ドル円、米債務上限基本合意で直近高値更新するも、英米市場休場に伴うポジション調整で反落(5/30朝)

週明け29日(月)のドル円相場は上昇後に反落。

ドル円、米債務上限基本合意で直近高値更新するも、英米市場休場に伴うポジション調整で反落(5/30朝)

米債務上限基本合意で直近高値更新するも、英米市場休場に伴うポジション調整で反落

〇ドル円、米債務上限問題の基本合意からのリスク選好ムードからアジア時間に140.92まで上昇
〇買い一巡後は利食い、実需の売りに圧され、米英祝日も重石となり一時140.12まで反落
〇ユーロドル、欧州経済先行き不透明感と欧州株軟調に1.07台前半での冴えない動き
〇ドル円、英米市場休場に伴うポジション調整をきっかけに一時140円台前半まで反落するも地合い強い
〇ファンダメンタルズも、次回FOMCでの25bpの追加利上げの確率が58.4%へ急上昇、ドル円をサポート
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:139.75ー141.50

※明日5/31のドル円日報は執筆者の都合により休載とさせていただきます。次号は6/1を予定しております。

海外時間のレビュー

週明け29日(月)のドル円相場は上昇後に反落。(1)米債務上限問題を巡ってバイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長が上限引き上げで基本合意したことや、(2)上記1を背景とした世界的なリスク選好ムード、(3)直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値140.92(昨年11/23以来、約半年ぶり高値圏)まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(5)本邦輸出企業の実需のドル売り、(6)英米市場休場に伴うポジション調整(英国がスプリングバンクホリデー、米国がメモリアルデーで共に祝日)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値140.12まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5/30午前2時30分現在)では、140.33前後で推移しております。尚、週末に開催されたトルコ大統領選挙の決選投票は、現職のエルドアン大統領勝利で終結したため、市場では失望感からトルコリラ売りが広がっております。

週明け29日(月)のユーロドル相場は続落。アジア時間午後にかけて、高値1.0743まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米債務上限問題の基本合意に対する安堵感(ドル買い圧力)や、(2)欧州経済の先行き不透明感(先週発表された欧州経済指標は軒並み悪化)、(3)ECBによる金融引き締め打ち止め観測(欧州債利回りの大幅低下→欧米金利差拡大に伴うユーロ売り・ドル買い)、(4)スペインを巡る政局不透明感(5/28に実施されたスペインの統一地方選で与党が大敗→7/23に解散総選挙実施予定)、(5)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0706まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/30午前2時30分現在)では、1.0713前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時140.92(昨年11/23以来、約半年ぶり高値圏)まで急伸するも、英米市場休場に伴うポジション調整をきっかけに一時140円台前半まで反落する動きとなりました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが控えていることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が日足のみならず240分足でも成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。目先は昨年11/21に記録した高値142.27をめがけて続伸する展開が想定されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる追加利上げ観測の高まり(次回6月FOMCでの25bpの追加利上げの織り込み度合は58.4%へ急上昇→市場コンセンサスが金利据え置きから利上げ実施にシフト)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は先週、金融緩和の修正に慎重なスタンスを複数回強調)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑、(4)米債務上限問題の基本合意(デフォルト懸念後退→休場明けの5/30米国市場で米主要株価指数が堅調に推移する公算大→リスク選好の円売り再開)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売りと、株高に伴うリスク選好の円売りの組み合わせ)。尚、本日は本邦仲値の5・10日要因や、米3月住宅価格指数、米3月S&Pケースシラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数、米5月ダラス連銀製造業活動指数、リッチモンド連銀バーキン総裁発言に加えて、休場明けの米国勢の動き(米債務上限問題の基本合意に対する米株市場や米債市場の動向)に注目が集まります。

本日の予想レンジ:139.75ー141.50

※明日5/31のドル円日報は執筆者の都合により休載とさせていただきます。次号は6/1を予定しております。

米債務上限基本合意で直近高値更新するも、英米市場休場に伴うポジション調整で反落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る