トルコリラ円見通し ドル円の反騰に支えられるもドル高リラ安の継続で上値重い(23/10/25)

トルコリラ円の10月24日は概ね5.34円から5.31円の取引レンジ、小数点下三桁では23日終値5.325円から24日終値5.333円へわずかに上昇している。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰に支えられるもドル高リラ安の継続で上値重い(23/10/25)

ドル円の反騰に支えられるもドル高リラ安の継続で上値重い

〇トルコ円、10/24午前安値5.31の後は5.34には届かず5.33を挟んだ小動きにとどまる
〇対ドル、10/25午前序盤に28.24リラをつけ取引時間中の史上最安値を更新
〇10/26トルコ中銀金融政策委員会、市場の事前予想は5.0%の追加利上げ
〇実質的な大幅マイナス金利状態は解消せず、年末にかけさらなる追加利上げ催促のリラ売り進む
〇利上げでの強気サプライズがなければ下落基調続き7/18の史上最安値を試しに向かってゆく可能性も
〇5.34を下回るうちは一段安余地あり、5.30を割り込むところからは5.27、5.25を順次試す下落想定
〇5.34超えからは反騰継続とみて5.36前後への上昇想定、5.36以上は反落警戒圏

【概況】

トルコリラ円の10月24日は概ね5.34円から5.31円の取引レンジ、25日早朝の終値は5.33円で前日終値と変わらずだが、小数点下三桁では23日終値5.325円から24日終値5.333円へわずかに上昇している。
10月24日午前にはドル/トルコリラにおける一時的なリラ安を反映して安値で5.25円を付ける飛び値が発生しているが、それを除けば24日午前安値5.31円の後は5.34円には届かずに5.33円を挟んだ小動きにとどまった。
ドル高リラ安による圧迫感でトルコリラ円は10月13日から23日まで7営業日続落してきたところで下げ一服の様相もあるが、10月25日午前序盤にトルコリラは対ドルで史上最安値を更新しており、ドル円が150円に対する抵抗感が抜けないために上値の重い展開が続いており、25日午前序盤には5.32円へ下げている。

【大幅利上げ催促でのリラ安続く】

ドル/トルコリラの10月24日は概ね28.22リラから27.88リラの取引レンジ、25日早朝の終値は28.10リラで前日終値の28.06リラからは0.04リラのドル高リラ安だった。
8月24日にトルコ中銀による超大幅利上げで一時的なリラ買いが発生して急伸した後はドル高リラ安が再開し、8月最終週から先週まで8週連続でドル高リラ安が続いてきた。
10月23日は終値ベースで28.06リラへ史上最安値を更新したが、24日は28.22リラへ取引時間中の史上最安値を更新し、終値ベースでも2日連続の最安値更新となった。10月25日午前序盤には28.24リラを付けてさらに取引時間中の最安値を更新している。

10月26日にトルコ中銀の金融政策委員会があり、市場の事前予想では5.0%の追加利上げで政策金利の週間レポレートは35.0%へ引き上げられるとみられているが、5.0%の追加利上げでも実質的な大幅マイナス金利状態は解消しないため、年末にかけてさらに追加利上げしてゆくことを市場は催促してリラ売りが進んでいる状況だ。
仮にトルコ中銀が予想を下回る利上げ幅にとどめる場合には消極姿勢への悲観によりリラ売りが加速して年末にかけて1ドル30リラを目指す可能性が高まることも考えられる。

【トルコリラ円の4〜6か月周期】

トルコリラ円は2021年12月20日に当時の史上最安値となる6.17円へ暴落してからリラ預金の為替差損補填政策導入による急伸で12月23日高値11.14円へ急伸して以降、概ね4か月から6か月周期で主要な高値と安値を付けてきた。
2021年12月23日高値の後は4か月後の2022年4月28日高値、6か月後の同年10月21日高値、5か月後の2023年3月8日高値、6か月弱の今年8月24日高値でピークを付けて下落してきた。主要な安値は2022年3月11日安値から5か月後の同年8月2日安値、5か月後の2023年1月16日安値、6か月後の7月18日安値5.08円と続いてきた。

この周期が継続しているとすれば、すでに8月24日高値で当面のピークを付けて下落期に入っており、7月18日安値を基準として次の安値形成期は早くて11月中後半、平均的には12月中後半、遅くて来年1月にかけての間ということも考えられる。8月24日の急騰幅をすでに解消してジリ安推移のため、10月26日のトルコ中銀利上げでの強気サプライズがない場合は下落基調が続いて徐々に7月18日の史上最安値を試しに向かってゆく可能性もあるのではないかと考える。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月19日午前から20日未明へ戻してから反落したために、20日未明高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして10月24日朝から26日午前にかけての間への下落を想定した。
10月24日午前に一時的な飛び値となる安値を除いて5.31円へ下落してから25日早朝にかけて下げ渋りがみられたものの、25日午前序盤に失速気味のためまだ下落余地ありとみる。また24日午前安値を直近のサイクルボトムとして底割れから新たな弱気サイクル入りにより27日午前から31日午前にかけての間へボトム形成期が延びる可能性も検討される。
強気転換は5.34円超えからとし、その際は25日の日中から27日未明にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では10月23日深夜への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落した。24日午前安値からの下げ渋りにより遅行スパンは実線と交錯し、先行スパンから上抜けやすい位置にあるが、右肩下がりで推移しているため5.34円を超えないうちは一段安余地ありとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、5.34円超えからは反発継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10月25日早朝に50ポイント台へ上昇したが、その後は50ポイントを割り込んでいる。55ポイント超えからは反発継続とみて60ポイント台への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下落継続とみて20ポイント台への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.30円を下値支持線、5.34円を上値抵抗線とする。
(2)5.34円を下回るうちは一段安余地ありとし、連続的な下げで5.30円を割り込むところからは5.27円、5.25円を順次試す下落を想定する。5.25円以下は反騰注意とするが、5.32円以下での推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.34円超えからは反騰継続とみて5.36円前後への上昇を想定するが、5.36円以上は反落警戒圏とし、その後に5.32円を割り込む場合は下落再開と考える。

【当面の主な予定】

10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 104.4)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 77.3%)
10月26日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 30.0%、予想 35.0%)
 20:30 週次 外貨準備高 10月20日時点 グロス (10月13日時点 8313.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 10月20日時点 ネット (10月13日時点 220.6億ドル)
10月30日
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95.4)
10月31日
 16:00 9月 貿易収支 (8月 -86.6億ドル)
 16:00 7-9月期 観光収入 (4-6月 129.8億ドル)
 17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 5.65%) 


注:ポイント要約は編集部

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