トルコリラ円見通し ドル円は150円手前から反落、ドル高リラ安基調続き7営業日続落(23/10/24)

トルコリラ円の10月23日は概ね5.35円から5.32円の取引レンジ、24日早朝の終値は5.33円で先週末終値5.35円からは0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円は150円手前から反落、ドル高リラ安基調続き7営業日続落(23/10/24)

トルコリラ円見通し ドル円は150円手前から反落、ドル高リラ安基調続き7営業日続落

〇トルコ円、10/23深夜から10/24未明にかけてのドル安の中、10/24未明ドル円下落にあわせ5.32へ下落
〇10/24午前序盤に飛び値で5.25を付けるなど、下ブレしやすい状況続く
〇対ドル、10/23は概ね28.10から27.83の取引レンジ、終値は28.06を付け最安値更新
〇10/24午前には28.22を付けて、取引時間中の最安値を更新
〇10/26開催のトルコ中銀MPC、5.0%利上げで35%との事前予想
〇5.34を下回るうちは一段安余地あり、5.30を割り込むところから5.27、5.25を順次試す下落を想定する
〇5.35超えからは反騰期とみて、5.36から5.37にかけての水準を試すとみる

【概況】

トルコリラ円の10月23日は概ね5.35円から5.32円の取引レンジ、24日早朝の終値は5.33円で先週末終値5.35円からは0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が150円手前での膠着状態を続ける中でドル高リラ安基調が続いているためにトルコリラ円は10月13日から20日まで6営業日続落してきたが、23日深夜から24日未明にかけて全般的にドル安となる中でドル円が149.50円台へ下落したためにトルコリラ円も24日未明には5.32円まで下落した。

ドル円は10月3日夜に150.15円を付けて年初来高値としたところから売りの連鎖で短時間に147.41円まで急落する波乱となったが、その後は徐々に底上げをして150円に迫ってきた。しかし10月20日に149.99円を付けたものの150円には届かず、23日も米長期債利回りの上昇場面でも150円へ進めず、原油相場の下落を見て米長期債利回りが低下に転じたために24日未明には149.53円まで失速した。149.50円割れを回避したことでその後は持ち直しを試しているが、150円に対する上値抵抗感の大きさを改めて示した。
10月31日の日銀金融政策決定会合と11月2日未明の米FOMCも控えているが、FOMCの引き締め姿勢とともに日銀が金融緩和政策継続姿勢を修正するのではないかとの思惑もあり、150円及び10月3日高値150.15円突破へ向けてはまだ推進力不足という印象だ。

トルコリラ円は10月18日に一時的な安値で5.29円を付けて8月24日のトルコ中銀利上げにより急伸する直前安値と並び急伸幅が解消された。10月16日以降は右肩下がりの展開が続いており、ドル/トルコリラにおける一時的な高安を反映してトルコリラ円でも飛び値となる高安の出現が繰り返されているが、取引中心レンジの流れは徐々に切り下がっている。10月24日午前序盤にも飛び値で5.25円を付けるなど下ブレしやすい状況が続いている。

【ドル高リラ安基調継続、10月24日午前には史上最安値を更新】

ドル/トルコリラの10月23日は概ね28.10リラから27.83リラの取引レンジ、24日早朝の終値は28.06リラで先週末終値の27.95リラからは0.11リラのドル高リラ安だった。
8月24日のトルコ中銀による大幅利上げを好感したリラ買いで25.02リラの高値を付けたが、リラ安基調は継続とみられて8月25日からドル高リラ安の再開に入り、8月最終週から先週まで8週連続でドル高リラ安が続いてきた。
10月18日には取引時間中の史上最安値を28.20リラ、終値としての最安値を28.00リラとし、その後は新たな安値更新を回避していたが、23日は終値ベースで28.06リラへ最安値を更新し、24日午前には28.22リラを付けて取引時間中の最安値を更新している。

【10月26日のトルコ中銀MPC、5.0%利上げで35%との予想】

10月26日20時にトルコ中銀MPC(金融政策委員会)があるが、市場の事前予想では5.0%利上げが見込まれている。
エルドアン大統領再選後に就任したウォール街の銀行家だったエルカン氏が新総裁に就任し、政策金利の週間レポレートはそれまでの8.5%から6月に15.0%、7月に17.5%、8月に25.0%、9月に30.0%へと4会合連続で利上げされてきた。このうち6月と7月の利上げは市場の期待を下回ったとしてリラ売り材料とされ、8月24日の利上げは予想を大幅に超えたことで発表後にリラ買いが殺到したがリラ高は1日で終わった。
9月のCPI(消費者物価指数)上昇率が全体の前年比で61.53%、コア指数では68.9%のため、5.0%利上げで35%へ引き上げられたとしても実質マイナス金利状態は続く。
利上げ幅に対する市場の予想レンジは2.5%から5.0%であり、2.5%利上げに留まるようなら失望売りを誘い、5.0%利上げでもまだ足りないとして追加利上げを催促するリラ安基調を続けやすいのではないかと思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月19日午前から20日未明へ戻してから反落したために、20日午前時点では19日午前安値で直近のサイクルボトムを付けたもののその後の反落により既にサイクルトップを付けて弱気サイクル入りした可能性が高いとし、23日朝へ失速気味の推移となったために23日午前時点では20日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして10月24日朝から26日午前にかけての間への下落を想定した。
10月24日未明へジリ安となり、24日午前には一時的な急落も見られるためまだ下落途中とみるが、24日午前序盤の安値でボトムを付けた可能性もあると注意し、5.35円超えからは強気サイクル入りとして25日未明から27日未明にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では10月23日深夜に先行スパンから転落し、遅行スパンの悪化も続いているので先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返す場合は反騰入りとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10月24日未明に20ポイント台へ低下してから40ポイントまでいったん戻している。50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとするが、飛び値を除いた連続的な下落で安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは上昇期とみて60ポイント台中盤への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.30円を下値支持線、5.34円を上値抵抗線とする。
(2)5.34円を下回るうちは一段安余地ありとし、連続的な下げで5.30円を割り込むところからは5.27円、5.25円を順次試す下落を想定する。5.25円以下は反騰注意とするが、5.32円以下での推移なら25日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.35円超えからは反騰期とみて5.36円から5.37円にかけての水準を試すとみるが、5.36円以上は反落警戒圏とし、その後に5.32円を割り込む場合は下落再開と考える。

【当面の主な予定】

10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 104.4)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 77.3%)
10月26日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 30.0%、予想 35.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 10月20日時点 グロス (10月13日時点 8313.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 10月20日時点 ネット (10月13日時点 220.6億ドル)
10月30日
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95.4)
10月31日
 16:00 9月 貿易収支 (8月 -86.6億ドル)
 16:00 7-9月期 観光収入 (4-6月 129.8億ドル)
 17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 5.65%) 


注:ポイント要約は編集部

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