トルコリラ円見通し 1ドル26リラ台へ突入、トルコリラ円も最安値を更新(23/6/27)

トルコリラ円の6月26日は5.69円から5.49円の取引レンジ、27日早朝の終値は5.54円で先週末終値5.67円から0.13円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 1ドル26リラ台へ突入、トルコリラ円も最安値を更新(23/6/27)

トルコリラ円見通し 1ドル26リラ台へ突入、トルコリラ円も最安値を更新

○トルコ円、6/26は5.49まで下げてから一旦戻すもドル高リラ安に圧迫され、終値ベースで最安値更新
〇6/27午前序盤には5.47へ下げ、取引時間中の最安値も更新
○対ドル、6/26は概ね26.05から24.90の取引レンジ、1ドル26リラ台へ突入
○6/27午前序盤も26.08から25.78のレンジで推移しており、取引時間中の史上最安値更新も継続
○トルコ中銀の規制の一部撤廃を開始、市場介入せずの姿勢でリラ売り放置の印象
○5.62を超える場合は、5.65前後への上昇とその後の反落警戒とする
○5.45割れからは、5.40、5.35を順次試す可能性があるとみる

【概況】

トルコリラ円の6月26日は5.69円から5.49円の取引レンジ、27日早朝の終値は5.54円で先週末終値5.67円から0.13円の円高リラ安だった。
エルドアン大統領再選からのリラ暴落がやや落ち着く中、6月22日にトルコ中銀が政策金利を従来の8.50%から15.00%へ大幅に引き上げたものの市場の事前予想だった21%を大幅に下回ったことによる失望で5.74円へ急落し、23日夕刻には5.49円(ベンダーによっては5.44円等)へ一段安となった。
週明けの26日は5.49円まで再び下げたところでいったん戻したもののドル高リラ安の続行に圧迫されて終値ベースで史上最安値を更新し、27日午前序盤には5.47円へと取引時間中の最安値も更新している。
ドル円が144円手前へ上昇したところで神田財務官や鈴木財務相等の円安けん制発言で一時143円を割り込むところまで下げるなどして上値が重くなっているため、トルコリラ円には円安による支えも効かずに安値試しを続けやすい状況にあり、最安値の落ち着きどころもまだ暗中模索といえそうだ。

【1ドル26リラ台へ突入】

ドル/トルコリラの6月26日は概ね26.05リラから24.90リラの取引レンジ、27日早朝の終値は25.91リラで先週末終値の25.23リラからは0.68リラのドル高リラ安となった。
エルドアン大統領再選によるリラ暴落がやや落ち着き6月22日にトルコ中銀による大幅利上げ期待で膠着状態となっていたが、中銀の利上げが予想を大幅に下回ったことで失望売りとなり6月22日に24.90リラへ史上最安値を大幅に切り下げ、23日夜には25.74リラへの最安値更新を続けた。
27日午前序盤も26.08リラから25.78リラのレンジで推移しており、ベンダーによっては26.25リラの安値提示も見られ、取引時間中の史上最安値更新が続いている。

【トルコ中銀の規制緩和、市場介入せずの姿勢でリラ売り放置の印象】

トルコ中銀はハフィゼ・ガイ・エルカン氏が新総裁に就任し、6月22日に8.50%から15.00%へと政策金利を大幅に引き上げたが、市場の事前予想が20%から21%の水準とされていたために予想を大幅に下回る利上げにとどまったとしてかえって失望売りを誘った。
トルコ中銀は6月25日に、2021年から適用の続いてきた数十の規制の一部撤廃を開始した。リラ防衛のための措置だったものが解除され始めたことになるが、トルコ中銀の高官の話では「先週の政策金利決定以来、外貨を売却して外国為替相場に介入することはしていない」、「為替レートは完全に自由市場によって決められる。外貨準備高を使うことはなく、外貨準備高を積み上げる期間が始まった」と述べており、前総裁時代の外貨準備を取り崩して非公式な市場介入を繰り返してきた姿勢から脱却している。
本来なら中銀の政策姿勢が正常化されるよいプロセスとなるが、リラ暴落の最中であり、市場としては中銀が積極的にリラ防衛に動かないなら、大胆な追加利上げを催促するものとしてリラ売り攻勢を続けることになるのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月20日午前と22日未明の両高値によるダブルトップからの弱気サイクル入りとして23日午後から27日夕にかけての間への下落を想定していたが、6月23日夕刻へ大幅下落してからいったん戻したため、26日午前時時点では23日夕安値で直近のサイクルボトムを付けたとし、底割れ回避のうちは26日深夜から29日未明にかけての間への上昇余地ありとし、5.60円割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
6月26日に23日夕安値と同値へ下げ、27日午前序盤には底割れしているので、現状は6月23日深夜高値で戻り一巡となり新たな弱気サイクル入りしているとみて28日午後から30日夕にかけての間への下落を想定する。強気転換には材料を伴って5.70円に迫る反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では遅行スパンの悪化と先行スパンからの転落が続いているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンからの転落中は遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とし、強気転換には先行スパンへ潜り込むような反騰が必要と考える。

60分足の相対力指数は6月23日夕安値時に20ポイントを割り込んでから50ポイントに迫り、その後の指数のボトムは切り上がりで推移しているので強気逆行の気配となっているが、50ポイント超えから続伸へ進めないうちは暴落商状を反映してのボトムの切り上がりとみてまだ一段安しやすい状況にあると思われる。強気転換には50ポイント超えから60ポイントへ迫り、その後も50ポイント台を概ね維持するような反騰が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.45円を下値支持線、5.62円を上値抵抗線とする。
(2)5.57円から5.62円手前にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみる。5.62円を超える場合は5.65円前後への上昇とその後の反落警戒とする。
(3)5.45円割れからは5.40円、5.35円を順次試す可能性があるとみる。直前安値から0.05円を超える反騰の場合はリバウンド入りの可能性に注意するが、その後に戻り幅の半値を削るところからは下げ再開とし、しばらくは安値模索が続くとみる。

【当面の主な予定】

6月28日から30日までは犠牲祭でトルコ市場は休場
7月03日
 16:00 6月 イスタンブール製造業PMI (5月 51.5)
 16:00 6月 消費者物価指数 前月比 (5月 0.04%、予想 4.84% 予想レンジ 2.50〜5.00%)
 16:00 6月 消費者物価指数 前年同月比 (5月 39.59%、予想 39.47%、予想レンジ 36.3〜40.30%)
 16:00 6月 生産者物価指数 前月比 (5月 0.65%)
 16:00 6月 生産者物価指数 前年同月比 (5月 40.76%)
7月06日
 20:30 週次 外貨準備高 6/23時点 グロス (6/16時点 607.8億ドル) 
 20:30 週次 外貨準備高 6/23時点 ネット (6/16時点 4.7億ドル) 
7月07日
 23:00 6月 財務省現金残 (5月 1698.2億リラ)
7月10日
 16:00 5月 失業率 (4月 10.2%)
7月11日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -54.04億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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