ユーロ ユーロドルは下押ししやすい流れ(週報3月第4週)

週間のレンジは140pipsとドル円やユーロ円に比べると依然として動きが鈍い状態に変化は見られません。

ユーロ ユーロドルは下押ししやすい流れ(週報3月第4週)

ユーロドルは下押ししやすい流れ

〇先週のユーロドル、FOMCを挟み、若干のユーロ安からドル売り・ユーロ買いの動きに
〇3/21スイス中銀利下げで欧州通貨安の動き広がり、ユーロドルは週末1.0802レベルの安値つける
〇今週は目立った材料なく、イースターを前に流動性低下、ちょっとした材料に振れやすい点に注意
〇FRB、ECBともに6月に緩和がコンセンサス、金利差的にユーロドルは動きにくい流れ継続か
〇テクニカルにはこれまでの上昇トレンドが否定され、下降トレンドへ転換し始めている段階
〇1.0760レベルをサポートに1.0870レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

ユーロドルはFOMC直前までは若干のユーロ安、その後FOMCでドル売り・ユーロ買いの動きが強まったものの、スイス中銀利下げの影響から欧州通貨安の動きが広がり、ユーロドルは週末に向け1.0802レベルの安値をつける流れとなりました。大きく動いたように感じるものの、それでも週間のレンジは140pipsとドル円やユーロ円に比べると依然として動きが鈍い状態に変化は見られません。

今週はECB関係者の発言やいくつかの経済指標はあるものの、特段目立った材料というわけではなく、四半期末の実需要因、そしてイースターの週末を控えて参加者が減り流動性が低下する中でちょっとした材料に振れやすくなるという点にだけは注意が必要です。

材料的にはスイス中銀の利下げが影響し、ECBも早ければ4月にも緩和に動くのではとの見方も増えてきているものの、金曜のドイツ連銀総裁の発言では夏季休暇前に緩和というタイミングに言及していますので、おそらくは6月のECB理事会での緩和の線が濃厚という感じがします。6月にFRB、ECBともに緩和に転じるという見方が現在のコンセンサスとなり、金利差的には引き続きユーロドルは動きにくいという流れが続くと言えます。

しかし、テクニカルにはこれまでの上昇トレンドが否定され、現在は下降トレンドへと転換し始めている段階にあります。日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは下押ししやすい流れ

2月安値からの平行上昇チャンネル(青)を先週の下げで下抜けたことから、現在は3月高値を起点とした平行下降チャンネル(ピンク)の中での推移を考えることとなります。チャンネル下限を先週安値に合わせているため、下値の余裕がほとんどありませんので、もし更に下げる動きが先行する場合には引き直すことになりますが、暫定的に引いてあるチャンネルを想定します。

また現在の水準は2月安値と3月高値の61.8%押しとも重なるため、下げ止まるには良い水準ですが、売りが強まる場合には78.6%(61.8%の平方根)押しの1.0755レベルを考えることとなります。すでに1.08台半ばから上では売りも出てきそうですから、下抜けの可能性はそれなりにあると考えてシナリオを立てた方がよさそうです。

ここでは欧州通貨安の流れがまだ日が浅いことから下抜けの可能性を考え、1.0760レベルをサポートに1.0870レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

今週はスイス円の日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは下押ししやすい流れ 2枚目の画像

スイス中銀利下げでスイスフラン売りが強まったことからスイス円も直近高値から下げる動きとなり、クロス円で円が強めの動きを示しているという点で今後の動きが気になる通貨ペアとなります。

直近安値が12月安値と1月高値の半値押しで下げ止まったことから同水準がサポートとなりますが、利下げ以降の下げの動きからこのサポートを改めて試しやすい流れになってきたようです。およそ167円水準となりますので、今週は167円を目指して戻り売りが出やすい流れになると見ています。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

3月25日(月)
19:30 オーストリア中銀総裁講演 ☆

3月26日(火)
16:00 ドイツ4月消費者信頼感

3月27日(水)
16:45 フランス3月消費者信頼感
18:00 チポローネECB理事講演 ☆
19:00 ユーロ圏3月消費者信頼感

3月28日(木)
16:00 英国10〜12月期GDP改定値
16:00 ドイツ2月小売売上高
17:55 ドイツ3月失業率
26:30 フランス中銀総裁講演 ☆

3月29日(金)
**:** 東京とNYを除いて休場(グッドフライデー)☆
16:45 フランス3月CPI速報値 ☆
16:45 フランス2月PPI

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時−NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

3月18日(月)
ユーロドルは欧州市場序盤までじり高、その後は反落となり安値1.0866レベルと先週安値を下回りましたが、値幅は伴わず一日のレンジは40pipsと動意薄であることに変化は見られませんでした。

3月19日(火)
日銀会合ではマイナス金利解除、YCC撤廃、ETF等の購入廃止と大規模緩和から引き締めへの転換とはなったものの、会合後は改めて円安が急速に進行する流れとなり、ユーロ円でも買いが目立ったため、動きとしてはドル高・ユーロ安であったものの相殺して値幅は狭いままで終わりました。

3月20日(水)
FOMCの結果は事前のコンセンサス通りでしたが、3回利下げ予想を維持し、QTの早期減速に言及したことからハト派的な決定との判断からドル売り、ユーロドルも1.0923レベルまで上伸し高値引けとなりました。

3月21日(木)
ユーロドルは高値圏で推移し欧州市場序盤には1.0943レベルの高値をつけました。しかしスイス中銀の利下げをきっかけにスイスフラン安がユーロ安にも波及、その後英中銀MPCは現状維持だったものの利上げ票がゼロだったことから一段の欧州通貨安となり、ユーロドルも1.0856レベルへと大きく反落しましたま。

3月22日(金)
ユーロドルは上値が重く終日じり安の展開を辿りました。前日にスイス中銀が利下げに動いたことでECBも早ければ4月に動くのではといった思惑もあり、引けにかけては1.0802レベルの安値をつけ、そのまま安値圏での引けとなりました。


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