トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、ドル円の動きに合わせ週前半は横ばい、後半は下げという展開
〇週初、トルコ国立銀行がトルコリラ買い介入と伝えられるも、規模小さくトルコリラ安止まらず
〇今週は特に目立った材料はなく、基本的に緩やかなトルコリラ安地合いを継続しやすい
〇バイデン大統領、エルドアン大統領との電話会談でスウェーデンNATO加盟への意向を伝える
〇エルドアン大統領は米F16戦闘機購入を希望、実現なら若干のトルコリラ買い材料になる可能性も
〇今週は5.30レベルをサポートに、5.55レベルをレジスタンスとする週と見る
先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「ややドル高・トルコリラ安に動く程度でドル円も145円が天井圏になりやすいでしょうから、トルコリラ円は若干の下げが妥当と考え、5.35レベルをサポートに、5.65レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.38レベル、高値が5.55レベルと、想定レンジよりも若干トルコリラ安となったものの比較的落ち着いた値動きの一週間となりました。
先週のトルコリラですが、トルコリラは対ドルではほぼ横ばいで動かず、ドル円が週前半は横ばい、後半は円高という動きに沿ってトルコリラ円も前半は横ばい、後半は下げという展開になりました。ドル円相場がトルコリラ円の動きを決めるという時期がありましたが、その時の動きに戻ったようにも見えます。
ちなみに先週は週初にトルコ国立銀行によるトルコリラを支えるためのトルコリラ買い介入が出ていたようですが、大規模介入を行う外貨準備も無いでしょうから、金額的には大した金額では無いと見られ、結果としてトルコリラ安は止まることは無かったとしか言えません。また発表されたCPIは若干落ち着いているように見えますが、まだ高すぎるという事実は変わらず、トルコ中銀会合議事録でも次回以降の利上げにも言及されていました。
それでも前回のCPIが前年比で38.2%ですから、35%水準まで利上げを実施しないとインフレは収まらないでしょうし、前回の利上げも市場の読みよりも小幅にとどまったことを考えるとエルドアン大統領がいる限り大胆な引き締めというのは難しいのかもしれません。次回以降のお手並み拝見となります。
今週は特に目立った材料はありませんので、基本的には緩やかなトルコリラ安地合いを継続しやすいと見てよいでしょう。今週はNATOサミットがあり、週末にエルドアン大統領がバイデン大統領と電話会談したようです。米国はスウェーデンのNATO加盟を、トルコは米国のF16戦闘機購入を望んでいることから、双方の希望がサミットで実現できるようであれば若干のトルコリラ買い材料になるかもしれません。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
3週前の急落以降も毎週少しずつ安値を切り下げている状況がわかります。また米国雇用統計以降にドル円が円高方向にシフトしてきたこともトルコリラ円の上値を抑えやすい状況と言えます。中期的には引き続きテクニカルなターゲット5.21を目指していますが、スピードを考えると今週よりも来週以降で今月中というイメージです。
いっぽうで上値は先々週、先週と5.55レベルの上値が重いため、同水準をレジスタンスと考えておけばよさそうです。今週はこれらの水準を参考にして、5.30レベルをサポートに、5.55レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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