南アランド週報:『約3カ月ぶり高値更新後に大幅下落。続落リスクに要警戒』(2/24朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、一時7.99円(約3カ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、週末にかけて大きく値を崩す展開となりました。

南アランド週報:『約3カ月ぶり高値更新後に大幅下落。続落リスクに要警戒』(2/24朝)

『約3カ月ぶり高値更新後に大幅下落。続落リスクに要警戒』

○今週の南ア円、週央にかけ一時7.99まで急伸するも、その後伸び悩み週末にかけて7.76まで急落
○心理的節目8.00を背にした戻り売り圧力や、新興国通貨への下押し圧力など重石
○8.00の突破に失敗し日足ローソク足が複数のサポートポイントを下抜け、地合いの悪化を要警戒
○ファンダメンタルズも、南ア経済および政局不透明感など、南アランド円の売り材料揃う
○引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
○来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.90

今週のレビュー(2/19−2/23)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.94円で寄り付いた後、(1)南ア12月景気先行指数(結果111.0、前回111.8)の冴えない結果や、(2)南ア10ー12月期失業率(結果32.1%、予想31.6%)の予想比悪化、(3)南ア1月消費者物価指数(結果+5.3%、予想+5.4%、前回+5.1%)および、同コア指数(結果+4.6%、予想+4.5%、前回+4.5%)の伸び率加速が重石となり、翌2/20にかけて、一時7.87円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)南ア財務省による「緊急準備金の取り崩しと多国籍企業に対する最低15%の法人税適用する」との債務増加に歯止めをかけるための新予算案が好感される形で、週央にかけて、一時7.99円(昨年11/27以来、約3カ月ぶり高値圏)まで急伸する場面も見られました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)心理的節目8.00円を背にした戻り売り圧力や、(6)重要イベント(南ア財務省の予算案)通過に伴う材料出尽くし感、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力(新興国通貨に下押し圧力)、(8)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、週末にかけて、週間安値7.76円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/24午前5時00分現在)では、7.80円前後で推移しております。

来週の見通し(2/26−3/1)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、一時7.99円(約3カ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、週末にかけて大きく値を崩す展開となりました。心理的節目8.00円の突破に失敗したことや、日足ローソク足が複数のサポートポイント(21日線、90日線、一目均衡表転換線、基準線)を下抜けしたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの悪化(上昇から下落へのトレンド転換)が警戒されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の先行き不透明感(今週発表された南ア12月景気先行指数、南ア10ー12月期失業率、南ア1月消費者物価指数、南ア1月消費者物価コア指数はいずれも冴えない結果)や、(2)南アフリカの政局不透明感(本年5/29に予定されている南アフリカの総選挙で与党・アフリカ民族会議が30年前に政権の座について以来初めてとなる過半数割れに陥るリスク)、(3)米FRBによる利下げ始時期の後ずれ観測(米金利上昇・米ドル高の流れは南アフリカをはじめとする新興国通貨に下押し圧力)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

来週予定されている南ア1月生産者物価指数や、南ア1月貿易収支が冴えない結果となる場合や、南アフリカと経済的な結びつきの強い中国経済(中国2月製造業PMI、中国2月非製造業PMI、中国2月財新PMI)の下振れが明らかとなる場合、米金利上昇・米ドル買いの流れが続く場合、南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の下落トレンドが再開する場合などには、南アランドに強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.90

注:ポイント要約は編集部

『約3カ月ぶり高値更新後に大幅下落。続落リスクに要警戒』

南アフリカランド円日足

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