ドル円見通し 米長期債利回り低下と抵抗感で150円台への挑戦はいったん仕切り直し(23/10/24)

23日も149.98円を付けたところで行き詰まり、米長期債利回りが低下したのを見て150円への挑戦感が後退、いったん仕切り直しに入って24日未明には149.53円まで下げた。

ドル円見通し 米長期債利回り低下と抵抗感で150円台への挑戦はいったん仕切り直し(23/10/24)

ドル円見通し 米長期債利回り低下と抵抗感で150円台への挑戦はいったん仕切り直し

〇ドル円、10/23は149.98を付けるも行き詰まり、米長期債利回り低下を見て150円への挑戦感が後退
〇いったん仕切り直しに入り、10/24未明には149.53まで下げる
〇米長期債利回りは総じて低下、10年債利回りは5%到達後に急低下しユーロドル等上昇、ドル安感優勢に
〇NYダウは4営業日続落、長期金利の上昇基調や中東情勢、中国株安も影響しているか
○ドル円は10/3の高安を基準とした三角持ち合い、下値支持線は149.50近辺
〇149.85以下での推移中は一段安余地ありとし、149.50割れからは149円台序盤への下落を想定する
○149.85超えからは、10/20高値149.99試しとする

【概況】

ドル円は10月17日夜に148.81円へ一時的に急落してから持ち直しに入り、徐々に日々の高値を切り上げて150円に迫ってきたが、10月20日に149.99円を付けるも150円に届かず、23日も149.98円を付けたところで行き詰まり、米長期債利回りが低下したのを見て150円への挑戦感が後退、いったん仕切り直しに入って24日未明には149.53円まで下げた。
23日夜は欧米の主要経済指標の発表はなく手掛かりに欠けたが、米10年債利回りが再び5%台に到達してから急低下したことでユーロドル等が上昇してドル安感が優勢となった。
ドル円は10月3日夜に150.15円を付けて年初来高値とした直後の数分で147.41円まで急落し、直ぐに149.30円台まで戻す波乱に見舞われたが、昨年10月21日に高値で151.94円まで上昇したところで大規模な市場介入により急落した経緯もあり、150円台乗せについてはかなり慎重となっている。10月31日の日銀金融政策決定会合と11月2日未明の米FOMCの結果を見たいところもあり、目先はポジション調整的にやや下げやすいところか。

【米10年債利回りは5%到達後に急低下、ダウは4日続落】

10月23日の米長期債利回りは総じて低下した。
長期金利指標の10年債利回りは一時5.02%をつけたものの原油相場の下落を見て低下に転じて前日比0.07%低下の4.85%で終了した。パウエルFRB議長らFRB高官たちが長期債利回り上昇により政策金利を引き上げる必要性が低下しているとの認識を示す発言が続いたことと、中東情勢緊迫化による原油高を意識して10年債利回りは上昇してきたが、5%到達では上昇し過ぎ感も出ているようだ。
30年債利回りは10月12日の4.67%から上昇に転じてきたが、23日は一時5.18%まで上昇してこの間の最高水準としてから低下に転じ、前日比0.08%低下の5.00%で終了した。
利上げに敏感な2年債利回りは前日比0.03%低下の5.05%で終了したが、10月19日に5.26%をつけてから反落に転じて3営業日連続で低下している。

一方でNYダウは前日比190.87ドル安と下落、10月18日から4営業日続落となり、安値で32892.19ドルを付けて8月1日の年初来高値35679.13ドル以降の最安値である10月6日安値32846.94ドルに迫った。ナスダック総合指数は米長期債利回りが低下に転じたことで前日比34.52ポイント高と上昇したが、安値では12848.83ポイントまで下げて年初来高値の7月19日高値14446.55ポイント以降の最安値だった9月27日安値12963.16ポイントを割り込んだ。
NYダウは長期金利の上昇基調と中東情勢からの圧迫感が大きな重石となっているが、加えて中国株安も影響していると思われる。10月23日の上海総合株価指数は前日比1.47%安で4営業日続落となり昨年11月以来の安値水準とし、上海と深センの有力企業300銘柄によるCSI300指数は前日比1.04%安で2019年2月以来の安値となった。

