NY休場などもありドル上値トライは一服か
〇本日のドル円、東京時間に140.90-95円まで値を上げ141円に迫り年初来高値更新の局面も
〇そののちドルは反落へと転じるもリスクは引き続きドル高方向に高い
〇米債務問題、大統領と下院議長が基本合意とのニュースがドルが買い進められたことの一因
〇ドル高円安方向は本日東京高値140.90-95の攻防に注目、超えればさらなるドル高進行も
〇ドル安円高方向、東京安値140.20-25が最初のサポート、割り込むと先週末安値139円半ばがターゲット
〇欧米時間のドル/円予想レンジは139.80-140.90
<< 東京市場の動き >>
週明け29日の東京市場はドルが軟調裡。ザラ場ベースでは141円に迫るなど、一時年初来高値を更新したものの続かなかった。
前週末は、米与野党が懸案事項であった債務上限問題で基本合意に達した、として話題に。また、昨28日に投開票されたトルコ大統領選の決選投票は、現職のエルドアン氏が制し、再選を確実にさせたと伝えられている。
ドル/円は140.60円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。先週末に示現した年初来高値を更新し140.90-95円まで値を上げている。しかし、半年ぶりの高値圏ということで実需筋の売りに押されると、その後は徐々に調整の動きが優勢に。夕方には140.20-25円へと値を下げ、16時現在でもそのままドルは安値圏。140.30-35円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、先のトルコ大統領選の結果を受けて、トルコリラは全体的に売りが先行する展開。ドル/リラは20.05リラレベルと、先週末のドル高・リラ安水準に一時面合わせしている。
一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、週末にイエレン米財務長官が当初6月1日と発言していた「Xデー」を後ズレさせ「6月5日」と軌道修正したものの、依然として切迫感は変わらず。しかし、そののち「バイデン大統領とマッカーシー下院議長が基本合意」とのニュースが伝えられたうえ、マッカーシー氏は31日に議会で採決すると表明したとされていた。最悪期は脱したとして、本日東京時間に一時ドルが買い進められたことの一因に。しかし、ブルームバーグが「マッカーシー氏が今回の原則合意について、一部共和党議員が反発する可能性が高いことを認めた」と報じるなど、すんなり事が運ぶかどうかは未知数だ。このあとも状況はしっかりと注視しておきたい。
対して後者は、週末に岸田首相が「直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べ、訪朝に意欲を見せるコメントが発せられるなか、海上保安庁が、北朝鮮から「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射表明があったことを明らかにし、一時台頭した融和ムードに水が差された。ちなみに、北朝鮮は5月31日午前0時から6月11日午前0時までのあいだに、黄海、東シナ海、ルソン島の東方向に発射する見込みだという。また、北朝鮮はその後も同国外務省が論評を出し、「日本人の拉致問題はすでに解決済み」と伝えていると表明するなど、日本に対して揺さぶりをかけていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は本日東京時間にも高値を更新。一時は141円に迫る局面も見られたが、そののちドルは反落へと転じている。リスクは引き続きドル高方向に高いと考えて間違いなく、週内に141円を超えていくとの見方は少なくない。しかし、起点を11日の133.75円としても約半月で7円を超える上昇をたどっており、ポジションは偏っている。実際、シカゴIMMにおける投機ポジションの円ショートは先週23日時点で8万枚を超え、昨年10月以来の高水準だ。短期的には調整の動きが続く可能性もある。
ドル高の足かせとなっていた米債務上限問題は、前述したように「バイデン大統領とマッカーシー下院議長が基本合意」。31日の議会採決もあり、100%安心することは出来ないが、それでも重石のひとつがとれたといって間違いなさそう。一方、注目材料のひとつである米金融政策は、今週発表される経済指標の内容などによって一喜一憂しつつも、利上げ継続との見方が簡単に変わることを予想しにくい。基本的なドル高傾向はいましばらく続く見込みだ。
テクニカルに見た場合、本日東京で一時141円に接近したドル/円は、しばらく上方向に強い抵抗が見当たらない。敢えて指摘をすれば、昨年11月21日に記録した高値142.25円が次のポイントで、141円台に引っ掛かりはうかがえない。したがって141円台を超えてくると、そのままなし崩し的にドルが大幅高をたどる可能性もある。
しかし、ポジションの偏りなどを加味すると目先は調整。まずは先週末安値の139円半ばを目指す展開も。
本日はメモリアルデーでNYが休場になることもあり、米経済指標の発表はなし。また要人による講演などもとくに予定はないようだ。時間外取引の米金利情勢などに一喜一憂しつつも、やや動きにくそうな雰囲気。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.80-140.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値140.90-95円の攻防にまずは注目。超えればさらなるドル高進行も。
対するドル安・円高方向は、東京安値140.20-25円が最初のサポート。割り込むようだと先週末安値139円半ばがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.22
ドル円見通し 21日夜からの反落で一時154円割る、日銀総裁は12月利上げの可能性排除せず(24/11/22)
ドル円は21日深夜には153.90円まで安値を切り下げた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.05.30
ドル円、米債務上限基本合意で直近高値更新するも、英米市場休場に伴うポジション調整で反落(5/30朝)
週明け29日(月)のドル円相場は上昇後に反落。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.05.29
東京市場のドルは141円手前で失速、さすがに英米市場休場で上値重い展開に(23/5/29)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、141円台手前で上値が重くなった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。