トルコリラ円レポート月曜版(23/8/28)

実際のレンジは、安値が5.22レベル、高値が5.72レベルと、トルコリラ急騰の一週間となりました。

トルコリラ円レポート月曜版(23/8/28)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコ円、トルコ利上げを受けリラ急騰の一週間、これまでの下降トレンドを上抜けする展開
〇8/24トルコ中銀会合、サプライズとなる7.5%の大幅利上げで政策金利を25%に
〇財務相も一体となったインフレ抑制に向けた金利正常化か、大統領の今後の動きに要注意
〇今週は5.40レベルをサポートに、5.80レベルをレジスタンスとする週を見る

先週のトルコ中銀会合ではサプライズとなる大幅利上げが実施されましたので、予定を変更してトルコリラを見て行きます。

まず、先週の振り返りですが、「5.15レベルをサポートに、5.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきますが、中銀会合の結果とジャクソンホールには注意」という見方を示しました。実際のレンジは、安値が5.22レベル、高値が5.72レベルと、トルコリラ急騰の一週間となりました。

先週のトルコリラは、中銀会合で2.5%利上げが行われるという見方がコンセンサスとなっていましたが、まさかの7.5%と予想の3倍もの利上げを行い、政策金利を25%とする予想外の行動を取りました。これまで結局大幅な利上げは出来ないのかという失望のほうが大きかった中で、ようやくトルコの金利がインフレ抑制に向けて正常化した動きと言えます。

この大幅利上げを好感してトルコリラは対ドル、対円ともに急騰し明らかにこれまでの下降トレンドを上抜けする展開になってきました。今回は中銀会合の直前にトルコリラ安による預金の目減りを補填してきた保護政策を廃止するという報道もあったため、ひょっとしたら何らかのトルコリラ高につながる内容に‘なるかもしれないという期待も若干ありましたが、期待を大きく上回る内容となりました。

また、これまで海外の投資家はトルコへの投資を見送るスタンスでいましたが、財務相はゴールドマンサックスなど海外の投資家との会合も進めており、財務相とも一体となってトルコリラ安を止めるために行動を起こしたということではないかと考えられます。補填政策も政府からすれば一方的な赤字政策ですし、さすがにこれ以上は放置できないというところだったのでしょうが、果たしてここまでの大幅利上げに対して今後エルドアン大統領が何が口出ししてくるのかどうが、財務相も絡んでいるとなると大丈夫だとは思いたいところですが注意はしておきたいところです。

テクニカルには日足チャートから見て行きましょう。

トルコリラ円レポート月曜版

急落前の5月高値と7月安値のフィボナッチ・リトレースメントを計算すると38.2%戻しが5.77、半値戻しが6.01となっています。今回の大きく舵を切った政策を交換する動きで実際に海外からの投資が戻ってくればトルコリラ高に繋がるでしょうし、日本の個人投資家は25%の金利を見たら、大きくトルコリラ買いに動いて来る可能性があり、半値戻しと重なる大台6.0円はよいターゲットになると言えるでしょう。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

最近の高値6.02と安値5.00の78.6%(61.8%の平方根)戻しが5.80円となっていて、短期的にはいったん同水準は止められやすく、最終的には100%戻しとなる大台6.00円という動きがもっとも可能性が高そうなシナリオです。下値は前週高値圏に近い5.40を考えておくとよさそうです。

以上から、今週は5.40レベルをサポートに、5.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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