ドル基調強いが、上値重い状況も変わらず(7/3夕)

週明け3日の東京市場はドルが小じっかり。144.80円近くまで値を上げる局面も観測されたが、先週末に示現した年初来高値にはとどかなかった。

ドル基調強いが、上値重い状況も変わらず(7/3夕)

ドル基調強いが、上値重い状況も変わらず

〇東京市場ドル円、144円半ばを挟む往来相場で終盤にかけドルが買い進められ144.75-80まで上昇
〇昨年高値151.94起点の大きな下落に対するフィボナッチ76.4%戻しは146.10レベル
〇上値は引き続き重いものの中期的なドルの上値余地は大きい
〇北米タイムはカナダが休場、米国も明日の独立記念日休場を前に米株市場等が短縮取引
〇ドル高円安方向、先週末高値145.07が最初の抵抗で上抜けると145.40レベルが次のターゲット
〇ドル安円高方向は本日東京安値などを含めた144円前半が強いサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.10-145.20

<< 東京市場の動き >>

週明け3日の東京市場はドルが小じっかり。144.80円近くまで値を上げる局面も観測されたが、先週末に示現した年初来高値にはとどかなかった。

先週末1日、改正された中国の「反スパイ法」ともいえる法律が施行されたことが様々話題に。一方、ウクライナにおいては、ロシア軍が占拠するザポロジエ原発をめぐる懸念が取り沙汰され一部で思惑を呼んでいた。
そうした状況下、ドル/円は144.30-35円で寄り付くなか、ややドル買いが優勢。とは言え、日本通貨当局の円買い介入警戒などもありワンウェイでのドル高・円安進行とはならず。144円半ば挟みの往来相場の様相をたどるも、終盤に掛けてはドルが積極的に買い進められていた。144.75-80円まで上昇し、16時現在ではそのままドル高値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、法律関係で2つの事象が観測され、それぞれ思惑を呼ぶ。ひとつは先にも記した改正「反スパイ法」ともいえる法律の施行。米当局から、「中国で活動する米国や他の外国企業による通常のビジネス活動が中国当局から罰則を受ける可能性がある」との警告が発せられたほか、日本においても自民党の青山参院議員から「中国に在留する日本人の安全が一層脅かされる」との懸念が聞かれていたようだ。また、それとともに中国では、主権や安全を守るために報復措置をとる権限などが明記された外交政策の基本原則を定める「対外関係法」も同時に施行されている。こちらにも懸念を抱く先は少なくない。

対して後者は、ロシア軍が占拠する南部のザポロジエ原発から、「ロシア国営原子力企業ロスアトムの職員が退避を始めた」などといった複数報道が観測されたうえ、ウクライナ人従業員も5日までにクリミア半島へ退避するよう勧告されたとの別の報道もあったようだ。退避の理由は定かではないが、「ロシアが同原発でテロを準備している」との見方のほか、ゼレンスキー大統領は「ロシアが原発に地雷を敷設しており、放射性物質放出をともなう災害を引き起こそうと計画している」と強く主張していたことが明らかになっている。ちなみに、後者については「IAEAが徹底的に調査する必要がある」と訴えており、真偽を含め続報にも要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末に一時145円台を示現。そして4日連続の年初来高値更新となった。そんなドル高・円安基調そのものは依然として続いている。前述した先週末高値145.07円を上抜けた場合の次のターゲットは、高値151.94円を起点とした大きな下落に対するフィボナッチ76.4%戻しの146.10円レベル。一本調子で到達するとは思われないものの、中期的なドルの上値余地はまだまだ大きそうだ。
引き続き日米欧の金融政策に関心を寄せる向きが多いなか、今週は週末の雇用統計を中心に重要な米経済指標が相次ぎ発表される。実際、本日もISM製造業景況指数の発表が予定されており、その内容には要注意だ。ただ悪い内容であればドル売りで反応しやすいだけでなく、良い数字であっても日本当局の円買い介入警戒からドルの上値は限られるとの見方もあるようだ。いずれにしても、ドルの上値が重い状況に変化はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週末に145円台を示現後144.20円まで一時値を崩すも、週をまたいだ本日東京で144.80円近くまでVの字型の回復をたどっている。ドルの基調はやはり強いと言ってよい。上値は引き続き重そうだが、それでも145.07円を超えれば、146円台を目指す展開が見込まれている。
それに対してドルのサポートは、前記した144.20円を含めた144円前半。時間足で見た場合、直近に何度か下げ止まっており、かなり底堅いイメージだ。

本日は米経済指標として、6月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される予定だ。週明けから重要な米指標が発表される予定で、その内容如何では荒っぽい変動をたどる可能性もある。とくに北米タイムは、カナダが休場となるうえ、米国も明日の独立記念日休場を前に米株市場などが短縮取引になることも頭にとどめておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.10-145.20円。ドル高・円安方向は先週末高値145.07円が最初の抵抗。上抜けると145.40円レベルが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値などを含めた144円前半はなかなか強いサポートか。ただ仮に下回っても、実弾介入でないのなら下値は限られそう。

ドル基調強いが、上値重い状況も変わらず

ドル円日足

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