南アランド週報:『良好な南ア小売売上高を受けて約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇』(2/17朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、週末にかけて、約2カ月半ぶり高値7.96円まで急伸しました。

南アランド週報:『良好な南ア小売売上高を受けて約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇』(2/17朝)

『良好な南ア小売売上高を受けて約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇』

〇今週の南ア円、週末にかけ7.96(昨年11/29以来の高値圏)まで急伸
〇南ア指標の好調、南ア主要株価指数、金・プラチナ価格の堅調、ドル円上昇等が背景
〇テクニカルには主要テクニカルポイント上抜け、買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア経済・政局の先行き不透明感、南ア中銀利下げ観測等が重石
〇引き続き、南アランド円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.05

今週のレビュー(2/12−2/16)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.83円で寄り付いた後、早々に週間安値7.82円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)南ア12月小売売上高(結果+2.7%、予想▲0.1%、※前年比)の市場予想を大幅に上回るポジティブサプライズや、(2)南ア主要株価指数の持ち直し、(3)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(4)ドル円相場の急上昇(日銀による金融緩和の長期化観測と、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測の組み合わせでドル円相場が急上昇→南アランド円連れ高)、(5)一目均衡表雲上限突破に伴う仕掛け的な南アランド買いが支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.96円(昨年11/29以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/17午前3時00分現在)においても、7.96円前後での底堅い動きが続いています。

来週の見通し(2/19−2/23)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は昨年12/28に記録した安値7.55円をボトムに切り返すと、週末にかけて、約2カ月半ぶり高値7.96円まで急伸しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)を軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)南ア経済の先行き不透明感(今週発表された南ア12月小売売上高は市場予想を大幅に上回るポジティブサプライズとなったものの、前週発表された南ア1月スタンダード銀行PMIは2ヵ月連続で好不況の分岐点50割れ)や、(2)南ア中銀の早期利下げ観測(2024年は25bp×4回の利下げに踏み切るとの見方が市場コンセンサス)、(3)南アフリカの政局不透明感(本年5月から始まる総選挙で与党・アフリカ民族会議が議席を大きく失うリスク)、(4)米FRBによる利下げ始時期の後ずれ観測(米金利上昇・米ドル高は新興国通貨の下押し要因)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

来週予定されている南ア第4四半期失業率(2/20)が市場予想を上回る場合や、南ア1月消費者物価指数(2/21)が市場予想を下回る場合には、上記1(南ア経済の先行き不透明感)と、上記2(南ア中銀の早期利下げ観測)の組み合わせで、南アランド円相場が大きく値を崩すシナリオも想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします、尚、来週は2/21に予定されているゴドングワナ南ア財務相による年間予算案にも注目が集まりそうです(財政赤字の拡大が示されれば、南アランド円相場に強い下押し圧力が加わる恐れあり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.75ー8.05

注:ポイント要約は編集部

『良好な南ア小売売上高を受けて約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇』

南アフリカランド円日足

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