南アランド週報:『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。米金利上昇とリスクオフがランドの重石に』(7/8朝)

南アフリカランドの対円相場は、6/19に記録した約5カ月半ぶり高値7.82円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約1カ月ぶり安値となる7.46円まで急落しました。

南アランド週報:『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。米金利上昇とリスクオフがランドの重石に』(7/8朝)

『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。米金利上昇とリスクオフがランドの重石に』

〇今週のランド円、南ア経済の回復期待に週前半7.76まで上昇
〇その後は米長期金利の上昇や、南ア株下落等に7.46まで下落、やや持ち直し7.54付近で越週
〇南ア円、主要テクニカルポイント下抜け、ネックライン割れも示現、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも南アランド円相場の下落を連想させる材料揃う
〇引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65

今週のレビュー(7/3−7/7)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初7.66円で寄り付いた後、(1)南ア6月Naamsa自動車販売(結果+14.0%、前回+10.1%、※前年比)の良好な結果や、(2)国営電力会社エスコムによる計画停電の規模縮小観測、(3)上記2を背景とした南ア経済の回復期待が支援材料となり、翌7/4にかけて、週間高値7.76円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米FOMC議事要旨のタカ派的な内容や、(5)米経済指標(米6月ADP雇用統計、米6月総合PMI、米6月ISM非製造業景況指数、米5月JOLTS求人件数など)の力強い結果、(6)ダラス連銀ローガン総裁による「さらなる利上げが必要」とのタカ派的な発言、(7)上記4、5、6を背景とした米長期金利の急上昇(米FRBによる金融引き締め長期観測→南アフリカから米国への資金流出圧力)、(8)南アフリカ株の大幅下落、(9)金・プラチナ価格の冴えない動き(交易条件悪化懸念)が重石となり、週末にかけて、週間安値7.46円(6/13以来、約1カ月ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/8午前2時20分現在)では、7.54円前後で推移しております。

来週の見通し(7/10−7/14)

南アフリカランドの対円相場は、6/19に記録した約5カ月半ぶり高値7.82円(本年1/12以来の高値圏)をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約1カ月ぶり安値となる7.46円まで急落しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、21日移動平均線、200日移動平均線)を下抜けしたことや、トリプルトップのネックライン割れが実現したこと、ダウ理論の短期下落トレンドが継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(今週発表された南ア6月製造業PMIは47.6と前月の49.2から一段と悪化→経済活動の拡大・縮小の分岐点となる50を5ヵ月連続で下回る結果)や、(2)対米関係の悪化懸念(南アフリカとロシアの急接近が対米関係悪化の引き金)、

(3)米FRBによる金融引き締め長期化観測(次回7/26FOMCでの25bp利上げ織り込み度合が92.4%へ急上昇→米長期金利上昇→南アフリカから米国への資金流出圧力)、(4)南ア中銀による金融引き締め打ち止め観測(先般発表された南アCPIは2022年4月以来の低水準→南ア中銀は7/20に予定されている会合で11会合ぶりに政策金利を据え置く見通し)、(5)金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの交易条件悪化懸念)、(6)中国経済の先行き不透明感(直近で発表された中国PMIが予想外に低下→中国経済の失速懸念→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカのネガティブ要因)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65

注:ポイント要約は編集部

『約1ヵ月ぶり安値圏へ続落。米金利上昇とリスクオフがランドの重石に』

南アランド円日足

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