NY休場などもありドル上値トライは一服か(5/29夕)

週明け29日の東京市場はドルが軟調裡。ザラ場ベースでは141円に迫るなど、一時年初来高値を更新したものの続かなかった。

NY休場などもありドル上値トライは一服か(5/29夕)

NY休場などもありドル上値トライは一服か

〇本日のドル円、東京時間に140.90-95円まで値を上げ141円に迫り年初来高値更新の局面も
〇そののちドルは反落へと転じるもリスクは引き続きドル高方向に高い
〇米債務問題、大統領と下院議長が基本合意とのニュースがドルが買い進められたことの一因
〇ドル高円安方向は本日東京高値140.90-95の攻防に注目、超えればさらなるドル高進行も
〇ドル安円高方向、東京安値140.20-25が最初のサポート、割り込むと先週末安値139円半ばがターゲット
〇欧米時間のドル/円予想レンジは139.80-140.90

<< 東京市場の動き >>

週明け29日の東京市場はドルが軟調裡。ザラ場ベースでは141円に迫るなど、一時年初来高値を更新したものの続かなかった。

前週末は、米与野党が懸案事項であった債務上限問題で基本合意に達した、として話題に。また、昨28日に投開票されたトルコ大統領選の決選投票は、現職のエルドアン氏が制し、再選を確実にさせたと伝えられている。
ドル/円は140.60円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い先行。先週末に示現した年初来高値を更新し140.90-95円まで値を上げている。しかし、半年ぶりの高値圏ということで実需筋の売りに押されると、その後は徐々に調整の動きが優勢に。夕方には140.20-25円へと値を下げ、16時現在でもそのままドルは安値圏。140.30-35円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、先のトルコ大統領選の結果を受けて、トルコリラは全体的に売りが先行する展開。ドル/リラは20.05リラレベルと、先週末のドル高・リラ安水準に一時面合わせしている。

一方、材料的に注視されていたものは「米債務上限問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、週末にイエレン米財務長官が当初6月1日と発言していた「Xデー」を後ズレさせ「6月5日」と軌道修正したものの、依然として切迫感は変わらず。しかし、そののち「バイデン大統領とマッカーシー下院議長が基本合意」とのニュースが伝えられたうえ、マッカーシー氏は31日に議会で採決すると表明したとされていた。最悪期は脱したとして、本日東京時間に一時ドルが買い進められたことの一因に。しかし、ブルームバーグが「マッカーシー氏が今回の原則合意について、一部共和党議員が反発する可能性が高いことを認めた」と報じるなど、すんなり事が運ぶかどうかは未知数だ。このあとも状況はしっかりと注視しておきたい。

対して後者は、週末に岸田首相が「直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べ、訪朝に意欲を見せるコメントが発せられるなか、海上保安庁が、北朝鮮から「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射表明があったことを明らかにし、一時台頭した融和ムードに水が差された。ちなみに、北朝鮮は5月31日午前0時から6月11日午前0時までのあいだに、黄海、東シナ海、ルソン島の東方向に発射する見込みだという。また、北朝鮮はその後も同国外務省が論評を出し、「日本人の拉致問題はすでに解決済み」と伝えていると表明するなど、日本に対して揺さぶりをかけていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間にも高値を更新。一時は141円に迫る局面も見られたが、そののちドルは反落へと転じている。リスクは引き続きドル高方向に高いと考えて間違いなく、週内に141円を超えていくとの見方は少なくない。しかし、起点を11日の133.75円としても約半月で7円を超える上昇をたどっており、ポジションは偏っている。実際、シカゴIMMにおける投機ポジションの円ショートは先週23日時点で8万枚を超え、昨年10月以来の高水準だ。短期的には調整の動きが続く可能性もある。

ドル高の足かせとなっていた米債務上限問題は、前述したように「バイデン大統領とマッカーシー下院議長が基本合意」。31日の議会採決もあり、100%安心することは出来ないが、それでも重石のひとつがとれたといって間違いなさそう。一方、注目材料のひとつである米金融政策は、今週発表される経済指標の内容などによって一喜一憂しつつも、利上げ継続との見方が簡単に変わることを予想しにくい。基本的なドル高傾向はいましばらく続く見込みだ。

テクニカルに見た場合、本日東京で一時141円に接近したドル/円は、しばらく上方向に強い抵抗が見当たらない。敢えて指摘をすれば、昨年11月21日に記録した高値142.25円が次のポイントで、141円台に引っ掛かりはうかがえない。したがって141円台を超えてくると、そのままなし崩し的にドルが大幅高をたどる可能性もある。
しかし、ポジションの偏りなどを加味すると目先は調整。まずは先週末安値の139円半ばを目指す展開も。
本日はメモリアルデーでNYが休場になることもあり、米経済指標の発表はなし。また要人による講演などもとくに予定はないようだ。時間外取引の米金利情勢などに一喜一憂しつつも、やや動きにくそうな雰囲気。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.80-140.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値140.90-95円の攻防にまずは注目。超えればさらなるドル高進行も。
対するドル安・円高方向は、東京安値140.20-25円が最初のサポート。割り込むようだと先週末安値139円半ばがターゲットに。

NY休場などもありドル上値トライは一服か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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