ドル円、神田財務官および松野官房長官による円安牽制発言を受けて反落に転じるも下値は堅い(6/27朝)

週明け26日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、神田財務官および松野官房長官による円安牽制発言を受けて反落に転じるも下値は堅い(6/27朝)

ドル円、神田財務官、松野官房長官の円安牽制発言を受けて反落に転じるも下値は堅い

○ドル円、アジア時間朝143.72まで上値伸ばすも財務官・官房長官の円安牽制発言に142.94まで反落
○売り一巡後は下げ渋り、口先介入に留まった失望感などから143.50前後まで持ち直す
○ユーロドル、株式市場の冴えない動き等に1.0887まで下落後1.0920まで反発
○ドル円、テクニカル的に見て極めて強い地合、目先は心理的節目145.00などがターゲットに
○ファンダメンタルズも日本とその他各国との金利差拡大等ドル円相場続伸を連想させる材料揃う
○ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:142.75ー144.25

海外時間のレビュー

週明け26日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値143.72まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)前週末金曜日高値143.93を背にした戻り売り圧力、(3)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(4)神田財務官による「為替、行き過ぎた動きには適切に対処したい」「為替、足もとは急速で一方的」との円安牽制発言、(5)松野官房長官による「行き過ぎた動きに対しては適切に対応」「足もとでは急速で一方的な動きも見られる」「為替相場の動向を高い緊張感を持って注視する」との円安牽制発言が重石となり、欧州勢参入後に安値142.94まで反落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)口先介入に留まったことに対する失望感(実弾介入は当面出ないとの市場の解釈)や、(7)米主要株価指数の底堅い動き、(8)米長期金利の低下幅縮小が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間6/27午前5時00分現在)では、143.50前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け26日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)株式市場の冴えない動き(リスク回避ムード)や、(2)ドイツ6月IFO企業景況感指数(結果88.5、予想90.6)の市場予想を下回る結果、(3)IFO経済研究所による「ドイツ経済が第2四半期に再び縮小する可能性が高まっている」とのネガティブ発言が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0887まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(5)ECBフォーラムを控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0920まで反発しました。その後は、(6)米長期金利の低下幅縮小や、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/27午前5時00分現在)では、1.0905前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は3/24に記録した安値129.65をボトムに反発に転じると、前週末金曜日に約7カ月半ぶり高値となる143.93まで急伸しました(昨日は一時142.94まで反落する場面も見られましたが、米国勢参入後に143円台半ばへ持ち直すなど下値は堅い)。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、昨年10/21高値151.95と本年1/16安値127.22を起点としたフィボナッチ61.8%戻し142.50の上抜けに成功したこと、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、週足ベースでも強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て地合いは極めて強い(短期的にも中長期的にもアップサイドリスクに要警戒)と判断できます。目先は心理的節目145.00や、昨年11/8高値146.96がターゲットとなりそうです。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(パウエルFRB議長は先週、タカ派的なスタンスを強調→年内2回の利上げ観測再浮上+早期利下げ観測大幅後退)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は先週、ハト派的なスタンスを強調)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差の更なる拡大→円キャリートレードの活発化)、(4)日本とその他各国との金利差拡大(先々週から先週にかけて、オーストラリア中銀、カナダ中銀、欧州中銀、スイス中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、英中銀が利上げを実施→日本とその他各国との金利差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています(本邦当局による口先介入効果は徐々に弱まってくる見通し)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米5月耐久財受注速報値(21:30)や、米4月FHFA住宅価格指数(22:00)、米4月S&Pケースシラー住宅価格指数(22:00)、米5月新築住宅販売件数(23:00)、米6月コンファレンスボード消費者信頼感指数(23:00)、米6月リッチモンド連銀製造業指数(23:00)など、一連の米国経済指標に注目が集まります。

本日の予想レンジ:142.75ー144.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、神田財務官、松野官房長官の円安牽制発言を受けて反落に転じるも下値は堅い

ドル円日足

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