3. トルコリラ円レポート月曜版（23/7/24）

トルコリラ円レポート月曜版（23/7/24）

安値が5.00レベル、高値が5.28レベルと、安値は5円の大台まで到達しましたが、高値が想定以上に低くトルコリラの弱さを改めて感じさせる一週間となりました。

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トルコリラ円レポート月曜版（23/7/24）

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ、7/18時点で対ドル、対円で売り込まれ史上最安値を更新
〇7/20トルコ中銀会合を前に中銀の利上げが予想（18〜20％）よりも小幅にとどまるのではとの思惑
〇結果は17.5％と事前予想通り、前回同様小幅な利上げに留まり、インフレ率と乖離した状況続く
〇次のターゲットは100％エクスパンションの4.72、1か月以内に到達する可能性は高い
〇大台の手前5.05レベルをサポートに、先々週の高値手前5.40レベルをレジスタンスとする週と見る

先週の振り返り（ショートコメント）ですが、「戻りが限定的であることに変わりは無く、利上げも期待できない結果となりそうな動きをメインシナリオにして、大台5.00レベルをサポートに、5.45レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.00レベル、高値が5.28レベルと、予想通り安値は5円の大台まで到達しましたが、高値が想定以上に低くトルコリラの弱さを改めて感じさせる一週間となりました。

先週のトルコリラはトルコ中銀の会合を前に中銀の利上げが予想（18〜20％）よりも小幅にとどまるのではとの思惑から18日時点でトルコリラは対ドル、対円で売り込まれ史上最安値を更新しました。実際の20日会合後の結果は17.5％と2.5％引き上げに留まり、事前予想通りでしたが、一時的な下げはあったものの週前半の安値は更新せず、週末に向けてはドル円での円安の動きもあったことから、週初の水準に戻しての引けとなりました。

トルコ中銀の利上げ幅は前回同様に小幅な利上げに留まり、依然としてインフレ率とは乖離した状況が続いています。異常な緩和政策から脱却しただけでも大きな変化ではあるものの、中銀声明で引き締めを適切に段階的にということから、今後も引き締めが続いても利上げ幅は期待よりも少ないという流れは続きそうです。この感じだと年内は2.5％ずつ上げるのかなというイメージですが、インフレが今後も下がって行くようであれば、徐々に効果は出てくるというところでしょうか。

それでも、ドル円がこれだけ円安に振れていてもトルコリラ円は週足陰線となりますので、ドル円の円安以上にドルトルコリラでのトルコリラ安が進んでいることとなります。今後も対ドル、対円での史上最安値更新を続けていく動きが必至というところです。また、今週はFOMCで利上げがコンセンサスですから、これもトルコリラのような新興国通貨には悪材料となります。

テクニカルにはいつもの4時間足チャート（上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円）をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

既に5円の大台と重なるテクニカルなターゲット、78.6％（61.8％の平方根）エクスパンション4.99は達成したと考えて良いので、次のターゲットは100％エクスパンションの4.72ということになります。

さすがに今週中の4.72は無いと思いますが、1か月以内にはターゲットに到達する可能性は高いと思われます。現状金融政策で引き締めてはいるものの、為替政策では以前のようにドル売り・トルコリラ買いを行う余力も無くなっているため、何か一つ大きめの悪材料が出てくれば次のターゲットという動きにつながるでしょう。

今週についてはいったん大台5円を見た達成感もありますので、横方向のもみあいを考え、大台の手前5.05レベルをサポートに、先々週の高値手前5.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。


注：ポイント要約は編集部

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