ランド円レポート月曜版
〇先週のランド円、その前週と共に7.80が天井圏、同水準をトライする動きは見られず
〇デンマークとオランダによる水素エネルギーの協力、電力不足解消につながる好材料だが実現まだ先か
〇停電問題の緩和が国内経済好転につながるか、見極めが必要
〇米国雇用統計発表に向けた雇用関連の数字による米金利の動向がランドに大きく影響しそう
〇7.45レベルをサポートに、7.80レベルをレジスタンスとする週を見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「テクニカルな水準を参考に、今週は7.45レベルをサポートに、7.75レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.57レベル、高値が7.78レベルと、想定レンジよりも若干高値は上抜け安値は想定よりも高く、全体としてかなり狭い値幅での取引に終始した一週間となりました。
先週のランドですが、電力不足問題を解決するために中国からの支援を受けるというニュースに続いて、デンマークとオランダが南アフリカを訪問し水素エネルギーの協力を得られることになりました。6月後半は相次いで南アの電力不足解消につながる好材料が出たわけですが、ただこれらが実現するのはまだ先のことで現在の電力不足が‘すぐに解決するわけではありません。
しかし足元の電力不足も峠は超えた様子で最近では発電量自体が安定し、停電問題も改善していく見通しが示されています。こうした点でランド円は過去2週間ほど底堅い動きをしていたと言えますが、いっぽうで上値が重たいことも事実です。先週もその前の週も7.80円が天井圏となっていて、同水準をトライするという動きは見られません。ドル円が着実に円安に動いている中での横方向の動きは、それだけドルランドでランド安になっていることを意味します。
上述した電力問題も将来的な好材料ではあるが、足元では実際に停電問題が緩和するのかどうか、それによって国内経済が好転していくのかどうか、そのあたりを見ないと積極的には買いにくいということになりそうです。それでも円との比較では絶対的な金利差があり、ランドが底堅い動きは続きやすいと言えそうです。
今週はランドの材料よりも米国雇用統計に向けて週半ば以降に連日発表される雇用関連の数字で米金利がどのように動くのかの方がランドにとって影響は大きそうです。米金利上昇であればランド安、米金利低下であればランド高ということをベースに、ドル円の動きを日本の当局の牽制発言が強まるかどうかとともに見て行くこととなります。
テクニカルには、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
6月中旬以降はほぼ7.60〜7.80のレンジ内で高値もみあいを続けていますが、先週先々週と6.80水準でダブルトップの反転パターンを形成中にも見え、今後7.60を割り込んでくるようであれば、下げが強まる可能性があるチャートです。
また最近は電力問題改善のニュースを先取りしてランドが買われた面がありますし、ドル円だけでなくクロス円でも短期的には上値が重くなってきていることを考えると、ランド円も7.80が短期的に高値圏となる可能性が高いと見ています。また、下抜けした場合はチャート内に示されている38.2%押しの7.45が最初のターゲットです。
今週は下抜け予想を立て、この7.45レベルをサポートに、7.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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