南アランド週報:『ラマポーザ大統領の年次教書演説は失望を誘う結果。政局不安がランドの重石』(2/10朝)

南アランドの対円相場は直近高値圏での底堅い動きが続いています

南アランド週報:『ラマポーザ大統領の年次教書演説は失望を誘う結果。政局不安がランドの重石』(2/10朝)

『ラマポーザ大統領の年次教書演説は失望を誘う結果。政局不安がランドの重石』

〇今週の南ア円、週明け早々に、週間安値7.77まで下落後週末にかけ7.89まで上昇
〇南ア景況感の改善、南ア主要株価指数の堅調等が南アランドをサポート
〇南ア円、テクニカルの上値余地乏しく、ファンダメンタルズも南アランド円の売り材料揃う
〇引き続き、南アランド円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー7.95

今週のレビュー(2/5−2/9)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.84円で寄り付いた後、(1)南ア1月スタンダード銀行PMI(結果49.2、前回49.0)の冴えない結果(好不況の分岐点となる50を2ヵ月連続で下回る結果)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(前週末2/2に発表された米1月雇用統計の力強い結果を受けて対主要通貨で米ドル急伸→新興国通貨に下押し圧力)、(3)金・プラチナ価格の冴えない動きが重石となり、週明け早々に、週間安値7.77円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア1月SACCI景況感指数(結果112.3、前回112.1)の良好な結果や、(5)南アフリカの主要株価指数の堅調推移(年初来高値更新)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.89円まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)ラマポーザ大統領の年次教書演説に対する失望感(自身が率いる与党・アフリカ民族会議の功績を誇示するに留まり、足元で直面する数多くの問題に対する具体的な対応方針に触れず)や、(7)上記6を背景とした南アフリカの政局不透明感(与党・アフリカ民族会議の支持率低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/10午前5時00分現在)では、7.84円前後まで値を崩す動きとなっております。

来週の見通し(2/12−2/16)

南アランドの対円相場は直近高値圏での底堅い動きが続いていますが、アップサイドに市場参加者に意識されている一目均衡表雲上限が待ち構えていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(上値は次第に重くなる)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(今週発表された南ア1月スタンダード銀行PMIは2ヵ月連続で好不況の分岐点50割れ。南ア12月製造業生産も市場予想の+0.4%に対して結果が▲1.7%と大幅な下振れ)や、(2)南ア中銀の早期利下げ観測(南アフリカ最大の金融機関であるスタンダード銀行は南ア中銀が今年中に25bp×4回の利下げに踏み切るとの予測を発表)、(3)南アフリカの政局不透明感(今週開催されたラマポーザ大統領の年次教書演説も失望を誘う結果→与党・アフリカ民族会議の更なる支持率低下懸念→本年5月から8月にかけて実施予定の総選挙で与党・アフリカ民族会議が議席を大きく失うリスク→特に来週予定されている野党・経済的解放の闘士のマニュフェスト公表後に与党から野党への支持率シフトが大規模に発生する恐れあり)、(4)米FRBによる利下げ始時期の後ずれ観測(米金利上昇・米ドル高は新興国通貨の下押し要因)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします(短期的にも中長期的にもベア見通し)。尚、来週は、南ア12月小売売上高以外に目立った経済イベントが予定されていないため、今週同様、米長期金利や米ドルの動きに振らされる神経質な値動きとなりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.70ー7.95

注:ポイント要約は編集部

『ラマポーザ大統領の年次教書演説は失望を誘う結果。政局不安がランドの重石』

南アフリカランド円日足

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