トルコリラ円レポート月曜版(23/6/26)

実際のレンジは、安値が5.45レベル、高値が6.02レベルと、想定レンジよりもかなりトルコリラ安に振れた一週間となりました。

トルコリラ円レポート月曜版(23/6/26)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコ円、安値5.45レベル、高値6.02レベルと、想定レンジよりもかなりトルコリラ安に振れる
〇政策金利8.5%から15.0%への引き上げが、20.0%を期待していた多数派を裏切る結果でトルコリラ急落
〇週末にはドルトルコリラが25.745、トルコリラ円が5.45とそれぞれ史上最安値を更新
〇介入資金も多く無く、トルコ経済の回復に時間がかかるであろうことからトルコリラ安の流れが継続
〇テクニカルに中期的には5円を目指しながら、短期的には5.21水準がターゲット
〇今週は5.25レベルをサポートに、5.85レベルをレジスタンスとする週と見る

先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「引き締めへの転換というサプライズが無い前提で、5.70レベルをサポートに、6.20レベルをレジスタンスとする週を考えておきますが、もし引き締めへの転換がある場合にはレジスタンスは6.55水準」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.45レベル、高値が6.02レベルと、想定レンジよりもかなりトルコリラ安に振れた一週間となりました。

先週のトルコリラですが、新たなトルコ中銀総裁は大幅な利上げに動くというのが大方の見方で、幅はあったものの20%程度の政策金利にするとの見方がコンセンサスでした。ただエルドアン大統領は中銀の方針転換に理解を示す発言をするいっぽうで緩和支持の発言もしていたことから、結局は利上げをさせないのではないかと、コンセンサスの裏をかく見方をしていたのですが、結果は利上げが実施されました。

政策金利は8.5%から15.0%へと6.5%の引き上げとなりましたが、20.0%を期待していた多数派から見ると利上げ幅が少ないとの見方となり、結局は利上げを行わなかった以上に悪い結果になってしまったように思えます。15.0%の発表があった直後からトルコリラは急落、週末にはドルトルコリラが25.745、トルコリラ円が5.45とそれぞれ史上最安値を更新です。

おそらく中途半端な利上げに留まったのは、エルドアン大統領の発言の影響もあったのでしょうが、エルドアン大統領は利上げして更なるトルコリラ急落を招くとはと、内心穏やかではないでしょうし、今回の中銀総裁も長く無いかもしれません。もともとは立て続けに中銀総裁を更迭し、高いインフレ率にも関わらず金融緩和に動かした大統領自身に責任があるのですが、次の一手が再利上げに動けるのか、あるいは何もできなくなるのか、ますます難しい選択を迫られることになったと思います。

トルコリラは対ドルで既にゴールドマンが示した見通しのかなりの部分を達成してきたこととなりますが、介入資金もそれほど多くは無いことや、トルコ経済が回復するのはまだ時間がかかるであろうことを考えると、当面はトルコリラ安に動く流れが継続すると考えざるを得ないでしょう。

テクニカルには未知の領域に入って来ていますので、今後のターゲットとしては大台5円ということになるかと思います。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

下の赤い太い水平線が5円の大台です。また逆N波動によるフィボナッチ・エクスパンションを引いてありますが、これで行くと61.8%エクスパンションが5.21、78.6%(61.8%の平方根)エクスパンションが4.99と5円の大台と重なります。中期的には5円を目指しながら短期的には5.21水準がターゲットと見てよさそうです。

上値は利上げ直後の戻り高値が5.83レベルでしたから、それぞれを参考にして、今週は5.25レベルをサポートに、5.85レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

注:ポイント要約は編集部

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