東京市場のドルは141円手前で失速、さすがに英米市場休場で上値重い展開に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、141円台手前で上値が重くなった。先週末の海外市場では、4月の米個人消費支出(PCE)統計でインフレと支出がともに加速したことなどから、CMEグループが算出するFedWatchツールでは、6月利上げ予想が6割超まで増加。米金利先高観を背景にドル高の地合いとなった。
週末には、ホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者が、米債務上限の実質引き上げで原則合意に至ったことなどから、リスク選好のドル買いが東京時間前から加速。東京時間9時過ぎ、日経平均が大幅高でスタートしたタイミングで、ドルは一時140円92銭まで買われた。
ただ、今後、米債務上限問題は議会決議を控えていることや、今晩の英国市場、米国市場ともに休場であることなどから利食いの動きが入り、買いは続かず。ドルの上値は重くなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円78銭
高値:140円92銭
安値:140円33銭
終値:140円34銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:150円90銭
高値:151円07銭
安値:150円67銭
終値:150円67銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円84銭
高値:92円02銭
安値:91円72銭
終値:91円84銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:173円81銭
高値:173円95銭
安値:173円39銭
終値:173円39銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31388円01銭
高値:31560円43銭
安値:31164円00銭
終値:31233円54銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
特に無し
※英国市場はスプリングバンクホリデーのため休場
※米国市場はメモリアルデーのため休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。5月17日以降、拡大する+2σを意識した展開となっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円78銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線をサポートに上値切り上げの地合いが続いている。オシレーター系のストキャスティクスが引き続き90%超と「買われ過ぎ」の水準に達しているものの、短期的な強いトレンド発生下においては「だまし」と判断できる。
5月の安値(4日の133円50銭)から既に7円もドル高円安が進行していることから、140円台到達を受けて達成感は意識されそうだが、米債務上限問題に進展が見られたことはポジティブなニュースである。米政治家による「はしご外し」を多少は警戒しつつも、ドルは次の展開を考えていきたい。
今年の春以降も目立った動きが見られなかったドルインデックスだが、5月以降、米金利先高感の強まりに呼応する格好で上昇。2021年6月以来、約2年ぶりに100日MAを下から上にクリアしている。FedWatchでも、「6月利上げ停止」→「6月0.25%利上げ(5.25―5.50%)」、「年内2回利下げ」→「年内1回利下げ」に市場関係者のコンセンサスが変わりつつあることから、今後は、米金利先高感を左右する経済指標の発表、そして、米金融当局関係者の発言がより重要視されよう。
とはいえ、本日は英国市場、米国市場がともに休場のためドルの上値は重くなる公算が大きい。今週末には米雇用統計の発表も控えていることから、今晩の海外市場は「参加者限定的で様子見姿勢が強まる地合い」を想定する。本日の上値メドは、年初来高値水準の140円90銭、下値メドは心理的な水準である140円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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