トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコ円、安値が5.14レベル・高値が5.35レベルのレンジ
〇今週木曜トルコ中銀会合、利上げ幅コンセンサスは5.0%の大幅利上げ 現状30.0%から35.0%と予想
〇トルコCPIが一時期より下がるも未だ高水準、暫くは引き締め継続せざるを得ない
〇5.23レベルをサポートに、5.35レベルをレジスタンスとする週と見る
先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「かなり緩やかですがトルコリラ円は上値の水準を下げてきていることがわかり、この下げの傾向は続きやすいと見ていてよいため、5.20レベルをサポートに、5.40レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは、安値が5.14レベル、高値が5.35レベルですが、例によって下ヒゲでの安値ということもあり、実際の安値は5.28レベルではないかと思います。
先週のトルコリラ円は、ドル円が火曜に日銀の物価見通し上方修正というニュースヘッドラインに反応し一時的に円高に振れる場面も見られましたが、それを除くとほぼ50銭レンジに留まったこと、ドルトルコリラは安定の巡航速度でのトルコリラ安の動きとなっていたことから、トルコリラ円は結果としてごく緩やかなトルコリラ安になりました。
また相場への影響は思ったほど出ていないようですが、イスラエル情勢は近い場所での戦争となり地政学的リスクからトルコリラにとっては悪材料ということになります。特にトルコは中東側、つまりパレスチナ側ということから今後の展開次第では米国が反発する可能性には注意が必要でしょう。エルドアン大統領はイスラエルとパレスチナとの仲介に意欲を見せているもののパレスチナの保証国という立場を想定しているようです。
そして今週はECB理事会がある木曜にトルコ中銀の会合もあり、更なる利上げが予想されています。利上げ幅のコンセンサスは5.0%の大幅利上げとなっていて、現状の30.0%から35.0%になると予想されています。トルコのCPIは一時期よりは下がっているものの、10月3日に発表された9月の数字では+61.53%とかなり高い水準ですから、しばらくは引き締めを継続せざるを得ないということになるでしょう。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
赤の水平線はトルコ中銀が17.5%から25.0%へとサプライズの大幅利上げを行った8月24日のレンジの安値と半値を示しています。その中でピンクの平行下降チャンネルの中での動きを続けているのがここ4週間ほどの動きで、下ヒゲでのスパイクを除けば今週もこの下降チャンネルの中での下げが継続しやすいと見ています。
今週を通してのこのチャンネルの上下は5.23〜5.36となっています。トルコ中銀の会合でコンセンサスよりも少ない利上げ幅の場合は失望しての下げという事態もあり得ますし、もしサプライズで7.5%の利上げが実施されれば上昇ということもあり得ます。ただ、今はどちらにも市場にインパクトを与えたくないと中銀も考えているでしょうから、利上げ幅での予想外ということは無いと思います。
今週はチャンネル内での緩やかな下げを継続すると見て、5.23レベルをサポートに、5.35レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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