東京市場は146円台半ば、物価高止まりに慣れたことで為替介入は難しい?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、ジャクソンホール会合(カンザスシティ連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演後のドル買いの余韻から、146円台半ばで推移した。
先週末の海外時間で行われたパウエルFRB議長の講演では、インフレ率は高すぎるとして「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある」と述べ「目標に向かって低下していると確信できるまで政策金利を高水準で維持する」考えを示した。これまでの発言とほぼ同じで、さほど「タカ派」な内容ではなかったが、ドルは買われ、年初来高値を上回る場面も見られた。
東京時間では、さすがに政府・日銀による為替介入警戒や、米10年債利回りが4.22%台まで縮小したことなどから、ドルの上値は重くなったが、終始146円台で推移。株式市場で日経平均が先週末比500円強上昇したことも安心材料となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円54銭
高値:146円62銭
安値:146円29銭
終値:146円39銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円20銭
高値:158円37銭
安値:158円17銭
終値:158円25銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円92銭
高値:94円34銭
安値:93円91銭
終値:94円14銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円35銭
高値:184円65銭
安値:184円34銭
終値:184円46銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31915円68銭
高値:32205円48銭
安値:31881円93銭
終値:32169円99銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
25時30分、米、バーFRB副議長が会議出席
※英国市場はサマーバンクホリデーのため休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、7月14日に100日移動平均線(MA)水準から反発。6月30日の高値145円08銭と8月3日の高値143円90銭を結んだ上値抵抗ラインと、7月14日の安値137円24銭と7月28日の安値138円07銭を結んだ下値支持ラインによる三角保ち合いを上放れている。
日足の一目均衡表でも、雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。8月17日の年初来高値146円57銭を僅かではあるが上回ったことから需給面も良好と言えよう。
ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演は、想定の範囲内の内容と思われたが、市場はドル買いで反応。昨年、きつい下げを見せた米国株式市場もほぼ無風で通過するなど、終わってみれば静かな地合いとなった。植田日銀総裁も「物価の伸びが日銀の目標より依然として低いことが、現行の金融政策を維持している理由」と差しさわりのない発言に留まったことで、さほど売買材料とはならなかった。
注目イベントをほぼ無風で通過したことから、市場の関心は政府・日銀による為替介入の有無に移るだろう。8月15日の鈴木財務大臣の発言以降、日本の政府関係者による口先介入は観測されていない。ガソリン高は話題となっているが、足元の物価の高止まり(7月の全国消費者物価指数(生鮮食料品除くコア)の上昇率は前年比+3.1%)は、国民の「ゆでガエル状態」を引き起こしているのかもしれない。メディアの推しの有無も影響しているが、数十年ぶりの物価上昇に対する国民のアレルギーは少し収まってきた感じか。
つまり、政府関係者による口先介入が少なく、市場に緊張感がさほど感じられず、円安に対する国民や企業からの厳しい声も乏しいなど、為替介入実施への醸成はまるで進んでいない。今の為替市場の状況では、為替介入実施は到底無理と考えるのが妥当だろう。
今週は、週末の8月米雇用統計の発表まで、東京時間では上値が重くなる一方、海外時間ではじりじりとドル高が進む地合いを想定する。今晩の上値メドは年初来高値146円63銭を上回る147円00銭、下値メドは146円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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