ドル円、心理的節目150.00をバックに上値重く推移。米長期金利の低下もドル円の重石に
〇ドル円、欧州時間朝方にかけ150.00まで上昇するも149円台半ばに反落
〇米著名投資家ビル・アックマン氏による米債ショート解消の噂に米長期金利低下
〇ユーロドル、欧州差し利回り上昇、欧州指標好調等に米国時間に高値1.0678まで急伸
〇ドル円は高値圏での一進一退続く、テクニカルには下値余地は限定的か
〇日米金融政策の方向性の違いは引き続きドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.25
海外時間のレビュー
週明け23日(月)のドル円相場は上値の重い展開。(1)日米金融政策の方向性の違いや、(2)上記1を背景とした円キャリートレード継続期待、(3)NYカットオプションの有名足150.00に絡んだマグネット効果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値150.00まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)政府・日銀による介入警戒感や、(5)日銀による金融緩和の修正観測(日本経済新聞社は10/22付朝刊に「月末の金融政策決定会合で日銀がYCCの再修正を議論する可能性」と報道→円金利上昇→円買い)、
(6)米著名投資家ビル・アックマン氏による米債ショート解消の噂(現在の相場水準で長期債ショートを維持することはリスクが大き過ぎるとの判断)や、(7)米金利低下に伴うドル売り圧力、(8)米モルガン・スタンレー社による米ドルに対する見方の強気からニュートラルへの転換発表が重石となり、米国時間午後にかけて、安値149.55まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/24午前5時40分現在)では、149.69前後で推移しております。尚、昨日発表された米9月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.02、予想▲0.14)は市場予想を上回る結果となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。
週明け23日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間午後にかけて、安値1.0572まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(2)ユーロ圏10月消費者信頼感指数速報値(結果▲17.9、予想▲18.3)の市場予想を上回る結果、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力、(4)直近高値(10/12に記録した高値1.0640)突破に伴う仕掛け的なユーロ買い圧力、(5)ECB理事会を控えたポジション調整(ショートカバー)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0678(9/20以来、約1カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/24午前5時40分現在)では、1.0669前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は高値圏での一進一退(10/3に記録した年初来高値150.16を抜けそうで抜けられない状態)が続いています。昨日も米金利低下に伴うドル売り圧力や、対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、日通し高値150.00から149.55まで反落する動きとなりました。但し、ダウンサイドに複数のテクニカルポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、下値余地は限定的と判断できます。米著名投資家ビル・アックマン氏による米債ショート解消の噂や、米モルガン・スタンレー社による米ドルに対する見通しの転換(強気からニュートラル)など、気になるヘッドラインが出てきていますが、日米金融政策の方向性の違い(日米金利差に着目したドル買い・円売り)といった明らかなファンダメンタルズ要因が残っている限り、こうした逆張りニュースに動じる必要性は無いと考えています。
また、足元では今月末に予定されている日銀金融政策決定会合での政策修正の思惑も高まっていますが、例え政策修正(YCC撤廃やマイナス金利脱却)に踏み切ったとしても、マーケットの反応は一時的なものに留まると考えられます(日米金利差が一気に縮まるわけでは無いため、円高での反応はせいぜい1週間程度に留まる公算大)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は欧州圏のPMI速報値(仏10月製造業・非製造業PMI速報値、独10月製造業・非製造業PMI速報値、ユーロ圏10月製造業・非製造業PMI速報値、英10月製造業・非製造業PMI速報値)に加えて、米10月製造業・非製造業PMI速報値や、米10月リッチモンド連銀製造業指数、米2年債入札などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:149.25ー150.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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