ユーロ ユーロドルは理事会後に下げる可能性(週報7月第4週)

先週のユーロドルも、ドル円が4円以上動いたのに対してユーロドルは167pipsと週を通して小動きとなりました。

ユーロ ユーロドルは理事会後に下げる可能性(週報7月第4週)

ユーロドルは理事会後に下げる可能性

〇先週のユーロドル、週前半は高値圏で推移、7/18は高値1.1275をつける
〇週後半は複数のECB関係者の7月利上げへの消極的発言で1.11台前半へ押す
〇月曜PMI速報値、木曜ECB理事会、金曜・仏4〜6月期GDP、独7月CPIと重要度の高いイベントが続く
〇ECB後の会見で7月で利上げ打ち止めなどハト派発言があれば予想以上にユーロが下げる可能性も
〇下値は7月安値と高値の半値押し1.1054が次のターゲット
〇ユーロ円、ドル円の円安の動きが波及、テクニカルなターゲット158.91視野に上値狙う向きが増えるか
〇今週は1.1040レベルをサポートに、1.1210レベルをレジスタンスとするレンジを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルも、ドル円が4円以上動いたのに対してユーロドルは167pipsと週を通して小動きとなりました。いっぽうでユーロ円はドル円と同様に円の動きとなり、3円16銭とユーロドルの倍くらい動いたという印象です。ユーロドルに関しては週前半は高値圏での動きとなり、18日にはこの流れでの高値をつけましたが、1.12台前半ではユーロ売りも目立ち、その後複数のECB関係者が7月以降の利上げについて消極的な意見を述べたことで1.11台前半へと押しました。

以前はFRBが7月利上げで打ち止め、いっぽうでECBは7月以降もあと1回の利上げが行われるという見方がコンセンサスでしたが、夏休み中は政策決定会合が無いこともあり、9月については現状維持になるかもしれないという見方も出ていました。そこに複数のECB関係者が9月の利上げは見送る可能性に言及したことでユーロ売りにつながりましたが、米国に比べるとまだインフレ率が高いため、インフレと景気とのバランスを見た上でということになると、9月までのCPI等の結果を見ないと最終的には判断しかねるという状況かと思います。

今週は週初にPMI速報値、水曜のFOMCはドルとしての動きに影響が出れば当然ユーロドルが動く要因になりますし、木曜にはECB理事会、金曜にはフランスの4〜6月期GDPとドイツの7月CPIと週を通して火曜以外は重要度の高いイベントが続きます。これまでユーロドルは値幅が狭い流れが続いてきましたので、今週だけ大きく振れることも無いかもしれませんが、もしECB理事会後の会見で思った以上にハト派な発言(7月で利上げは打ち止めなど)が飛び出すと、前日のFOMCでは利上げが行われているはずですから、思いの外ユーロが下げる可能性があるかもしれません。タカ派な発言が出てくる場合にはユーロ買いではありますが、現状はその可能性は低いと見られます。

テクニカルには日足チャートをご覧ください。

ユーロドルは理事会後に下げる可能性

ピンクのラインで示した三角もちあい上抜け後の高値を見たチャートとなっています。当面は1.12水準をレジスタンスとしやすい流れですが、下値の目途としては7月安値と高値の38.2%押しが現在の水準となりますので、半値押しの1.1054が次のターゲットとなります。また5月安値と7月高値との38.2%押しも1.1030と近い水準にありますので、1.10台半ばから前半という見方で良さそうです。

これらの水準から今週は1.1040レベルをサポートに、1.1210レベルをレジスタンスとするレンジを見ておくこととします。

今週のコラム

今週もユーロ円のチャートを見てみます。

今週のコラム

ドル円での円安の動きがユーロ円にも波及し、わずかではあるものの年初来高値を更新しました。ピンクの平行チャンネルの中でサポートラインで反発し、テクニカルなターゲット158.91をいよいよ視野に入れ始めたと考えられます。

日米金利差だけでなく日欧金利差も拡大しますし、ドル円のように牽制発言も出てきませんので、ユーロ円での上値を狙う向きは今後も増えていきそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

7月24日(月)
16:15 フランス7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国7月製造業・サービス業PMI速報値 ☆

7月25日(火)
17:00 ドイツ7月ifo企業景況感

7月26日(水)
15:45 フランス7月消費者信頼感
27:00 FOMC ☆
27:30 パウエルFRB議長会見 ☆

7月27日(木)
15:00 ドイツ8月消費者信頼感
21:15 ECB理事会 ☆
21:45 ラガルドECB総裁会見 ☆

7月28日(金)
**:** 日銀会合 ☆
14:30 フランス4〜6月期GDP速報値 ☆
15:45 フランス7月CPI速報値 ☆、6月PPI
18:00 ユーロ圏7月消費者信頼感
21:00 ドイツ7月CPI速報値 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

7月17日(月)
東京が休場となった週明けのユーロドルは若干底堅い動きとなり、欧州市場序盤に1.1249レベルと先週高値をわずかに更新しました。しかし、NY市場ではドル買いの動きから1.1203レベルへと下押し。引けにかけては1.1231レベルと週明け寄り付きと同水準での引けとなりました。

7月18日(火)
ユーロドルは高値圏の狭い値幅でのもみあいを続けました。欧州市場序盤に1.1276レベルの高値をつけたものの上がりきらず、NY市場朝方にもドル売りの動きから再度買われたものの1.12台後半では売りが出てきて、引けにかけてはドル買い戻しの動きとともに1.1209レベルまで押し、若干戻して引けました。

7月19日(水)
ユーロドルはNY市場までは1.12台前半でのもみあいを続けていましたが、NY前場の米金利上昇によるドル買いの動きから1.1174レベルまで水準を下げ、引けにかけては若干の買い戻しが出ました。

7月20日(木)
ユーロドルの東京市場ではドル売り・ユーロ買いが先行しましたが、その後はユーロ売りも出て東京朝方の水準でNY市場入り。NYでは全般的なドル買いの動きからユーロ売りの動きとなり、前日に複数のECB関係者が7月以降の利上げに対して消極的な発言をしていたこともあり、1.1118レベルまで売られました。

7月21日(金)
ユーロドルは終日安値圏でのもみあいを続けましたが、ドル円でのドル買いの動きもあり、NY市場では一時1.1108レベルと前日安値をわずかに下回りました。しかし、1日のレンジはわずか37pipsに留まり、週を通して主役は円相場、ユーロドルよりもユーロ円の動きが目立ちました。

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