トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコ円、円安進行するも米金利上昇から対ドルもドル高に動き、トルコ円は横方向のもみあいに
〇大統領選決選投票、エルドアン勝利、予想通りの結果に週明け早朝相場に波乱なし
〇トルコリラは経済指標に関係なく着実に弱くなっている動きを今後も続けていくと見られる
〇FOMCに向け対ドルの史上最安値更新がどこまで続くのかに注目
〇既に20の大台に乗せ、21、22と想定より速いペースでのトルコリラ安進行も考えられる
〇今週は6.65レベルをサポートに、7.00レベルをレジスタンスとする週と見る
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「エルドアン大統領再選を前提に以前のレンジに若干の下方向の動きを加味し、6.65レベルをサポートに、7.00レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.64レベル、高値が7.01レベルと、ほぼ想定通りのレンジに収まった一週間でした。
先週のトルコリラは、週末の大統領選決選投票を控えての週ではあったものの、既に4.6%以上の得票率差があったことから、よほどのことが無い限りエルドアン大統領再選が見込まれていました。またドル円同様に米金利上昇からドルトルコリラもドル高に動いたことからトルコリラ円は横方向のもみあいになりましたが、ドル円での円安と同程度のトルコリラ安というだけでも十分に弱いという印象だったと言えます。
そして昨日28日の決選投票は即日開票が行われ、開票率99.9%時点でエルドアン大統領52.2%、クルチダルオール氏が47.8%と当初の選挙よりは差は若干縮まったものの4.4%とほぼ同程度の得票率の差があり、結局は変えることは出来なかったということになります。エルドアン大統領は大地震での対応の遅れや近年の異常なインフレといったところでは支持率を落としていましたが、それまでの実績を評価する声も多く、現職強しといった結果になりました。
しかしクルチダルオール氏は敗北を認めずAKPが選挙で不正をした結果だと言っていますが、結果が変わることは無いでしょう。野党統一候補もエルドアン大統領よりも年が上で、しかも知名度もいまひとつという候補ではなくもっと他にいなかったのかと思うのですが、米国でも大統領選はお年寄りの選挙戦といった感じでしたし、政党間、政党内のポリティクスが優先された結果、負けたとしか言えないと思います。
今週はイベントも終わりましたが、事前予想通りだったこともあり、週明けの早朝相場は落ち着いたものです。トルコ関連の経済指標の発表もありますが、今のトルコリラはそうした材料には関係なくトルコリラは着実に弱くなっているというこれまでの動きを今後も続けていくでしょうし、6月FOMCまでは米金利の動きでドル円に動きが出てくれば、以前のドル円とのパラレル相場に戻りやすいと言えるでしょう。
一点ドルトルコリラで気になることとして、ここ2週間ほど対ドルでのトルコリラ安の動きが以前よりもやや安くなるスピードが速くなっているという点です。先週のドル円との比較(ほぼ同速度でのトルコリラ安)を考えると、FOMCに向けてどこまでトルコリラの史上最安値更新を続けていくのか、既に20の大台乗せとなっていますので、ここからは21、22と思いのほか速いペースでのトルコリラ安進行があるのではないかというところです。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
今週も基本は2本の平行線の間での動きが予想されますので、先週同様に6.65レベルをサポートに、7.00レベルをレジスタンスとする週を考えておきます。
注:ポイント要約は編集部
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