高値警戒はやや後退、それでもドル上値重い(10/23夕)

週明け23日の東京市場はほぼ横這い。早朝の非常に早い時間帯、いわゆる時間外取引では一時150円台も観測されたが、以降は149円台後半での揉み合いだった。

高値警戒はやや後退、それでもドル上値重い(10/23夕)

高値警戒はやや後退、それでもドル上値重い

〇本日ドル円、149.75-95レンジにとどまる乏しい値動き
〇早朝時間外取引では150円台を再び記録、高値警戒感が幾分薄れつつある模様
〇テクニカルにドル円は依然上値が重いが、10/3高値の150.16をトライ、超える可能性も
〇月末の日米政策金利発表を前に、10/26ECB政策金利発表に注目
〇今週は米GDP速報値等の発表予定、結果次第で相場が乱高下する展開か
〇ドル円予想レンジは149.40-150.20、ドル高・円安方向は150.16をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、149.50-65レベルが最初のサポートか

<< 東京市場の動き >>

週明け23日の東京市場はほぼ横這い。早朝の非常に早い時間帯、いわゆる時間外取引では一時150円台も観測されたが、以降は149円台後半での揉み合いだった。

先週末は、米下院議長を選出する本会議の投票において共和党のジョーダン下院議員に3回目の否決が出された。それを受け、同議員は議長候補から除外されている。一方、エジプト主導で、ガザ情勢をめぐり「カイロ平和サミット」が開催されたものの打開策なく閉幕している。
そうした状況下、ドル/円は149.80円前後で寄り付いたものの、ほぼ横這いと言ってもよい極めて乏しい値動き。前述した時間外取引を除けば、149.75-95円といったレンジにとどまっている。日米金利や株価の動きを横目ににらみつつだが、実際の影響となるとほぼ皆無。16時現在では149.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「中東情勢」について。
前者は、中国海警船が南シナ海でフィリピン補給船に衝突。また補給船を護衛していたフィリピン沿岸警備隊の巡視船も、中国船舶に衝突されたという。一方、それとは別に産経新聞が「中国当局、日本商社の中国人社員を今年3月に拘束」と報じ物議を醸していた。近隣諸国とのいざこざは依然として続いている。しかし、そうした反面で「中国の王外相が今週にも米国を訪問する方向で調整している」、「豪首相が来月4-7日に訪中」といった報道など、逆に関係改善に向けた外交的な動きも幾つか観測されている。
対して後者は、新たな地政学リスク、中東情勢不安が取り沙汰されるなか、週末には「英首相がパレスチナ議長・エジプト大統領と会談」、「バイデン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相による会談」−−などが相次ぎ観測されていた。しかし、前述した「カイロ平和サミット」は欧州諸国による民間人への人道支援などを呼びかけるにとどまり、結果的に共同声明を出さずに終了するなど、なかなか次なる一手が見いだせない。対応が手詰まりになっているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末ついに150円を示現。さらに、本日早朝の時間外取引で150円台を再び記録している。ドル高方向の展望が広がるとともに、これまでの高値警戒感が幾分薄れつつあるのかもしれない。とは言え、一足飛びのドル高が進行するとは思われず、その歩はやはり基本牛歩か。まずは3日高値150.16円をめぐる攻防に注目だ。また、三度150円台をみたあとのドル急反落にも一応注意をしておきたい。
月末に予定されている日米の政策金利発表が注視されるなか、今週26日には先鞭をつける格好でECBが政策金利を発表する予定となっている。一方、米国ついては今週も7-9月期GDP速報値をはじめ、なかなか重要な経済指標の発表が続く見通しだ。そちらの結果に一喜一憂、相場も連れて乱高下する展開か。またそれ以外の要因として、中東地域への地政学リスクの高まりなども波乱要因として注意しておく必要がありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然として上値が重い状況だが、先週末に一度150円を付けたこともあり、以前より「高値恐怖感」は少し薄れているだろう。3日高値の150.16円をトライ、そして超えていく展開もあり得る。
しかし、到達後のドル急落などにも一応要注意。149.30円台まで値を上げてきた移動平均の21日線をしっかり下回ると、一気に流れが変わる可能性もある。

本日は米経済指標として、9月のシカゴ連銀全米活動指数が発表される予定となっている。ただ、決まり物という意味ではいささか材料は少なめか。基本的には次の材料にらみで動きにくい展開をたどる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.40-150.20円。ドル高・円安方向は3日高値の150.16円をめぐる攻防に注目。抜ければ、昨年高値151.94円も中期ターゲットとして視界内に。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期取引で底堅さをうかがうわせる149.50-65円レベルが最初のサポートか。下回ると移動平均の21日線が意識されそうだ。

高値警戒はやや後退、それでもドル上値重い

ドル円日足


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