【10月3日の高安を基準とした三角持ち合い】

ドル円は10月3日夜の乱高下時安値147.41円と10月17日夜の小波乱で付けた安値148.81円を結ぶラインを下値支持線とし、10月3日夜高値150.15円を上値抵抗線として三角持ち合いの様相となっている。
三角持ち合いの下値支持線は149.50円近辺に来ているため、149.50円割れから続落する場合は三角持ち合い下放れとなり、チャート上の下値目途は10月17日夜安値148.81円、10月10日安値148.15円等へ切り下がってゆく可能性がある。逆に149.50円割れを回避するか一時的に割り込んでも早々に149.85円以上へ戻せば三角持ち合いを維持して持ち合いの上値抵抗線を再び試す上昇期へ進みやすくなると思われる。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

短期的な底打ち周期は10月3日夜安値から4日半の10月10日午前安値、5日強の10月17日夜安値で付けており、10月17日夜安値から昨夜で4日を経過しているのですでに反騰注意期と思われるが、10月24日夜にかけては一段安余地が残るので、149.85円を下回るうちは下向きとし、24日未明安値149.53円割れからは24日夜にかけての下落を想定するが、149円以下は突っ込み警戒水準とみる。
149.85円超えからは10月20日高値149.99円試しとし、150円乗せからは10月25日午後から27日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では10月24日未明への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開の可能性を優先して遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10月24日未明への下落時に30ポイントを割り込んでから40ポイントまで戻している。50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは上昇再開とみて60ポイント台後半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、149.50円を下値支持線、149.85円を上値抵抗線とする。
(2)149.85円以下での推移中は一段安余地ありとし、149.50円割れからは149円台序盤(149.25円から149.00円)への下落を想定する。149.25円以下は反騰注意とするが、149.50円以下での推移か、直前安値から0.70円以上の反発がみられないうちは25日も安値試しへ向かう可能性が残るとみる。
(3)149.85円超えからは10月20日高値149.99円試しとする。150円乗せに失敗して再び反落する可能性に注意するが、150円乗せからは10月3日夜高値150.15円、さらに150.30円から150.50円にかけての水準へ進む可能性も出てくるのではないかと思われる。

【当面の予定】

10/24(火)
休場 インド
14:00 (日) 日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
15:00 (英) 8月 失業率・ILO方式 (7月 4.3%、予想 4.3%)
15:00 (独) 11月 GFK消費者信頼感 (10月 -26.5、予想 -26.6)
16:30 (独) 10月 製造業PMI・速報値 (9月 39.6、予想 40.0)
16:30 (独) 10月 サービス業PMI・速報値 (9月 50.3、予想 50.0)
17:00 (豪) ブロック豪中銀総裁、講演
17:00 (欧) 10月 製造業PMI・速報値 (9月 43.4、予想 43.7)
17:00 (欧) 10月 サービス業PMI・速報値 (9月 48.7、予想 48.7)
17:30 (英) 10月 製造業PMI・速報値 (9月 44.3、予想 44.7)
17:30 (英) 10月 サービス業PMI・速報値 (9月 49.3、予想 49.3)

22:45 (米) 10月 製造業PMI・速報値 (9月 49.8、予想 49.5)
22:45 (米) 10月 サービス業PMI・速報値 (9月 50.1、予想 49.8)
23:00 (米) 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 5、予想 2)

10/25(水)
09:30 (豪) 7-9月期 CPI(消費者物価指数) 前期比 (4-6月 0.8%、予想 1.1%)
09:30 (豪) 7-9月期 CPI(消費者物価指数) 前年同期比 (4-6月 6.0%、予想 5.3%)
09:30 (豪) 9月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (8月 5.2%、予想 5.4%)
17:00 (独) 10月 IFO企業景況感指数 (9月 85.7、予想 85.9)
23:00 (加) カナダ中銀 政策金利 (現行 5.00%、予想 5.00%)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数・年率換算 (8月 67.5万件、予想 68.3万件)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 -8.7%、予想 1.2%)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
24:30 (米) 財務省2年変動利付債入札
26:00 (米) 財務省5年債入札


注:ポイント要約は編集部

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