東京市場のドルはけん制発言で143円台半ばで推移、介入実施は来月7月末か?(23/6/26)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、神田財務官による円安けん制発言を受けて、143円台前半まで押し戻された。

東京市場のドルはけん制発言で143円台半ばで推移、介入実施は来月7月末か?(23/6/26)

東京市場のドルはけん制発言で143円台半ばで推移、介入実施は来月7月末か?

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、神田財務官による円安けん制発言を受けて、143円台前半まで押し戻された。

先週末の海外時間では、米2年債利回りなどの拡大が一服したこともあり、ドルは一時142円70銭まで売られる場面も見られたが、東京時間の安値(142円81銭)とほぼ同じ水準からの一段安は回避。主要通貨に対する円全面安の地合いは継続だったことから、ドルは144円台乗せをうかがう水準まで切り返した。

東京時間では、急落スタートの日経平均が切り返したことから、「日本株高・円売り」の地合いが強まるかと思われたが、神田財務官が記者団に対して「外国為替市場での円安進行について、足元は急速で一方的だとみられる」とした上で「行き過ぎた動きには適切に対応したい」と述べた。この発言が伝わった後、介入警戒が意識されて円安基調は一服。ドルは143円台半ばでのもみ合いとなった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円47銭
高値:143円66銭
安値:143円24銭
終値:143円36銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円47銭
高値:156円73銭
安値:156円19銭
終値:156円44銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円86銭
高値:96円09銭
安値:95円60銭
終値:95円77銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円54銭
高値:183円00銭
安値:182円35銭
終値:182円55銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32647円08銭
高値:32884円73銭
安値:32392円72銭
終値:32698円81銭

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、独Ifo景況感指数、前回:91.7、市場予想:90.7
17時15分、英、ディングラ英中銀委員が講演
17時40分、ス、ジョルダン・スイス中銀総裁が討論会に参加
26時30分、欧、ラガルドECB総裁がフォーラム開会で挨拶

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新する強い地合いが見られる。

日足の一目均衡表では、雲上限(136円06銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから引き続き需給面は良好である。

神田財務官によるけん制発言は、5月30日、財務省と金融庁、日本銀行による三者会合開催後、「過度な変動は好ましくない」からスタートしている。2022年9月22日に政府・日銀が円買い・ドル買い介入を行うまで、昨年は6月10日と9月8日の2回、三者会合を行っている(今年5月を含めると3回実施)。6月10日開催時は、5月末から10日ほどで7円円安・ドル高に振れた結果、三者会合を実施した。9月は、8月2日の130円40銭を起点とすると14円60銭(9月7日高値145円00銭)も円安・ドル高が進行。その後、8日の三者会合を経て、9月22日に24年ぶりの円買い・ドル売り介入を実施した。その後も、円安・ドル高の流れは止まらず、10月21日と24日にも総額6兆円規模の円買い・ドル売り介入を実行した。

政府・日銀は官僚の体質から、これまでの経緯等を慎重に検討し実行に移るだろう。その際、ベンチマークとなるのは昨年の流れだ。市場にインパクトを与えたいのであれば、昨年の流れとは異なる「三者会合1回での介入実施」や「前回実施した145円より手前での介入実施」などサプライズが必要だ。一方、岸田文雄首相は、戦後の外務大臣通算記録で吉田茂氏(1909日)に次ぐ1687日を誇る自他ともに認める外交マンである。介入を実施するには、米国への根回しをしっかり行う必要があるものの、5月の広島サミットではそのような時間は無かっただろう。となれば、市場にサプライズは与えたいが、米国の根回し完了までは動けない、と見ておいた方がいい。

根回し完了にどれだけの期間を要するかはまるで不明だが、昨年実施までに3か月を要したことから、5月30日を起点に約2か月だとそれなりのサプライズか。当然のごとく、為替水準が第一ではあるが、7月末辺りの介入実施を睨んでおきたい。三者会合実施後に即円買い・ドル売り介入を行う可能性はあることから、政府要人の為替に関する発言はこれまで以上に要注意となろう。

今晩のドルは、引き続き円安を背景にしっかりだが、目立った経済指標の発表などが予定されていないことから上値は重くなろう。本日の上値メドは、年初来高値水準の143円90銭、下値メドは先週末の安値水準でもある142円70銭とする。

東京市場のドルはけん制発言で143円台半ばで推移、介入実施は来月7月末か?

ドル円日足

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