方向感に乏しいランド、懸念山積で積極的な売買は手控えか
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、早期の利下げ観測は後退したものの、株式市場も横ばい推移となるなど方向感に乏しい展開となった。
12月財政収支が195億ランドと市場予想の292億ランドを大幅に下回った一方、12月貿易収支は141億ランドと市場予想の100億ランドを上回ったが、前月の210億ランドは下回るなど経済指標はまちまちで手掛かり難の状況。
主要株価指数のヨハネスブルグ40も、上下に影(ヒゲ)を残すなど方向感に乏しい状況が継続している。早期の利下げ観測は後退したものの、株式市場、為替市場ともに目立った動きは観測されず、様子見姿勢の強い地合いとなった。
日足の一目均衡表では、雲の中に突入しているが、雲上限、雲下限、どちらを目指しているか明確な方向性は見えない。100日移動平均線水準でのもみ合いとなっている。
ランド・円(東京時間:1月29日―2月2日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.8837円
高値:7.9205円
安値:7.7920円
終値:7.8506円
【今週の重要指標】※時間は東京時間
2月8日
20時00分、12月製造業生産(前月比)、前回:0.8%、市場予想:0.4%
20時00分、12月製造業生産(前年比)、前回:1.9%、市場予想:2.7%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、目立った経済指標の発表が控えていないことから、引き続き7.8円水準でのもみ合い継続となりそうだ。
ハニャホ南アフリカ中央銀行総裁の「タカ派」なコメントを材料視した積極的な売買は、株式市場、為替市場ともに観測されていない。むしろ、ランドは、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退を材料としたドルインデックスの上昇などに強く影響を受けている状況だ。
南アフリカ経済の重しとなっている電力不足問題をクリアしない限りは、自国経済指標などを材料とした明確なランド買いは手控えられよう。
南アフリカは、慢性的な電力不足による計画停電の実施を受けて、信号機が使えないことなどに伴う物流インフラの機能不全状態が長期化。幅広い経済活動が制約されることから力強い経済を維持することは困難となっている。国営電力会社エスコムによる計画停電が長期化する一方、民間企業による再生エネルギー関連投資が活発化するなど明るい話は出始めているが、電力問題の解決には至っていない。
エスコム社が経営危機に陥っているなか、南アフリカは今年、総選挙が行われる。与党であるアフリカ民族会議(ANC)は、2021年11月の党一地方戦で得票率半数割れ(94年以降で最低)という厳しい結果に終わった。統一地方選は、総選挙の前哨戦と捉えられていることから、総選挙への警戒感が払しょくできないことも長期的なランドの重しとなっているようだ。
短期的なテクニカルでは、日足の一目均衡表で雲のなかを彷徨っているほか、横ばいの100日移動平均線水準とシンクロした格好が見られる。50日移動平均線を上回っても、なかなか方向性ははっきりしない。7.95円水準の雲上限まであと少しだが、目立った売買材料に乏しく、横ばい継続の地合いを想定すると、今週も7.8円台を挟んだもみ合いか。
南アランド日足
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