南アランドWeekly ラマポーザ演説はピントずれ、ランドは売られないだけましとの見方(2/12)

先週のランドは、目立った売買材料に欠ける地合いが継続しており7.8円水準でのもみ合いが継続した。

南アランドWeekly ラマポーザ演説はピントずれ、ランドは売られないだけましとの見方(2/12)

ラマポーザ演説はピントずれ、ランドは売られないだけましとの見方

【先週の南アフリカ・ランド】

先週のランドは、目立った売買材料に欠ける地合いが継続しており7.8円水準でのもみ合いが継続した。

ラマポーザ大統領は現地時間8日、ケープタウン市役所にて年次教書演説を行った。「イスラエルとガザ地区の戦争について」に大半の時間をさき、次いで「ラマポーザ政権を率いるアフリカ民族会議(ANC)がどれだけ南アフリカに尽くし実績を上げてきたか」を声高らかに主張した。

南アフリカ経済が直面している喫緊の課題である「エネルギー危機への対処」も多少ふれたが、具体的な対応策は含まれなかった。結局、全体的にはANCが南アフリカに与えてきた過去の功績のアピールに留まった。

一般教書演説にて、目先のエネルギー危機の解決がまるで確認できなかったこともあり、ランドは7.8円水準での横ばい推移となった。もっとも失望感が台頭してランド売りが強まらなかったことは、一般教書演説に対する期待感がそもそも無かったとの見方もある。

ランド・円(東京時間:2月5日―2月9日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.8475円
高値:7.8963円
安値:7.7744円
終値:7.8344円 

【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間

2月8日
20時00分、12月製造業生産(前月比)、前回:0.8%、市場予想:0.4%、結果:−1.7%
20時00分、12月製造業生産(前年比)、前回:1.9%、市場予想:2.7%、結果:0.7%
2月13日
18時30分、12月鉱物生産量(前年比)、前回:6.8%、市場予想:5.4%
18時30分、12月鉱物生産量(前月比)、前回:2.1%、市場予想:0.3%
18時30分、12月金生産量(前年比)、前回:−3.0%
18時30分、12月プラチナ生産量(前年比)、前回:15.2%
2月14日
20時00分、12月小売売上高(前年比)、前回:−0.9%、市場予想:−0.4%
20時00分、12月小売売上高(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.2%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のランドは、14日の12月小売売上高以外、目立った経済指標の発表が控えていないことから、引き続き7.8円水準でのもみ合い継続となりそうだ。

8日のラマポーザ一般教書演説の内容は下記の通りだ。

「南アフリカはイスラエルによるガザ虐殺を非難してハーグの国際司法裁判所(ICJ)に訴訟を起こした。 1月、裁判所は暫定判決を出し、この訴訟を審理する管轄権は同裁判所にあるとし、大量虐殺行為を防ぐためにイスラエルに対して、あらゆる措置を講じるよう命じた」
「イスラエルはパレスチナ人に対する大量虐殺行為を阻止するために、できる限りのあらゆる措置を講じなければならないとする国際司法裁判所の判決を歓迎する」
「今年は南アフリカにとって重要な選挙の年である。 ラマポーザ政権を率いるアフリカ民族会議(ANC)は、1994年にアパルトヘイト廃止後初の民主選挙が実施されて以来、同国を主導してきた」

「ANCは歴史的に優勢ではあるものの、世論調査では苦戦しており、多くのアナリストは、ANCが議会過半数を初めて下回ると予想している」
「(エネルギー危機は)最悪の事態を脱し、負荷制限の終了がついに手の届くところまで来ていると確信している」
「経済成長、雇用創出、貧困削減に向けた対策で大幅な進展を遂げた」
「(ズマ政権の大規模な汚職)に対しておそらく最大の損害」
「(ズマ政権は)10年間にわたり、国家の最高レベルの人々が個人と共謀して、国有企業、法執行機関、その他の公的機関を乗っ取って再利用してきた」

主だった発言を並べたが、この一般教書演説を聞いた南アフリカ国民は何を思っただろうか。一部の熱烈なラマポーザ支持者しか聞いていない可能性は否めないが「早く動かない信号機を何とかしてほしい」「ズマ前大統領の汚職は周知の事実だが、ズマ前大統領もANCじゃないか?」「で、経済はどうするの?」といった考えが頭に浮かんだことだろう。

イスラエルとガザ地区の戦争に対して行動を移す気持ちはわかるが、自国経済および自国政治がままならない状況下、優先すべき問題の順序を間違っていると言えよう。

南アフリカ経済の重しとなっている電力不足問題をクリアしない限り、自国経済指標などを材料とした明確なランド買いは手控えられ、短期的なテクニカルリバウンドに留まると想定する。そして、政治に対する信頼を回復しない限り、南アフリカという国に失望する若い知識人が海外に行ってしまい長期的な国の弱体化も招く。

短期的なテクニカルでは、昨年12月28日安値7.5595円を起点とした下値支持線が意識されて、下値を切り上げている。ただ、日足の一目均衡表では雲の中を推移しており、雲上限の7.95円水準まであと少しだが、目立った売買材料に乏しく、横ばいは継続か。今週も7.8円水準での方向感に欠ける展開となりそうだ。

ラマポーザ演説はピントずれ、ランドは売られないだけましとの見方

南アフリカランド円日足

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