東京市場は142円台を回復、10日のCPIまでは雲上限レベルでのもみ合いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、先週末の米雇用統計後のドル売りに対する買戻しが入り、142円台を回復した。
先週末の海外時間で発表された7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比18.7万人増と市場予想(同19.9万人増)を下回った一方、失業率は3.5%と市場予想(3.6%)よりもいい内容とまちまちの結果。ただ、前哨戦でもあったADP雇用者数が強かったことで、米雇用に対する期待感が剥落し、ドルは下落。141円50銭台まで売られた。
東京時間では、目立った売買材料に乏しいなか、日本の長期国債利回りが0.62%台と先週末比で0.02%ほど利回りが縮小したことなどから、日米金利差を背景にドルは買い戻される展開に。株式市場で、日経平均が切り返したことも材料視されて、ドルは142円台まで戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:141円83銭
高値:142円30銭
安値:141円52銭
終値:142円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円09銭
高値:156円44銭
安値:155円81銭
終値:156円16銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円24銭
高値:93円62銭
安値:93円12銭
終値:93円41銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:180円87銭
高値:181円21銭
安値:180円59銭
終値:180円88銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31921円28銭
高値:32306円87銭
安値:31830円23銭
終値:32254円56銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁がイベント出席
21時30分、米、ボウマンFRB理事が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、6営業日連続陰線示現というきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円97銭)水準がサポートラインとして意識され反発。足元、頭を押さえられていた20日MA(140円66銭)を上抜いており、バンド上限の+2σ(143円87銭)が迫っている。
日足の一目均衡表では、雲上限(142円47銭)水準を下回っているが、先週末の安値141円55銭より上で推移しており、まだ雲上限水準を回復できそうな状況にある。
今晩の海外時間では、目立った経済指標の発表が予定されていないことから材料視されるのは要人発言ぐらいか。本日予定されている講演では、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事を注目しておきたい。同氏は「インフレ率を米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標である2%に押し下げるには、追加利上げが必要となる可能性が高い」と先週末の講演会で述べているだけに「タカ派」なコメントがドル買いを刺激する可能性は多少ある。
なお、同氏は「個人消費鈍化と労働市場環境緩和の兆しも注視する」とも述べている。少なくても先週末の雇用統計の内容は、9月20日開催のFOMCで追加利上げを後押しするような内容ではなかったが、次のFOMCまでは、雇用統計が1回、消費者物価指数(CPI)が2回控えており、風向きが変わる可能性は残っている。
7月末の日銀会合の発表と植田日銀総裁の発言を受けて、市場は多少戸惑ったが、ほぼ織り込んだと推測。10日の米CPIまでは、様子見ムードが強まり、日足の一目均衡表の雲上限レベルでのもみ合いが続くと想定する。今晩の海外時間は要人発言に注目するが、基本、凪の地合いを想定。上値メドは、142円80銭、下値メドは141円80銭とする。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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