻撃を開始しない限り、イランは反応しない」と述べ問題視しない旨のコメントを発していた。油断は禁物ながら、報復合戦という負の連鎖は取り敢えず回避された感があり、為替市場においてもリスク回避の動きは一旦収束したようだ。なお、国際通貨基金(IMF)は、中東とウクライナ情勢をめぐる見解の相違から国際通貨金融委員会(IMFC)の共同声明を取りまとめることができず、今回も機能不全を露呈している。
対して後者は、前述した「米下院で950億ドルの支援法案」がようやく可決されたとして話題に。法案は上院に送られたうえ、審議は23日に開始される予定。さらに週内に通過し、バイデン大統領の署名を経て成立する運びとの見方が一般的になっている。なお、同支援案はウクライナが中心であるものの、イスラエルそして台湾への安全保障支援も含めたもの。そのためウクライナのゼレンスキー大統領から「米下院の支援案可決についての謝意」表明が聞かれたほか、台湾国防部からも謝意とともに「予算の有効な活用方法を今後米国と協議する意向」を示すコメントが発せられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、節目である155円を前に上げ渋り。本日東京でも151.75円レベル、年初来高値に面合わせしたものの抜けていくことは出来なかった。実弾介入警戒感なども取り沙汰され、上値は引き続き重いものの、リスクという点では依然としてドル高方向にバイアスか。怖いものみたさ、かつ当局の具体的な介入姿勢を試すような動きから、155円抜けトライの展開もそう遠くないタイミングでありうると考えている。
日米を中心とした各国政策金利が引き続き注視されていることは間違いなく、そうした意味では今週末に実施される日銀政策決定会合の結果発表にまずは要注意だ。金利の変更そのものは予想できないが、消費者物価見通しの上方修正などが議論される可能性もあり、場合によっては相場の波乱要因にもなりかねない。一方、それとは別にイランを中心とした中東情勢も気掛かりではある。足もとは小康だが予断許さず。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は節目である155円が意識されており、近くて遠い存在になりつつあるようだ。抜けるのに2週間以上要した、少し前の152円のような存在になりかねない、といった声も一部から聞かれている。
とは言え、円買い実弾介入や地政学リスクの高まりといった要因でもない限り、ドルの下値は基本堅そう。そうした意味では、151円前後で底堅さを醸した先月末以降今月初めのような値動きに陥る可能性もある。
本日は米経済指標として、3月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、米企業決算や要人の講演予定なども取り沙汰されているものの、全体的には小粒なイメージ。ただ、今週は週間を通してなかなか重要な国際会議も少なくないだけに、それらには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.20-155.00円。ドル高・円安方向は本日東京でも超えられなかった154.75-80円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ155円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した154.45円レベルが最初のサポート。下回ると154円割れトライが予想されるが、それでも19日安値153.59円が相当強いサポートとして寄与しそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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