ユーロ 来週のFOMCまでは方向感が出にくい(週報1月第4週)

ユーロドルは横方向、ユーロ円は上昇という動きになりました。

ユーロ 来週のFOMCまでは方向感が出にくい(週報1月第4週)

来週のFOMCまでは方向感が出にくい

〇先週のユーロドル、1日のレンジ狭く、週間レンジは122pips
〇対ドルの円安がユーロ円に波及、対ドルでのユーロ売りと対円でのユーロ買いが相殺、限定的な値動きに
〇1/23 BOJ会合、1/25 ECB理事会開催、ECBは緩和に向けての議論の有無に注目
〇ユーロドルの値幅は引き続き限定的、1月中旬以降のレンジ内で最終的に来週のFOMC待ちか
〇ECBもFRBもタカ派的な声明となる可能性高い、その場合最近のレンジの中での動きになるか
〇1.0850レベルをサポートに、1.0960レベルをレジスタンスと横方向への動きを継続する流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週もユーロドルは1日のレンジが狭く、週間レンジは122pipsと前週同様にドル買いというよりもドル円での円安がユーロ円にも波及したことで、ユーロドルでのユーロ売り(ドル買い)とユーロ円でのユーロ買いが相殺しあい、ユーロドルでのドル高は限定的な値動きに留まっていました。

ドル円の場合は、日銀の出口戦略と米国の緩和転換の双方が後退することで日米金利差が維持されることによるドル買い・円売りとなりましたが、ECB理事会での緩和転換も少なくとも3月理事会までは無いであろうとの思惑から、ユーロドルは横方向、ユーロ円は上昇という動きになりました。

そして今週は火曜に日銀会合、木曜にECB理事会がありますが、明日の日銀会合は現状維持でサプライズは無し、ECB理事会も12月から大きく変わっていないとすれば、現状維持かつインフレへの警戒感を示すタカ派的な内容になると見られます。12月はFRBが緩和転換への議論を行ったいっぽうでECBは議論なしということで対比が目立ちましたが、今回もECBは緩和に向けての議論が無いのかが注目されます。

そして前回12月14日のECB理事会以降の動きを見ると、米欧の金融政策の温度差に素直に反応し、ユーロ高・ドル安の流れが年末までは続きましたが、年明けはFOMC議事録が思ったほどハト派ではないとの見方から、12月の上げに対して61.8%押しまで直近では下げる流れとなりました。

来週のFOMCが終わるまでは大きく方向感が出てくるとは思えませんが、ECBもFRBもどちらかというとタカ派的な声明となる可能性が高く、そうであるとすると最近のレンジの中での動きになってくる可能性が高いと思われます。テクニカルには日足チャートをご覧ください。

来週のFOMCまでは方向感が出にくい

中期的には12月安値と高値の61.8%押し(1.0882、赤のターゲット)をトライして下げが終わり、短期的には12月高値と先週安値との38.2%戻し(1.0956、青のターゲット)に戻している流れと言えます。明日の日銀会合はユーロ円には影響する可能性があり、その場合ユーロ円の動きがユーロドルに出てくるとすると、ややユーロ高に影響しやすく、その時に青のターゲットを試す流れでしょうか。

また、水曜の主要国PMI速報値は予想と結果に乖離があればどちらにも動きえますが、木曜に理事会を控えているため、それで方向性が出てくることは無く、一時的な動きに留まる可能性の方が高いでしょう。そして最大の注目はECB理事会ですが、翌週にFOMCを控えているため、やはりセットで考えることとなり、方向感を決めるところまでは難しいと思われます。

結局これまで同様にユーロドルの値幅は限定的で、1月中旬以降のレンジ内で最終的にFOMC待ちということになるでしょう。今週は1.0850レベルをサポートに、1.0960レベルをレジスタンスと横方向への動きを継続する流れを見ておきます。

今週のコラム

日米金利差とドル円との相関はドル円の週報でしばしば取り上げますし、米欧金利差とユーロドルはユーロの週報で取り上げます。ただ、最近はユーロ円の動きがユーロドルに影響を与えることも多いため、日独金利差とユーロ円との相関を見てみます。

来週のFOMCまでは方向感が出にくい 2枚目の画像

日独金利差がライン、ユーロ円がローソク足ですが、こうして見ると11月までは逆相関となっていて、相関が強くなってきたのは11月中旬頃からであることがわかります。それでも、12月末には逆相関を挟んで再び相関が高まってきたという動きです。

金利差という見方では、やはり米金利ほどの影響は出にくいといえそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

1月22日(月)
特になし

1月23日(火)
24:00 ユーロ圏1月消費者信頼感速報値 ☆

1月24日(水)
17:15 フランス1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 ドイツ1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
18:30 英国1月製造業・サービス業PMI速報値 ☆

1月25日(木)
16:45 フランス1月企業景況感
18:00 ドイツ1月ifo企業景況感
22:15 ECB理事会 ☆
22:45 ラガルドECB総裁会見 ☆

1月26日(金)
09:01 英国1月消費者信頼感
16:30 イタリア中銀総裁講演 ☆
16:45 フランス1月消費者信頼感

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

1月15日(月)
週明けのユーロドルはユーロ円が上昇し159円台後半へと水準を切り上げたこともあり、寄り引けがほぼ同水準と1.09台半ばで方向感がはっきりしない流れでした。終日のレンジもわずか33pipsに留まりました。

1月16・17日(火・水)
火曜水曜と円独歩安の状況が続く中で、ユーロドルは100pips強の下げにとどまりました。ドル円同様にドル買いの動きはあったものの、円安が目立ったユーロ円でのユーロ買いがユーロドルの下げを相殺しました。ユーロ円は161円台前半へと上げました。

1月18日(木)
ユーロドルは欧州市場序盤までやや水準を上げた後はユーロ売りの動きとなりましたが、前日安値を試しきれず引けにかけては東京朝方の水準へと戻しました。

1月19日(金)
ユーロドルはユーロ円がドル円と同様の動きを見せたこともあって、若干底堅い程度で小動き。終日レンジもわずか32pipsと動意薄のまま週末クローズとなりました。

ディスクレーマー

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