ユーロ 先週同様、上下ともに動きは限られる(週報7月第1週)

先週のユーロドルは、1.10の大台を前に反落、その後は週末までじり安の展開となり1.0835レベルまで下げました。

ユーロ 先週同様、上下ともに動きは限られる(週報7月第1週)

先週同様、上下ともに動きは限られる

〇先週のユーロドル、週初は一時1.0977レベルの高値をつけるも1.10の大台を前に反落
〇週末までじり安展開で1.0835レベルまで下げ、月末実需のユーロ買いに買い戻され週末クローズ
〇今週は米国雇用統計に向けた思惑次第、数字により米金利が上下する動きでユーロドルも動くか
〇ドル円牽制発言も懸念材料、ユーロドルは1.10の大台手前は上値が重くなる流れを今週も繰り返し易い
〇今週は1.0825レベルをサポートに、1.0975レベルをレジスタンスとするレンジを見る

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、週初はユーロ買いの動きから一時1.0977レベルの高値をつけたものの1.10の大台を前に反落、その後は週末までじり安の展開となり1.0835レベルまで下げました。金曜NY市場ではドル売りの動きと月末実需のユーロ買いの動きが重なって買い戻されての週末クローズとなりました。

ユーロドルの動きを見ていると1.10の大台を前週のトライで失敗したことから先週は1.10大台手前で短期筋のユーロ売りオーダーが入っていたと考えられます。ポジション的にもシカゴの通貨先物ではユーロ買いがピークよりはだいぶ減少したものの相対的に買いに傾いていますし、ドル円における円安けん制発言がユーロ円の上値も抑え、結果としてユーロドルの上値が重くなったという面があります。月末実需はユーロ買いとなりましたが、振り返ると短期的な高値と安値を見て次の材料探しという流れになってきたと言えるでしょう。

今週はPMIは改定値のため大きな動きにはつながらないでしょうし、その他ではユーロ圏のPPIとECB関係者の講演程度ですからあまりインパクトはありません。やはり米国雇用統計に向けての事前の雇用関連の数字、そして米国雇用統計本番の特にNFP(非農業部門雇用者数)に向けての思惑ということになりそうです。こうした数字によって米金利が上下すれば、その動きでユーロドルに動きが出てくるというイメージです。

またドル円の牽制発言も現時点ではすぐに介入ということにはならないでしょうが、円安方向に動きが強まる中で、ほぼ毎日のように当局や政府関係者からけん制発言が出ていますので、更なる円安ではレートチェックの可能性もありそうだというのが当面の市場参加者の懸念材料でしょうか。その場合ユーロ円に下押し圧力が加わり、ユーロドルも下げやすくなるということで、どちらかというとユーロドルは1.10の大台手前では上値が重くなる流れを今週も繰り返しやすいと言えます。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。

先週同様、上下ともに動きは限られる

先週も見た通りですが、1.10の大台より上にはユーロ売りオーダーが残っているため上値は重たいチャートとなっています。いっぽうで下値は1.08台前半は下ヒゲでの動きとなっていることから同水準では買いもまたオーダーが残っていそうな動きと言えます。

現状ではどちらにも方向性が出てくる感じはありませんので、今週は1.0825レベルをサポートに、1.0975レベルをレジスタンスとするレンジを見ておくこととします。

今週のコラム

今週はユーロ円のチャートを見て近いところでのターゲットを見ておきましょう。

先週同様、上下ともに動きは限られる 2枚目の画像

現状のユーロ円はピンクの平行上昇チャンネルの中での動きとなっていますが、3月安値を起点とした上昇N波動を考えると100%エクスパンションが158.91となっていて158円台後半がターゲットとなっていることがわかります。

ドル円での円安けん制発言でユーロ円の上値も重くなっていますが、ドル円と異なりユーロ円での牽制発言が出てくることは余程のことが無ければありえませんので、そういう点ではドル円よりも上値追いをしやすい状況にあると言えます。ドル円の水準に関係なくユーロ円は一度同水準を試す可能性が高いと言えるでしょう。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

7月3日(月)
16:50 フランス6月製造業PMI
16:55 ドイツ6月製造業PMI
17:00 ユーロ圏6月製造業PMI
17:30 英国6月製造業PMI

7月4日(火)
**:** 米国市場休場
15:00 ドイツ5月貿易収支

7月5日(水)
15:45 フランス5月鉱工業生産
16:50 フランス6月サービス業PMI
16:55 ドイツ6月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏6月サービス業PMI
17:30 英国6月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏5月PPI ☆
20:00 フランス中銀総裁講演 ☆
27:00 FOMC議事録公表 ☆

7月6日(木)
15:00 ドイツ5月製造業新規受注
17:30 英国6月建設業PMI
18:00 ユーロ圏5月小売売上高

7月7日(金)
15:00 ドイツ5月鉱工業生産
15:45 フランス5月貿易収支
18:00 デギンドスECB副総裁講演 ☆
21:30 米国6月雇用統計 ☆
25:45 ラガルドECB総裁講演 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時―NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

6月26日(月)
週明けのユーロドルは終日鈍い動きが続き、値幅もわずか33pipsに留まりました。

6月27日(火)
ユーロドルはユーロ円の買いもあって東京市場から底堅い動きとなっていたところに、欧州市場に入りECB関係者のタカ派発言を受けて買いが広がり、一時1.0977レベルの高値をつけました。引けにかけては高値もみあいのまま1日を終えました。

6月28日(水)
ユーロドルは上値が重いドル高地合いが続き、ECBフォーラムではラガルド総裁がタカ派な発言をしたものの実需のユーロ売りに相殺され1.09台割れを試した後、やや戻して引けました。

6月29日(木)
ユーロドルは東京前場は前日の流れを受けて売りが先行していましたが、ドイツCPI発表を控えた思惑買いも入りNY市場まではじり高、CPI発表直後に1.0941レベルの高値をつけました。しかし、その後の米金利上昇によるドル買いから一転売りに転じ1.0860レベルの安値をつけ、そのまま安値圏での引けとなりました。

6月30日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず欧州市場序盤に売りが先行し1.0835レベルの週間安値をつけたものの下げきれず。NY市場では米金利低下によるドル売りと月末実需のユーロ買いが加わって1.0932レベルまで上昇、引けにかけては若干押して引けました。

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