基調変わらず、ドル強保ち合いを継続
〇本日のドル円、146.30-61の30ポイント強のレンジ取引に終始
〇介入警戒はあるがリスクはドル高方向にバイアス、146.64超えると148円近くまで達する可能性も
〇米経済指標に注視しつつ、中国情勢を波乱要因として警戒
〇ドル高円安方向は本日東京高値も近い先週末高値146.64が最初の抵抗。抜ければ147円目指す
〇ドル安円高方向は、短期的に146.20レベルがサポートになり下回ると先週末安値145.73がターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.80-147.00
<< 東京市場の動き >>
週明け28日の東京市場は揉み合い。ドルは146円半ば挟みの強保ち合いをたどったが、上値は重かった。
先週末は、福島処理水をめぐり日中間で様々な問題が噴出し、新たな政治問題化しつつあることが話題に。一方、先週すでにプリゴジン氏搭乗機の墜落が報じられていたが、ロシア捜査当局が遺体のDNA鑑定の結果として「正式に死亡を確認した」と発表している。
そうした状況下、ドル/円は146.40円レベルで寄り付いたものの、動意に乏しい。一時146.60-65円までオファービッドを上げるも、先週示現した高値にはわずかに届かず。結局、146.30-61円といった30ポイント強のレンジ取引に終始した。16時現在では146.25-30円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「各国金融見通し」と「中国情勢」について。
前者は、24-26日に開催されたジャクソンホール会合は、注目のパウエルFRB議長が「適切と判断すれば、さらに金利を引き上げる用意がある」と表明。ある意味予想の範囲内ではあったが、市場はドル買いと認識していたようだ。またECBのラガルド総裁、そして英中銀のブロードベント副総裁はともに「金利を必要な限り高水準に維持する」といった強気の認識を示した反面、植田日銀総裁は物価について「基調トレンドがなお目標を下回っており、今後低下する」とし、対照的な見通しを示したという。
対して後者は、福島処理水について米国務省から「安全で透明性が高く、科学的根拠に基づく日本の手続きに満足している」との声明が発表されるなど、ほとんどの国が問題視しないなか中国による嫌がらせともいえる動きが目に付く。「日本からの水産物輸入の全面停止」にはじまり、共同通信によると実際に「現地、日本人学校で次々嫌がらせが発覚」しているという。また日本のまったく無関係の企業への迷惑電話も多発しているとされるなど、とどまるところなし。ついには日本の外務省が邦人の中国渡航に際し、「抗議活動に遭遇しても近づかず、スマートフォンでの撮影もしない」−−などといった注意喚起を発表していた。いずれにしろ、民間ベースにおいてもさらなる関係悪化は避けられそうにない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は先週末25日に年初来高値を更新。そして本日東京は、その高値にとどいていないが146円半ばを中心とした高値圏での推移となっている。円買い介入警戒もあり、どこまでドルが上値を伸ばせるのか疑問もなくはないが、リスクそのものは間違いなくドル高方向にバイアス。147円台に明確なドルの上値メドが見当たらないこともあり、先週示現した高値146.64円を超えれば、一気に148円近くまで達する可能性を否定できない。
先週開催されたジャクソンホール会合における、日米英欧中銀総裁発言は上記のとおり。強気の米英欧に対し、日本のみ弱気という結果となった。ほぼ事前に予想されていた通りの結果ながら、単純に各国の金利差という観点だけで考えると、やはり積極的な円買いは予想しにくいと考えざるを得ない。そうしたなか今週は、発表される米経済指標に一喜一憂しつつ、中国情勢などを波乱要因として警戒する向きもあるだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は微妙ながらギリギリでレンジ内。ただ、レンジを上抜きかかっていることは事実で、しっかりとしたレンジ放れを期待する声も多い。上抜けた場合には147円台をスルーし、148円半ばから後半が明確な次の上値メドか。円買い介入警戒もあり、一朝一夕に到達するとは思われないが、ドルの上値余地が大きく拡大することだけは間違いなさそう。
本日は米経済指標として、8月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定だ。バーFRB副議長のほか、ナーゲル独連銀総裁などの講演も実施される見通しとなっている。ロンドン休場のなかの欧州関係のニュースにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.80-147.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い先週末高値の146.64円が最初の抵抗。抜ければ147円を目指す。
対するドル安・円高方向は、短期的に146.20円レベルがサポートになりつつあるようだ。下回ると先週末安値の145.73円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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