ドル高継続も、円買い介入警戒が上値を抑制 (6/26夕)

週明け26日の東京市場はドルが強保ち合い。上値も重いが143円台で底堅い値動きをたどっている。

ドル高継続も、円買い介入警戒が上値を抑制 (6/26夕)

ドル高継続も、円買い介入警戒が上値を抑制

〇本日のドル円、基本はレンジ取引、143.25-75円のドル高値圏での往来相場で次の動意待ち
〇神田財務官からの口先介入の効果は限定的、16時時点で143.45-50で推移して欧米市場を迎える
〇テクニカルに見た場合、リスクは引き続きドル高方向だが、日本通貨当局の介入警戒が上値を阻みそう
〇本日はダラス連銀製造業活動指数発表、欧州を中心とした要人・中銀関係者の講演に注目
〇ドル高・円安方向は東京高値の143.70-75が最初の抵抗、抜ければ先週末高値143.87を目指す
〇ドル安・円高方向は先週末安値の142.67の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

週明け26日の東京市場はドルが強保ち合い。上値も重いが143円台で底堅い値動きをたどっている。

先週末は、ロシアで「ワグネルの反乱」とでも言うべき動きが観測され、関連ニュース一色だった。一方、別途ロイターが「バイデン米大統領は28日にシカゴで主要な経済政策『バイデノミクス』に関して演説する予定」と報じ話題を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は143.60円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。上下とも攻め切れず、143.25-75円といったドル高値圏での往来相場で、次の動意待ちといった様相だった。途中、神田財務官から「足もとの動きは急速で一方的」などという口先介入も聞かれたが、効果は限定的なものにとどまっている。16時現在では143.45-50円で推移し、欧米市場を迎えた。

一方、材料的に注視されていたものは「ワグネルの反乱」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が、通信アプリ「テレグラム」を使い、「ワグネルの部隊がウクライナから国境を越え、ロシア南部ロストフに入った」と表明したことが大いに注目を集める。そののち、国営テレビでプーチン大統領が「裏切りと反逆に直面している」と批判するなど、情勢は一時かなり緊迫したムードに。しかし、ベラルーシ大統領の仲介もあり、結局ワグネル側が提案を受け入れ軍を引くという決断で矛を収め、取り敢えずの終戦となった。ただ、一連の動きを受けロシア国内情勢が引き続き不安定になっているうえ、プリゴジン氏の消息が不明になっているとの報道も聞かれるなど、依然として状況は混とんとしているようだ。

対して後者は、朝鮮中央通信が報じた幾つかの北朝鮮情勢が一部で話題に。同国外務省が「朝鮮半島での米国の挑発の水位が高まる場合、北朝鮮に対応する行動の規模と範囲も圧倒的かつ攻撃的に拡大する」、「ブリンケン米国務長官が先の訪中の際、中国が北朝鮮に圧力をかけないなら軍事的行動に出ると脅迫した」−−などと声高に非難したうえ、米国が「『第2の朝鮮戦争』を挑発するならば、米国の終末を招くだろう」とする威嚇報道も別に観測されていた。なお、本日は北朝鮮の首都平壌で、朝鮮戦争開戦73周年に合わせた大規模集会が開かれ、約12万人の参加者が米国への「復讐戦争」を誓うスローガンを叫んだと伝えられている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日のドル高値更新で、先週末には143.87円まで一時上昇したものの、その後はやや冴えない。基本的なリスクは引き続きドル高・円安方向にバイアスがかかるものの、短期的には調整の動きが先行する可能性もある。実際先週は、短期的な高値を更新したのち1円程度の下押しを経てドル再上昇という動きもあった。それからすると、目先は143円割れ程度まで、小幅な調整が入る可能性もある。
日米欧を中心に、市場では中国やトルコなどの金融政策も注目を集めている。関連事象で驚いたのは先週末の欧州市場。まさかユーロ圏PMIの低下が材料視され、ユーロが一時急落するとは思ってもみなかった。過去にもあまり例のないことでないだろうか。いずれにしても、本日具体的に決まっている政策金利の発表先はないものの、発表される米国だけでなく欧州経済指標などをめぐり市場が荒っぽい変動をたどる展開にも要注意だ。

テクニカルに見た場合、先週のドル/円は連日の高値更新。リスクは引き続きドル高方向にバイアスがかかり、大局的には145円方向に向けた値動きが予想されている。しかし、日本の通貨当局の介入警戒などがドルの上値を阻み、頭の重い展開は継続するだろう。ドル高が進むにしても牛歩であり、逆に言えばだからこそドル高には過熱感が生じにくく、いつまで経ってもトップをつけられないだろう。下がったところは買い場、などといった強気派もいる。

本日は米経済指標として、6月のダラス連銀製造業活動指数などが発表されるほか、欧州を中心とした要人・中銀関係者による講演なども予定されている。ユーロ/円やポンド/円が連日高値を更新するような展開をたどっているだけに、欧州通貨の動きと絡めて注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.50-143.70円。ドル高・円安方向は東京高値の143.70-75円が最初の抵抗。抜ければ先週末高値143.87円を目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく先週末安値の142.67円の攻防にまずは注目。ただ下回っても基本は底堅く、それまでの抵抗だった142.30-50円では下げ止まるイメージだ。

ドル高継続も、円買い介入警戒が上値を抑制

ドル円日足


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