やや底堅いものの、もみあい継続
〇先週のユーロ、次の材料待ち、わずか72pipsの値幅で一週間の取引終える
〇今週はエコノミストのレーンECB理事講演、経済指標では米CPIや英CPIとGDP速報値の影響を注視
〇テクニカルには2月安値がほぼ12月安値と一致を見ての折り返し、米独金利差の方向性とも一致
〇12月高値と2月安値38.2%戻し1.0881見る展開か。上値抑えられると23.6%戻し1.0820ターゲット
〇今週も狭い値幅を想定、1.0730レベルをサポート、1.0830レベルをレジスタンスに底堅い展開を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週も為替市場の主役はドル円であり、ドル円の週間レンジが2円ほどの値幅があったにもかかわらず、ユーロドルはわずか72pipsと一日のレンジ程度の値幅で一週間の取引を終えることとなりました。ECB理事会を含め一連の金融政策決定会合が終わり、ある程度次回の会合以降の動きにコンセンサスも形成されてきたことで、次の材料待ちというイベントの狭間のタイミングというところでしょうか。
今週はECB関係者の講演の中ではエコノミストであるレーン理事の講演が、また経済指標ではドル要因として米国CPI、また前週の英中銀MPCがサプライズとなったものの、その後の反落を見たことから英国CPIと英国GDP速報値の結果がユーロドルに影響するかを見たいというところだと思います。他は経済指標もそれほど重要度の高いものはありませんし、中国が春節で週を通して休みとなることから全般に動きが鈍くなってくると見られます。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
値幅は狭いものの2月安値がほぼ12月安値と一致を見ての折り返しとなっていますから、コラムで取り上げた米独金利差の方向性とも一致しているようです。12月高値と2月安値の23.6%戻しから38.2%戻し(1.0881、青のターゲット)を見に行く展開が考えられます。方向としてはややドル安という動きになりますが、いっぽうで1月高値以降の平行下降チャンネルのレジスタンスが23.6%戻し(1.0820、青のターゲット)と一致していることから、上値を抑えられる場合には1.08台前半となります。
今週も動きが鈍いということになると、後者の低いターゲットを採用した方が現実的に思えます。またサポートについては1.07台半ばから前半という水準が考えられますので、今週も狭い値幅を想定し、1.0730レベルをサポートに、1.0830レベルをレジスタンスと基本的に先週のレンジよりわずかに底堅い展開を見ておきます。
今週のコラム
今週は米独の金利差とユーロドルの動向(週足)について見ておきましょう。
基本的に金利差(ドイツ10年債−米10年債でユーロドルと方向を揃えてあります)とユーロドルの動きは同じですが、直近では金利差とユーロドルの動きが異なっていました。ただ、サブチャートに示す相関係数を見ると相関ゼロのあたりから上昇し正の相関に戻ってきている動きです。過去も同様の動きをしていることから、近々元に戻る可能性が高く、金利差の動きはよく見ておくと良いでしょう。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
2月12日(月)
17:00 スペイン中銀総裁講演
18:45 レーンECB理事講演 ☆
27:00 英中銀総裁講演 ☆
2月13日(火)
16:00 英国1月失業率
19:00 ドイツ2月ZEW景況感 ☆
19:00 ユーロ圏2月ZEW景況感 ☆
22:30 米国1月CPI ☆
2月14日(水)
16:00 英国1月CPI ☆
19:00 ユーロ圏10〜12月期GDP改定値 ☆
2月15日(木)
16:00 英国10〜12月期GDP速報値 ☆
16:00 英国12月鉱工業生産、貿易収支
19:00 ユーロ圏12月貿易収支
2月16日(金)
16:00 英国1月小売売上高
16:45 フランス1月CPI
17:45 シュナーベルECB理事講演 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
2月5日(月)
週明けのユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場に入り先週安値を下抜けると仕掛けの売りが入り、米金利上昇も手伝って1.0723レベルの安値をつけました。引けにかけては利食いも出て1.07台半ばへと戻しました。
2月6日(火)
ユーロドルは全く動きの見られない一日となり1.07台前半で終日のレンジも39pipsに留まる一日となりました。
2月7日(水)
ユーロドルは前日海外市場の流れを受けてじり高となりましたが、終日のレンジは更に狭く35pipsに留まり動意薄の一日となりました。
2月8日(木)
ユーロドルはユーロ円上昇の影響が大きく東京市場では底堅く、欧州市場序盤には1.0789レベルの高値をつけました。その後欧州市場では一時ドル高の動きに引っ張られる局面もありましたが1.0741レベルまで、引けにかけては東京朝方の水準に戻して引けました。ユーロ円はドル円での円安の影響が大きく終日上昇、160.99レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。
2月9日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場序盤に若干上昇、NY市場ではCPI下方修正によるドル売りの動きから1.0795レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。またユーロ円は欧州市場で一時161.26レベルの高値をつけました。
注:ポイント要約は編集部
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