トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコ円、ドル円の動きに沿って週前半は底堅く、週後半は上値が重い流れ
〇対ドルでは26.815〜27.046とほぼ横方向の動き、多くの投資家はトルコリラから離れている印象
〇8/3発表のトルコCPI、最近の利上げ効果見られず予想以上の伸び、レートへの影響はほとんど見られず
〇下ヒゲの長いローソク、ストップ狩りのような動きか、新興国通貨特有のリスクとして要注意
〇今週も引き続き大台の手前5.05レベルをサポートに、5.40レベルをレジスタンスとする週を見る
先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「大台5円を見た達成感もあり横方向のもみあいを考え、大台の手前5.05レベルをサポートに、以前の高値手前5.40レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.07レベル、高値が5.30レベルと、上下ともに予想レンジ内での値動きと先週も落ち着いた値動きの一週間となりました。
先週のトルコリラは、対ドルでは26.815〜27.046とほぼ横方向の動きとなりましたが、ごく緩やかなドル高・トルコリラ安の動きが再開したようにも見えます。そうした中でドル円が週前半は米金利上昇による円安、週後半は株安と米国雇用統計を受けた円高となった動きに沿って、トルコリラ円も週前半は底堅く、週後半は上値が重い流れを見せました。
最近のトルコリラはほとんど対ドルでは動きが見られず、既に多くの投資家はトルコリラから離れている印象です。結果としてほぼドル円の動きがトルコリラ円の動きになっているわけですが、トルコリラ円の動きで気になるのは、一時的にビッドの価格が下がり下ヒゲの長いローソクが散見される点です。
ドルトルコリラもドル円もそのような動きは見られませんので、トルコリラ円にだけ見られるスプレッド拡大が下ヒゲになっていると考えられます。理由としてはインターバンク市場で買い気配が下がった動きがそのまま反映されているというのが妥当な見方ですが、ひょっとすると買いポジションが多いトルコリラ円においてストップ狩りのような動きが発生し、それが下ヒゲの長いローソク足になっている可能性もあります。
こうしたストップ狩りは主要通貨ではそもそも起こりにくいのですが、トルコリラ円のように流動性が十分とは言えない新興国通貨では起こりうるリスクです。というのも、ストップに近づいてきた時にニュースでも出て通り抜けたらといったことを考えると、FX業者もそのカバー先であるインターバンクも取りあえずストップをつけに行く動きをしてくることがあるわけです。
引き続き下値不安のほうが大きいトルコリラを取引する際のリスクとして取引中の方も、これから取引する方も流動性リスクのひとつとして気にしておくべきでしょう。なお、ファンダメンタルな材料としてはCPIが予想以上の伸びとなり、最近の利上げ効果が見られないということはありましたが、レートへの影響はほとんど見られませんでした。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
6月中旬以降は常に高値を切り下げる動きが続いてきましたが、先週は久しぶりに前週高値を上抜ける動きを見せ、先月の大台5.00円がいったんは底値となった動きと言えるチャートとなりました。ここからの上値の目途としては6月21日高値6.02と史上最安値5.00との38.2%戻し5.39となります。
ということで、今週も引き続き大台の手前5.05レベルをサポートに、5.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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