昨年11月以来の8円台間近、CPI下振れするも早期の利下げ観測は強まらないか
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、12月小売売上高が想定以上に強い数字となったことから買い優勢の展開となり、日足の一目均衡表の雲上限水準を一時突破する場面も見られた。
13日に発表された12月鉱物生産量は金、プラチナともに前月を大幅に下回るさえない結果となったことから、主要株価指数のヨハネスブルグ主要40は下への動きを強めた。
ただ、14日に発表された12月小売売上高は、前年比プラス2.7%と前回(−0.9%)と市場予想(−0.1%)を大幅に上回る内容に。発表後のランドは目立った売買が観測されなかったが、週末にかけてランドはじりじりと上昇。週末には、日足の一目均衡表の雲上限7.9499円を一時上回る7.9749円まで上昇した。また、ヨハネスブルグ主要40も持ち直した。
ランド・円(東京時間:2月12日―2月16日)※Investing.comの日足を参照
始値:7.8347円
高値:7.9749円
安値:7.8211円
終値:7.9541円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
2月13日
18時30分、12月鉱物生産量(前年比)、前回:6.8%、市場予想:4.9%、結果:0.6%
18時30分、12月鉱物生産量(前月比)、前回:2.1%、市場予想:−0.3%、結果:−4.2%
18時30分、12月金生産量(前年比)、前回:−2.9%、結果:−3.4%
18時30分、12月プラチナ生産量(前年比)、前回:15.2%、結果:9.4%
2月14日
20時00分、12月小売売上高(前年比)、前回:−0.9%、市場予想:−0.1%、結果:2.7%
20時00分、12月小売売上高(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.1%、結果:1.4%
2月20日
18時30分、第4四半期失業率、前回:31.9%、市場予想:31.6%☆
2月21日
17時00分、1月消費者物価指数(前年比)、前回:5.1%、市場予想:5.4%☆
17時00分、1月消費者物価指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.1%☆
17時00分、1月消費者物価指数(コア)(前年比)、前回:4.5%、市場予想:4.5%☆
17時00分、1月消費者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%☆
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、雲上限の突破および昨年11月27日以来となる8.0円台回復を意識した展開となろう。
20日の第4四半期失業率、21日の1月消費者物価指数(CPI)を見極める必要はある。仮に失業率が上昇し、CPIが下振れという結果となれば、1月の南アフリカ中央銀行会合(SARB)でのハニャホ南ア中銀総裁が発した「利下げを正当化するような明確なディスインフレ傾向は見られない」といったタカ派発言が覆される可能性はある。
もっとも、CPIの市場予想は前年比5.4%と前回(同5.1%)を上回っている。3カ月ぶりに前回比拡大が予想されているほか、中銀が目標としている3−6%内の上限に近いことから、CPIが多少下振れとなっても、強いインフレを意識されやすい水準のため、早期の利下げ開始への思惑はさほど強まらないとの見方もできよう。
一方、テクニカル面を意識したランド買いは入りそうな状況にある。短期的には、雲上限を捉えていることから一気に上放れを期待したいところだ。昨年12月28日安値7.5595円を起点とした下値支持線が意識されて下値を切り上げている。
また、7.85円水準で推移している100日移動平均線や、7.87円水準で推移している転換線も下値支持線として意識されると想定。昨年11月27日以来の8.0円台回復は近い。来週の経済指標が大きなランド売りの材料とならなければ、ランドの反発は継続と考える。
南アランド円日足
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