トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコ円、安値が5.34レベル、高値が5.50レベルと、予想よりもやや上値が重たい展開
〇トルコ中銀会合の結果はコンセンサス通り5.0%の利上げにより政策金利30.0%へと引き上げ
〇さらなる利上げを期待する向きもあり直後はトルコリラ売りが先行、その後買い戻される動きに
〇テクニカルには依然としてビッドが下にずれて下ヒゲの長いローソク足が出がち
〇インターバンクのレート提示が広がることもまだ多いと考えられる
〇今週は5.35レベルをサポートに、5.50レベルをレジスタンスとする週を見る
先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「テクニカルな水準である5.39〜5.51がコアレンジとなるものの、利上げが予想通りでやや底堅い動きを考え、5.35レベルをサポートに、5.55レベルをレジスタンスとする週」としました。実際のレンジは、安値が5.34レベル、高値が5.50レベルと、予想よりもやや上値が重たい展開となりました。
先週のトルコリラは、トルコ中銀の会合に注目が集まりましたが、結果は5.0%の利上げにより政策金利は30.0%へと引き上げられました。コンセンサス通りではありましたが、それ以上の利上げを期待する向きもいたことから、利上げ直後はトルコリラ売りが先行し、その後買い戻される動きとなりました。インフレ率を考えるとまだ十分とは言えない水準であり、一部では7%以上の利上げもといった思惑もありましたが、中銀としては状況を見ながら着実に利上げを行うというスタンスにありそうですから、今回の結果も失望というほどの動きにはなっていません。
少なくともインフレが収まるまでは引き締めを継続し、金融市場が正常化していく中で海外投資家からの資金をトルコに呼びこむというのが財務省も考える方向ですから、今後インフレ率低下が見えてくるまでは以前のようなおかしな政策にはならないはずです。今はまだ海外からの資金流入も少ない状態ですが、年内は無理でも来年以降は改めてトルコへの投資を考える向きも出てくるのではないかと思います。
さて、トルコの政策金利は30%ですが、翌日物金利は20%程度、そして個人投資家の方が最も気にするスワップ金利は1万通貨あたり20円台とあまり金利が反映されていません。現在のスワップ金利から逆算するとトルコの金利が15%程度でスワップ付与されている計算となりますので、日本の個人投資家を中心にトルコリラを買っている人が多いことから金利市場の需給がやや傾いていることによるものでしょう。
さて今週はトルコの金融政策イベントも終わり、四半期末を控えていることから動き自体は鈍ってきそうです。ドル円に動きが出てくれば、その方向で動きやすいというイメージです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先週の中銀会合前後の上下のヒゲは荒っぽい動きの結果としてもその前の週を見ても依然として下ヒゲの長いローソク足が出がちです。それだけビッドが下にずれていることが起きているわけで、インターバンクのレート提示が広がることもまだ多いという風に考えた方がよいでしょう。こうした動きが無くなってくれば安心感が高まりますが、まだ少し時間がかかりそうです。
なお、今週も先週のレンジ内での動きで横方向の動きになると見ていますので、5.35レベルをサポートに、5.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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