ユーロ 目先底打ちも流れは年初来安値更新へ(週報10月第1週)

先週のユーロドルは一時大台1.05を割り込み1.0488レベルまで下げましたが、年初来安値1.0482レベルのトライはかろうじて回避したという状況です。

ユーロ 目先底打ちも流れは年初来安値更新へ(週報10月第1週)

目先底打ちも流れは年初来安値更新へ

〇先週のユーロドル、年初来安値1.0482レベルのトライは回避するも一時1.0488レベルまで下げる
〇米国の景気拡大に対し欧州の景気減速、ECB関係者発言のトーンダウン等、先行き悪化懸念が背景
〇ラガルド総裁、デギンドス副総裁、レーン理事の講演は前回理事会からの見方に変化があるか要注視
〇ユーロ売りが継続し易いとし1.0470レベルをサポート、1.0640レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは一時大台1.05を割り込み1.0488レベルまで下げましたが、年初来安値1.0482レベルのトライはかろうじて回避したという状況です。しかし米金利が高いことによるドル買いの動き、欧州景気の先行き悪化懸念によるユーロ売りと現状では利食いの買い戻し程度しかユーロ買いが入らない状態が続いています。

またドル円が150円の大台をいつトライしてもおかしくない状況から、もちろんユーロ円の買いも出やすいとは言うもののドルの方向としてドル買いに動きやすいことも確かです。半期末も過ぎてドル円の介入警戒感は若干弱まっていると考えられるため、ユーロドルも早晩年初来安値を更新する動きにつながりやすいでしょう。

今週は米国の雇用関連の数字が出る第1週ですが、予想では失業率がやや低下し3.7%、非農業部門雇用者数はやや少なく+14.5万人がコンセンサスとなっています。仮にこれらの数字より悪かったとしても、現在の米国の雇用は引き続き強いことには変わりなく、それがきっかけとなって反転という動きにはつながらないでしょう。

また今週は経済指標よりもラガルドECB総裁、デギンドス副総裁、エコノミストのレーン理事と主要な3人の講演が予定されていますので、講演内容に前回理事会から見方に変化があるかどうかは要チェックです。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

目先底打ちも流れは年初来安値更新へ

7月高値からの平行下降チャンネル(青)の中で順調に下げ続けている動きが先週も続きましたが、先週の安値はこの下降チャンネルの下限で下げ止まりました。こうして見るとごく短期的にはいいところで下げ止まったとも言えますが、ここからどこまで上げられるのかと考えると、9月半ばの押し1.0631レベル前後までの戻しがせいぜいではないかと見ています。

また安値については目先の安値を見た可能性はありますが、もしドル円が150円台に乗せて下げにくい状況となる場合にはユーロドルも年初来安値をトライするでしょうから、ドル円の動きも併せて見て行く必要があります。ここでは、依然としてドル高の流れが継続しやすいと見て、1.0470レベルをサポートに、1.0640レベルをレジスタンスとする流れを見ておくこととします。

今週のコラム

今週はドルインデックスの週足チャートを見てみます。

目先底打ちも流れは年初来安値更新へ 2枚目の画像

ドルインデックスは57.6%がユーロとなっていることから、ユーロの動きの影響が大きいと同時に、ドルインデックスとしての取引も行われているため、ドルインデックス自体の買いがユーロドルの下げに繋がることもあります。

ドルインデックスを週足で見るとダマシの下げによる年初来安値更新の後に強い上昇により年初来高値更新というチャートになっていて、こうしたダマシのパターンは後の動きが継続しやすい傾向があります。チャート自体も底打ちパターンでネックラインの上抜けという見方が出来そうですから108を試しに行く可能性が高そうに思います。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月2日(月)
15:00 英国9月住宅価格
16:50 フランス9月製造業PMI
16:55 ドイツ9月製造業PMI
17:00 ユーロ圏9月製造業PMI
17:00 スペイン、ポルトガル中銀総裁講演
17:30 英国9月製造業PMI
18:00 ユーロ圏8月失業率

10月3日(火)
15:10 レーンECB理事講演 ☆

10月4日(水)
16:50 フランス9月サービス業PMI
16:55 ドイツ9月サービス業PMI
17:00 ラガルドECB総裁講演 ☆
17:00 ユーロ圏9月サービス業PMI
17:30 英国9月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏8月PPI ☆、小売売上高
23:00 パネッタECB理事講演

10月5日(木)
15:00 ドイツ8月貿易収支
15:45 フランス8月鉱工業生産
17:30 英国9月建設業PMI
23:00 デギンドスECB副総裁講演 ☆

10月6日(金)
15:00 ドイツ8月製造業新規受注
15:45 フランス8月貿易収支
21:30 米国9月雇用統計 ☆
**:** EUサミット

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

9月25日(月)
前週のECB理事会で米欧金利差は0.25%縮小したものの米国の景気拡大に対して、欧州の景気減速を背景としたユーロ売りの動きが続きました。ECB関係者の発言でも明らかに減速している等、今後の一段の減速懸念から一時1.0575レベルまで水準を下げ、若干戻して引けました。

9月26日(火)
ドル独歩高状態の中でユーロドルもドル高の流れが続きました。買い戻しが出てもカウンターで売りが出るという状態で、1.06台では戻り売りが出ていました。引けにかけては1.0562レベルまで下値を広げ安値圏での引けとなりました。

9月27日(水)
ユーロドルは上値は重たいものの欧州市場昼頃までは動意薄の展開となりました。米金利上昇の動きからドル円以上にユーロドルでの売りが目立ち、1.05の大台を割り込み1.0488レベルと年始安値の1.0482レベルへと迫りました。引けにかけては若干戻し1.05台を回復して引けました。

9月28日(木)
ユーロドルは米金利上昇に反してドル売りユーロ買いの流れが続きましたが、前日までのユーロの下げに対する調整と月末実需のユーロ買いが対ドル、対円で出ていた様子で期末要因によるユーロ買いのようでした。

9月29日(金)
ユーロドルは前日からのドル売りの動きが続いたことから欧州市場前場には1.0617レベルまで買いが進みました。しかし、その後はドル買いの動きとなり、ユーロドル売りの動きから東京前場の安値圏に押しての週末クローズとなりました。

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