ユーロドル ユーロ円主導のユーロ売りか(週報8月第3週)

ドル円が円安から短期的には円高へと変調してきている動きとユーロ円の動きの相関が今週も影響することは間違いありません。

ユーロドル ユーロ円主導のユーロ売りか(週報8月第3週)

ユーロ円主導のユーロ売りか

〇先週のユーロドル、上下しながらも高値を切り下げる動き続く、金曜には1.0845レベルまで下げる
〇ユーロ円が上昇する動きから、ユーロドルでのユーロ売り・ドル買いのペースが相殺された
〇ユーロ円の影響が大きく、ドル円の円高への変調の動きとユーロ円の動きの相関が、今週も影響するか
〇市場はジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演待ち、その後はラガルドECB総裁の講演も控える
〇今週は1.0780レベルをサポートに1.0950レベルをレジスタンスとする流れを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは上下しながらも高値を切り下げる動きが続き、金曜には1.0845レベルまで下げましたが、ドル円に比べると値幅はかなり狭いという流れは続いています。先週もドル円とともにユーロ円が木曜まで上昇する動きからユーロドルでのユーロ売り・ドル買いのペースは相殺されていました。このユーロ円の影響が大きい状態がいつまで続くかはわからないものの、ドル円が円安から短期的には円高へと変調してきている動きとユーロ円の動きの相関が今週も影響することは間違いありません。

今週の材料は欧州主要国の製造業・サービス業のPMI速報値が水曜に発表され、ユーロドルの変動要因となります。しかし、週後半にはジャクソンホールを控えていますので、底でトレンドが出ることも考えにくく、多くの市場参加者は金曜のパウエルFRB議長の講演待ちとなります。FOMC議事録同様にタカ派なのか、あるいは利上げ停止を示唆するようなハト派なのか注目が集まりますが、その後にはラガルドECB総裁の講演もあり、9月以降の利上げ思惑が後退している中で、パウエル議長講演との対比が気になります。

他には大きな材料はありませんが、今週24日からは日柄的にボラティリティ上昇につながる水星逆行が始まります。金星逆行中の水星逆行とダブルで影響が出そうな時間帯が9月4日まで続きますので、その間のイベントとして今週のジャクソンホール、来週の米国雇用統計など、念の為細心の注意で臨みたいところです。

テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

ユーロドルは先週の下げで8月3日安値を下回り、テクニカルには一段安の動きにつながりやすいチャートとなってきました。現在の水準は5月安値と7月高値の61.8%押し1.0879水準ですが、7月安値1.0833レベルも近く、同水準を割り込んでくると78.6%(61.8%の平方根)押しの1.0771レベルが視野に入ります。

このターゲットは7月高値を起点とした逆N波動を考えた場合の78.6%(61.8%の平方根)エクスパンション1.0777とも重なりますので、1.07台後半が現在のユーロ売りのターゲットになっていると見てよさそうです。ドル円では週報に書いた通りやや下を見ていますので、底から考えるとユーロ円が思いのほか下げる展開に注意したいところです。

なおユーロドルはそれまで1.09台半ばがサポートとなっていたことを考えると、現在は1.09台半ばがレジスタンスとなります。今週は1.0780レベルをサポートに1.0950レベルをレジスタンスとする流れを見ておくこととします。

今週のコラム

今週はユーロ円の日足チャートを見てみます。

今週のコラム

先週は月足チャートで長期的な上昇ターゲットを考えましたが、今週は短期的に押しやすい地合いが考えられますので、短期的な下げのターゲットを示しておきます。

まだ強い地合いを維持していることは間違いありませんが、7月安値の151.40レベルから8円ほど上昇したことを考えると38.2%押し程度の調整は常にありえます。この水準が156.29となっていますので、動き次第ではここから2円程度の押しは可能性があるというふうに見ておいたほうが良いでしょう。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

8月21日(月)
15:00 ドイツ7月PPI ☆

8月22日(火)
 (特になし)

8月23日(水)
16:15 フランス8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
23:00 ユーロ圏消費者信頼感速報値

8月24日(木)
15:45 フランス8月企業景況感
**:** ジャクソンホール(〜26日)

8月25日(金)
15:00 ドイツ4〜6月期GDP改定値
17:00 ドイツ8月ifo企業景況感
23:05 パウエルFRB議長講演 ☆
28:00 ラガルドECB総裁講演 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

8月14日(月)
ユーロドルは東京市場ではじり安、欧州市場に入りポジション調整と見られるユーロの買い戻しから1.0960レベルの戻り高値をつけました。その後は米金利上昇によるドル買いからユーロドルも1.0875レベルまで売られ、NY市場では買い戻しも弱く引けにかけては改めて売りが出ていました。

8月15日(火)
ユーロドルは欧州市場序盤まではユーロ円に買いが強まり年初来高値を更新する動きとともにユーロドルも底堅い地合いが続きました。NY市場ではユーロ売り(ドル買い)先行後に1.0952レベルまで買い戻されたものの上値も重く1.09近辺に押して引けました。

8月16日(水)
ユーロドルは欧州市場序盤にユーロ円の上昇もあり一時的に買いが強まりましたが、その後は米金利上昇によるドル買いの動きからNY引けまでじり安の流れが続き、1.0871レベルまで押して安値圏での引けとなりました。

8月17日(木)
ユーロドルは東京市場でドル円とともにドル買いが先行したことでユーロの安値をつけた後はNY市場に向けてユーロ買い、その後引けにかけてはユーロ売りとなりました。ユーロ円の売りが目立ったことからユーロドルは引けにかけて1.0856レベルの安値をつけましたが、値幅は伴わない動きで終わりました。

8月18日(金)
ユーロドルは東京前場ではドル円とともにドル売りの動きとなっていましたが高値1.0894レベルまで。その後はユーロ円の下げとともに売りが強まりNY朝方には1.0845レベルの週間安値をつけました。引けにかけては欧州序盤の水準に戻して引けました。

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