ドルは154円台後半で推移、中東情勢や米株市場にらみ155円台手前でのこう着か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った売買材料が観測されないなか、154円台半ばから後半での小動きとなった。
先週末の海外時間では、イランはイスラエルによる無人機攻撃を確認、試みは失敗と主張し、損害はないとしたため中東情勢の一段の悪化への懸念が後退し、円の売り戻しが優勢となった。さらに、ハト派として知られるグールズビー・シカゴ連銀総裁が、「インフレを巡る進展が停滞しているため利下げ前にさらなる時間が必要」と想定以上に長期間高金利を維持する可能性を示唆したためドルしっかりの地合いとなった。
東京時間では、先週末急落した日本株が落ち着きをやや取り戻したため、為替も小康状態となった。ドルは上下の値幅が僅か20銭ほどとこう着感が強まったものの、154円台後半推移としっかり。引き続き155円台乗せを試すような動きが見られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円62銭
高値:154円75銭
安値:154円54銭
終値:154円72銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円82銭
高値:165円07銭
安値:164円75銭
終値:164円99銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円30銭
高値: 99円83銭
安値: 99円27銭
終値: 99円53銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円31銭
高値:191円70銭
安値:191円25銭
終値:191円61銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37240円93銭
高値:37511円80銭
安値:37052円63銭
終値:37438円61銭(前日比370円26銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
23時00分、欧、4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)、前回:−14.9、市場予想:−14.2
24時30分、欧、ラガルドECB総裁が講演
24時30分、欧、ビルロワドガロー仏中銀総裁が会議出席
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)、5月2日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
イラン、イスラエルともに今時点では、これ以上事を荒立てる気配がないことから、中東情勢は小康状態を迎えている。先週末の東京時間では主要通貨が対円で下落する場面が見られたものの、瞬間的な動きに留まったことから、投機筋の円売りポジションが一部アンワインドになっただけと考える。
政府・日銀による円買い介入への警戒感は残っているが、「急変動」に乏しい足元のボラティリティを考慮すると、155円台に突入しても円買い介入実施を諸外国に説明するのは難しいと考える。足元、中東情勢の緊迫化という不透明要因にスポットが当たっていることから、投機筋は様子見ムードを強め、円安加速は一服しそうな状況だ。今週末の25−26日には、日銀の金融政策決定会合が開催されることから、本来であれば様々な思惑が高まりやすい地合いだが、中東情勢見極めムードの方が強い。
ただ、4月16日時点の投機筋の円売りポジションは16万5619枚(前週比3468枚増加)と2007年以来の円安ポジション(約18万枚)を積み上げている。基本的には円安トレンドを想定してのポジション構築ではあるが、仮にアンワインドの動きが入った場合、円高・ドル安の流れは急加速するだろう。
アンワインドが入るポイントは、政府・日銀による円買い介入、中東情勢の緊迫化、日銀会合での追加利上げ実施の前倒し、日米株の急落に伴うリスクオフなどが考えられる。いずれも大きなイベントだが、足元では半導体株が総崩れしている日米株の動向が気になる。ナスダック急落は米金利上昇も影響していることからややこしい。今時点では、株安に伴うリスクオフの流れが為替市場に波及していないが、先行指標である株式市場の下落は、為替市場にはネガティブな材料と考える。
今晩の海外時間では、目立った売買材料や要人発言などが予定されていないことから、引き続き中東情勢や、株式市場の動向を注視したやや神経質な展開となろう。上値メドは154円90銭、下値メドは154円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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