約34年ぶり高値を更新。心理的節目155.00突破は時間の問題か
〇ドル円、中東情勢を巡る緊張感の緩和、米指標の好調等に米国時間午後に高値154.88まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のハト派発言続き、1.06台前半から半ばで軟調推移
〇ドル円、約34年ぶり高値(1990年6月以来の高値圏)を更新、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待後退し、介入警戒感も弱まる
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:154.25ー155.75
海外時間のレビュー
週明け22日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値154.45まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)中東情勢を巡る緊張感の緩和(地政学的リスク後退→リスク回避の円買い後退)や、(2)日経平均株価の堅調推移、(3)日米金利差に着目したドル買い・円売り、(4)米3月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.15、予想+0.09)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約34年ぶり高値154.88(1990年6月以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/23午前5時50分現在)では、154.84前後で推移しております。尚、植田日銀総裁は先週末金曜日の講演会(ワシントン市内のピーターソン国際経済研究所での講演会)で「今後入手される指標次第で短期金利を変更する」「基調的な物価上昇率が上がれば利上げの可能性は非常に高い」と発言しましたが、円買いでの反応は限られました。
週明け22日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0671まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)エストニア中銀ミュラー総裁による「欧州経済が予想通りに発展すれば6月の利下げに続いて年末までにあと数回の利下げが実施されると見込む」とのハト派的な発言や、(2)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「ECBは年内複数回の利下げを行う可能性がある」「6月と7月に連続で利下げすることも選択肢」とのハト派的な発言、(3)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買いが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0624まで下落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/23午前5時50分現在)では、1.0655前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏4月消費者信頼感(結果▲14.7、予想▲14.5)は市場予想を下回る結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は一時154.88まで上昇するなど、約34年ぶり高値(1990年6月以来の高値圏)を更新しました。強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立しており、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ観測の後退(先週は米当局者によるタカ派的な発言が複数あり→市場コンセンサスは年3回の利下げ織り込みから年1回の利下げ織り込みに後退)や、(2)日銀による追加利上げ観測の後退(植田日銀総裁は「追加利上げの可能性もあり得る」と発言しているが、円安に伴う輸入インフレの影響で物価高に賃金が追い付いていないため、実質賃金低下を嫌気して日銀は追加利上げに踏み切れないとの見方が大勢)、
(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの長期化期待→仮に日銀が追加利上げに踏み切ったとしても日米金利差は当面埋まらないため、ドル買い・円売りトレンドは当面続く公算大)、(4)政府・日銀による介入警戒感の後退(インフレに苦しむ米国はインフレ抑制に寄与するドル高を容認する構え→米国への配慮から政府・日銀は安易にドル売り介入に踏み切りづらい→足元のドル高・円安が投機的な動きではなく、日米金利差という典型的なファンダメンタルズに沿っていることも米国に対して介入理由を説明しづらい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目155.00を突破し、オプション勢によるストップBUYを巻き込みながら一段高に振れるシナリオを想定)。尚、本日は米4月製造業/非製造業PMI速報値や、米4月リッチモンド連銀製造業指数、米3月新築住宅販売件数、米2年債入札に注目が集まります。
本日の予想レンジ:154.25ー155.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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